あらすじ
トランプは「闇の政府」と戦っている!?
オバマもバイデンもすでに処刑された!?
陰謀論はどこで生まれるのか。
そして、なぜ信じてしまうのか。
現代世界を蝕む病の正体を、気鋭のメディア研究者が明かす!
「陰謀論を生み出し増殖させるのは、人間の中にある「この世界をシンプルに把握したい」という欲望と、何か大事なものが「奪われる」という感覚です。これらの欲望や感覚は一部特定の人間だけが持つというよりは、社会状況に応じて誰の中にも芽生えてくるものだからです。
本書を通じて、陰謀論が誰にでも関わりのある身近な問題であり、それゆえ現代社会の抱える根源的な諸課題と深いところでつながっていることへと思いを馳せてもらえるのであれば、筆者としては望外の喜びです。
陰謀論は非常識な「彼ら/彼女ら」の問題ではなく、現代を生きる「われわれ」自身の問題であることに気づくことが、「陰謀論が支配する社会」という最悪のシナリオを回避するための肝心な一歩だと思います。」 ――「はじめに」より
【本書の構成】
はじめに
第一章 陰謀論とは何か
第二章 陰謀論が生む「パラレルワールド」
第三章 「陰謀論政治」はなぜ生まれるのか
第四章 陰謀論を過小評価してはならない
おわりに
【本書の内容】
・「パラレルワールド化」する世界
・陰謀論は「誰もが持っている」
・トランプとヒトラーの手法の共通点
・陰謀論を拡散する「意外な犯人」
・秘密結社「フリーメイソン」と陰謀論
・アメリカの「不正選挙陰謀論」はなぜ拡散したか?
・自尊心を支える「陰謀論的思考」
・トランプが惨敗した「屈辱の夜」
・アメリカの病を映し出す「あるベストセラー」
・日本に忍び寄る「陰謀論政治」のあやうさ
・「陰謀論による支配」を回避するために
・馬鹿げた陰謀論ほど恐ろしい効果を生む ……ほか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
政治界隈で根拠不明だけど支持されるポピュリズム的な事象を多く見かけて、不安に思ったため、手に取ってみました。
陰謀論は、複雑な事象を理解したい→単純化で理解しやすくなる→単純化されれば事実でなくても受け入られやすい、という構図があることを学んだ。
本書はアメリカのトランプ政権を題材に描かれているが、日本の政治状況にも絡めているため読みやすい。
陰謀論は、はじめは雑音として放置されがちだが、感情論とのかけ算で暴走していく、そんな成長過程があることも留意して、今後情報に接していきたい。
Posted by ブクログ
リアル本にて。
「となりの」とあるように、想像以上に身近なものとなっている、「陰謀論」について、その定義と「陰謀論」が世界に与える影響について考察している。
まず「陰謀」は実際に存在する(実例としては北朝鮮による拉致など)前提として、「陰謀論」は充分な根拠無く信奉されている(つまり信憑性の低い)「陰謀」としている。
その上で、SNS及びネットサービスのリコメンドによるエコーチェンバーによって、「陰謀論」の生成・発展がより簡単に、「陰謀論」を知ること・何度も触れ続ける確率がより高くなっている。
さらに、ドナルド・トランプのように、「陰謀論」を利用して政治活動を行う人物も現れ、これまでは一部の人々の趣味的な側面の強い仮想的なパラレルワールドだった「陰謀論」が、議事堂襲撃事件やリベラルと保守の強い分断のように現実世界に大きな影響を及ぼすようになっている。
ではどうすればいいのだろうか?実際、今の世界でエコーチェンバーを避け、ファクトチェックを都度行うことはとても難しい。自分に対して行うことも難しいのに、自分以外の大切な人が取り込まれそうになっている場合、なにかできることはあるのだろうか?
この本では対策についてはほとんど論じていないが、「陰謀論からの救出法」という書籍を紹介している。こちらも読んでみたい。
Posted by ブクログ
陰謀論が
『どこで生まれるのか?』
『なぜ信じてしまうのか?』
帯にある内容が、社会学的・政治的な知見を以ってわかりやすく書かれている本だった。
陰謀論が過去どのように表出し社会・政治へ影響を与えてきたのか。
現在起きている問題の整理、反省と未来への警鐘。
親しい人が陰謀論にハマった時の対処法は記載されていないが、その場合の参考になるであろう本も紹介されている。
Posted by ブクログ
これはとても面白かった。「陰謀」ではなく「陰謀論」の本というのが興味深かった。人は信じたいものを信じるし、見たいものを見るという心理に基づくもので、自分はできるだけニュートラルだと思っていても知らないうちに固定観念といった「陰謀論」に陥っているかもしれない。
ある国の強烈なインパクトを持った政治家がこの「陰謀論」を巧みに利用し、民衆の感情に訴えかけ、支持を伸ばしていくという流れができている。現実に起こっていることだからこそ、恐ろしい。きちんとした知識を持ち、警戒を持っていないとアッっという間に騙されてしまう。
古くはナチスの台頭にもつながったユダヤ人陰謀論が世界を揺るがす大きな戦争にもつながっていったという。その影響力は、ネットやSNSが普及した現代では、想像もできないほどのスピードと拡散力を持って広がり、甚大な効果をもたらす懸念がある。
しかも、陰謀論は正しいか、正しくないかはあまり関係がない。途方もない陰謀論ほど早く拡散し、正しい情報を伝えても間に合わないことも多い。一般人ならまだしも、政治家がこれに囚われてしまえば、不幸なことになるかもしれない。
ただし、現代では政治家がこの陰謀論自体をコントロールしようとする風潮があり、それに踊らされないようにするにはこちらもリテラシーを高くするしかない。
アルゴリズムによって自分の欲しい情報ばかりが表示されるネットの世界。自分の意見に近い考えの人たちとのSNSの付き合いによって、偏った意見の醸成がなされる。違う意見のものは「間違っている」と決めつけ、メディアは真実を報道しない「マスゴミ」と断罪する。そこに寛容さは存在せず、分断は深くなるばかり。なんだかそこかしこに争いの種が埋まってそうで怖くなる。
情報が溢れまくっている現代だからこそ、自らの偏った考えを自覚しつつ、異なる考えに触れること。いろんな世界を自分の目で見て感じること。そうやって視野を広くしていき、陰謀論には踊らされない自分を作っていくしかないな、と思った。情報はすぐ手に入るけど、視野が狭くなりがちな現代に警鐘を鳴らす良書。
Posted by ブクログ
わかりやすい!高校生でもスラスラ読めそうな新書。Qアノンが特殊集団とは言えないことも、AI情報が取得情報の基盤になった世界における人間の思考力の危うさも理解できたように思う。ためになった。
Posted by ブクログ
最近、陰謀論や過激な主張が身の回りにあふれ不安感が増している。外国人問題や中国による不動産取得の問題も真実と不安を煽る陰謀論が混じっているように思う。
本書は陰謀論なぜ生み出されるのか?という問いに対して二つの仮説を提示する。ひとつめは世界をシンプルに解釈したいという人間の欲求。ふたつめは大事なものが奪われる剥奪感。このふたつの仮説をもとにアメリカのトランプ現象をケースにしながら論を進める。
最も印象的だったのは、政治的な不満を抱えるのは必ずしも貧しい人ではなく、財産や地位、誇りなど失われるものをもつミドルクラスであるという点だ。彼らの剥奪感がニヒリズムを生み、陰謀論を生む。本書ではアメリカをケースにしているが、この点に着目すると一億総中流と謳われた日本こそ陰謀論によって政治が翻弄されるリスクが高いように思う。今のSNSの殺伐とした投稿をみても符号があう。
我々のような庶民が陰謀論とは何か知ることは大事だが、政治家にこそ読んでほしい。ホームタウン制度の炎上を単にデマとして流していいいのだろうか?クルド人問題や財務省解体デモ、中国人の不動産取得問題はどうだろうか?失われた30年のうちにたまった歪の一端が可視化されているのではないか?などと思う。
自分は就職氷河期最後の世代で未来や政治に期待を持ちようがなかった。ぜいたくは言わないからせめて国民の方を向いた政治をしてほしい。アメリカのような分断された国で人生の後半を過ごしたくない。
Posted by ブクログ
“陰謀論を生み出し増殖させるのは、人間の中にある「この世界をシンプルに把握したい」という欲望と、何か大事なものが「奪われる」という感覚です” “人間は子どもも大人も、「あたかも」自分の本物の欲望が満たされるかのような世界をつくり出して、その世界の住人となって疑似的な希望や欲望が満たされる経験を通してそれなりの幸福感を得るのです”
Posted by ブクログ
近年、陰謀論が世界のあちらこちらで蔓延しているが、著名な陰謀論を取り上げて平易に解説している本。
比較的古い話でいうと、ナチスも取り上げられており、ヒトラーの演説能力を過大評価すべきではなく、「ホロコーストは、全体主義的な恐怖政治と陰謀論が一体化する中で生まれたもの」ではないかという考察が示されている。
また、「グレート・リプレイスメント」という陰謀論(何者かの計画によって移民が欧米社会に大量に送り込まれているという内容)が、欧米で異教徒・移民に対する銃乱射事件を惹き起こしていることも語られている。
これは日本でも他人事ではないだろう。
本書と直接関係はないが、昔、「陰謀のセオリー」という映画があった。
タイトルの意味が今ひとつ掴みづらいと思っていたのだが、あれは陰謀論のことだったのだなと今さら気が付く。
Posted by ブクログ
陰謀論入門書。読みやすい!
この本の前に「トランプ信者潜入一年」を読んでいたので、かなり入って行きやすかった。
十数年前、知人と飛行機雲の成り立ちについて話していた。「トモダチに『標準空間というのがあって、それに合わせて雲の量を調整するために飛行機雲は発生している』って言う人がいた」という話を聞いて、当時はそんな変わったこと言う人がいるのか〜程度にしか思っていなかったけど、あれは古の陰謀論のひとつだったとかも、とこの本を読んで答え合わせできた感覚。
「日本の幸福な衰退」がパワーワードすぎる。格差の苦しみをバーチャルなものに求めているのか…?もし本当にそうならなんか気持ち悪い。
私も、ストレス感じた時に小説を読んで没入することはあるから似たようなものなのかもしれない。
でも、常日頃、みんながみんな格差の苦しみを感じているのか?あまりよく分からないものかも。
「陰謀論の主張が間違っている点は厳しく批判しつつも、陰謀論的なデモを生み出している参加者たちの奪感を放置しておくべきではない」
結局、分断を止めるには粘り強く対話することが必要。
Posted by ブクログ
陰謀論なんて、トンデモ理論は常識のない人が信じるものだと思っていたが、自分の身近にもあること、自分自身も知らず知らずのうちに信じているかもしれないということを初めて自覚した。陰謀論がただ悪いと否定するのではなく、そのような考えが生まれる背景まで目を向けることが、広く社会を捉えるために必要だと感じた。
Posted by ブクログ
ケネディ暗殺事件、9.1、1事件、3.11、東北大地震、日航機123便、墜落、事件、安倍元首相、暗殺事件、などを様々な事件をマスコミは正常に報道しているのだろうか?報道できない大きな力が裏で働いているのではないか?いわゆる陰謀論と呼ばれるものが、私の思考と一致するものが多く、私は陰謀論者では無いのだろうか?と思うことも時々あった。
本書ではポピュリズムと陰謀論について興味深い考察が述べられている。
ポピュリズムとは世の中をエリートと民衆に区別した上で、民衆こそが正義であり、民衆の声に忠実に行動しなければならない、と言うのがポピュリストの大原則です。ナチスの大東も、様々な宗教の起源も、大きく見れば、このポピュリズムに近い。
Posted by ブクログ
リハックで知り、気になったので購入。
面白い‼️ぜひ読んで‼️
今を生きる全ての人に、基礎教養として必要な知識が詰まってます。
みんな陰謀論予備軍だとわかります。もちろん私も。
先の参院選で何が起きてるんだろうって気になった方、トランプ怖い気がするけど何が起きてるの?って思った方には特におすすめです。
陰謀論、ポピュリズムなど、よく耳にするけど定義がよくわからないし、話者によるブレの大きさが気になってたので。それらの成り立ちや代表的事例が紹介されておりするする読めます。
陰謀論にハマりやすい人の特徴も思ってたのと少し違くて意外でした。
本当いつハマるかわかんなくて怖い。
常に警戒して自問自答していこう〜
Posted by ブクログ
第一次世界大戦の敗戦国となったドイツは、
戦勝国に多額の賠償金を請求され、貧困にあえいだ。
そうした中に「ユダヤ人のせい」という陰謀論がわきあがり、
これを利用したヒトラーが国民の圧倒的支持を受け政権に上り詰め、
その勢いでユダヤ人を虐殺した。
歴史は教えてくれる。
デマ、陰謀論に政治家が力を与えれば、大虐殺は起こりうると。
4年前大統領選に敗れたトランプは、選挙は不正だというデマを流し、
その煽動により群衆が米議会を襲撃した。
これもヒトラーと似たようなものではないか。
あの時は奇跡的に終息したが、その先般であるはずのトランプは
さらに力を蓄え、大統領に復帰、自分の思想?にあわないものを排除しようとしている。
大学やらFRB議長やら、そもそも関税という名で他国との貿易も、、
翻ってわが日本も先日の参院選は、排外主義が跋扈し、
「外国人犯罪が増えている」というデマを流す。
マスコミは嘘ばかり、SNSにこそ真実があると、偏った情報で人はデマに、陰謀論に乗る。
私も一つの陰謀論を持っている。
今の政府を構成している官僚、国会議員。
官僚の多くは東京で中学受験をして中高一貫校から東大に入った偏差値エリート。
彼らは小さい頃から特別扱いで周囲と馴染まず、人の気持ちがわからぬまま成長。
答えのあるものを覚えることはできても、クリエイティブなことはできない。
そういう人が官僚になってもろくな政策は考えられない。
政治家は、事務所に相続税がかからない特典を活かして世襲だらけ。
世襲も多くは地元を知らず都内の中高一貫出身。ただ頭が良くないから一流校に行けない。
自分でものを考えてないから、周囲、特に官僚の言いなり。
ついでに大企業のトップも偏差値エリートが社内抗争を乗り越えてその席に着いたものが多く、
ろくな経営判断ができない、、、
日本を救うのは地方出身で地元に馴染み、かつ地頭のいい本当に優秀な人と、
裸一貫ゼロから事業を立ち上げたオーナー社長。
しかしこれが今の世の中なかなか育ちにくい。
地方は貧しく、起業は難しい。
私の思考のベースはここにあるから、陰謀論者を笑えないけれど。
ただ、世界の状況は恐ろしい。残念ながらSNSが一役買ってる。
カムチャッカ地震の津波の情報はさすがにいわゆるマスメディアが信じられるだろう。
SNSのデマを信じないほうがいい。
それともそれでもあの警報は嘘、というデマもでてくるのだろうか、、
何を信じるか。
日頃の情報との接し方次第なのだろう
はじめに
第一章 陰謀論とは何か
第二章 陰謀論が生む「パラレルワールド」
第三章 「陰謀論政治」はなぜ生まれるのか
第四章 陰謀論を過小評価してはならない
おわりに
Posted by ブクログ
陰謀論ってほんとに一部の人達が信じている、何処か遠いものだと思っていたし、しかしそういう無関心が無意識的に間違った方向に向かってしまうことが自分にも有り得るという危機感もあり、この本を手に取った。
内容としては、アメリカにおける政治においての陰謀論が主で、他には世界大戦におけるユダヤ陰謀論なども取り扱われていた。陰謀論の入門書としてとても最適だと思う。筆者が繰り返し、「陰謀論が一部の人から生まれるのではなくSNSが普及し誰でもどのような考えにも触れることが出来るこの社会で、誰しもがその発信者になり得る」と強調していたのがすごく印象的で、根本的な陰謀論に対する考え方として絶対に忘れては行けないなと思った。これからの陰謀論研究への期待も述べていたが、日本におけるより身近な例や調査研究がより進んだり、メディアに関わる人の陰謀論への関心が高まればいいなと思う。そしてなによりSNSに日常で触れる私たちがこの陰謀論に対する危機感を忘れてはならないなと思う。
Posted by ブクログ
アメリカの議会襲撃から考える陰謀論。自分の周りにある情報が限定的であれば、その情報の中でしか判断できない。当たり前ではあるが、自分の都合の良い風にしか考えられないのも良く分かる。しかし、現実が辛いのであれば、時には陰謀に身を委ねるのも仕方がないかもしれない。
Posted by ブクログ
タイトルから、陰謀論のことをおもしろおかしく書いているものかと思いきや、ここ近年、トランプさんが陰謀論を政治に利用していることなどから、真面目な内容の良い本だった。
なぜ人は陰謀論を信じるのか、分かりやすい世界の解釈を求めている。宗教にしても陰謀論にしても、なにか分かりやすいものを信じたい。
もう少し深掘りした内容であれば、より面白かった。
Posted by ブクログ
陰謀論と陰謀は違うと分かったけど、見分けるのは難しい。昔、都市伝説的に思っていた北朝鮮の拉致問題。実際に被害者の方々が帰国されたのを驚きをもって見ているので、陰謀論が100%嘘とはとは思えないんだよな。とはいえ、後半部分の陰謀論を見逃してはいけないとの主張には、なるほどと思った。とりあえず、Xを見る時間を減らさないとな
Posted by ブクログ
どこかでこのタイトルを見て
「あっ、読んでみなきゃ」と思い手に取ってみました。
最近はSNSのおかげか、
これは陰謀論では?と思うようなことも多々あり、
そういった環境の中、どう考えて接していけばいいのかヒントがあればと考えていた自分がいました。
陰謀論ってなんでこんなに人々に受け入れられるんだろう?
と疑問だったのですが
なにかを奪われるということや
簡単に物事を考えたい心理から
陰謀論にハマりやすいということを分かっただけでも読んで良かったと思えました。
これからどうしても色んな情報と一緒に生きていかなければならない中で、自分のすぐとなりに陰謀論がたくさん語られていることは心にとめておく方がいいなと思いました。もうすでに自分が信じている話の中には陰謀論もあるかもしれませんが・笑
Posted by ブクログ
私が思う陰謀論と筆者が思う陰謀論。
それぞれ線引が異なり、陰謀論がいかに身近な話かを理解できる新書です。
また、政治と陰謀論の深い関係についても触れられており、現在の厳しい世界情勢だからこそ読む必要があると思いました。
Posted by ブクログ
『隣のボノボ』の続いて『となりの陰謀論』を読みました
どうやら我々のとなりには色々いる(ある)らしい
それにしてもだよ
もうほんとあれね「陰謀論」が楽しいジョークだった時代は終わりを告げたってことみたいよ
ファクトチェックって何よもう
そんなんしてたら『ムー』なんて2秒で発禁やないか!
だいたい「不正選挙」とかないっての!
あんなんで議会とか襲っちゃうとか、マジ無理
陰謀なんてないってほんと
なんでこんな世の中になっちゃったかな〜
全部トランプが悪い
全部トランプの陰謀
わいのお小遣いが少ないのもトランプの陰謀(お前が一番毒されてるやないか)
Posted by ブクログ
陰謀論とか甘くみて面白おかしく捉えがち。有名なトンデモ陰謀論もあるけど実は今SNSとかにふわっと出てくる出所不明の話題の正体も…
そうだそうだとか言ってるうちにきっと自分の不満とかがMIXされて何かの間違いが心に根付いて人間をとんでもない方向に向かわせていくんだろうな〜とか思わされるしそんなあれこれを丁寧に紐解いてくれるような1冊。面白いわ〜
Posted by ブクログ
タイトルが秀逸だなというのが第一印象。内容としてはズバズバ切り込む快作というよりかは、着実に議論を重ねていく形で、新書の紙幅でまとまっていると思うが、筆者のより専門的な著作も触れてみたいと思える。
Posted by ブクログ
飛行機の待ち時間に買って一気読み。
おもしろかったー。
もともと関心があるテーマに、
「複数の対立しがちな主張があり、それぞれの論の組み立てに、それなりに筋が通ってるように感じる場合。そして、その中のどれかに傾倒する場合。なぜその人はその主張を選ぶに至るのだろうか?」
という疑問を持ってます。
随分と以前に、藤原和彦さんのエッセイで「つまるところ、幼い頃からの醸成された感情や情緒なんかとマッチする結論を、根拠よりも先に選んでる。その結論に繋がる事実のみを拾い集めて、納得するようにしてる」
みたいな考えを聞き、納得してるのが今の私です。
陰謀論にしろ、とんでも科学にしろ、
井戸端会議で誰かが話してる分には、
あんまし気にしないようにしてるのですが、
それが自分に押し付けられそうになる時に、
すっごい嫌悪感をもってしまいます。
そして、
「なんでこの人は、
こんな話を信じるようになったんだろうか?」
とモヤモヤしてしまうんです。
本書では陰謀論の生まれる背景に、
・世の中をシンプルに把握したいこと
・奪われる不安や怖れ
があるという大元の仮説をもとに、
ナチスやトランプ、財務省などの具体例を挙げながら、話が進められて行きます。
読んでいると、社会全体に影響を与えるような大きな陰謀論だけでなく、ごく身近な組織や人間関係の中にも、『陰謀論的な思考』に繋がる場面があるよな…と気付かされます。
有名人へのバッシングに励む人や、身近な誰かの有る事無い事の陰口なんかを言うような人たちなんかにも、陰謀論にハマる危うさって感じてしまいます。
他の誰かとの比較で相対的に見たら、私の中にも「陰謀論寄り」と思われるような考えも、きっとあるのでしょう。
で、はじめに戻るのですが、
「人はなぜ、その主張を信じるのか?」
私が今の価値観を持つようになった原因は何か…
ということも考える一冊になりました。
それとは別に、
様々な陰謀論的な現象に関する考察が、抜群に面白かったです。
Posted by ブクログ
トランプがどう市民の心を掴み、再び大統領の座についたかといった考察が面白かった。また、陰謀論は市民に別の世界への没入感をもたらすものであり、このゲーム、パラレルワールドのような感覚こそが陰謀論を信じるきっかけになるという考察はなるほどと思った。私たちも陰謀論を軽視して安易に切り捨てるのではなく、陰謀論の裏にある激しい怒りがどこから生まれてるのかを真剣に考えることは、今後より良い社会を実現する上で不可欠だと思った。
Posted by ブクログ
現代政治や公共性を考える上でとても参考になる。
とはいえ、じゃあどうすればいいのか、が弱い。この怖いパラレルワールドを、どうしたらよりましにできるのか。簡単に答えの出ない難問なのかもしれない。
Posted by ブクログ
陰謀論とは:世の中で起きている問題の起因について、不確かな根拠をもとに誰かの陰謀のせいであると決めつける考え方を指すもの
主張:人間は誰しも陰謀論者になり得る素質を持っている。
理由①世界をシンプルに解釈したいという欲望を人間が持っているから
→人間の精神は現実の不確実性や複雑性を耐えるには脆弱で、意味という緩衝材を必要として物語を求める
理由②なにか大事なものを「奪われる」感覚が陰謀論を誘発する
→暗殺やテロ、災害や事故、戦争など多くの人命が奪われる出来事が起こると、陰謀論は生まれる。かけがえのない命が不条理に奪われる経験が多くの人に精神的ダメージを与える
・境界確定
陰謀論にも種類があり、また一つの事柄(9.11など)でも信じられる陰謀論はたくさんある。
常識的な考え方と非常識的な考え方を分ける境界線はどこなのか。
・陰謀論の道具性
陰謀論がビジネスや政治に利用されるようになっている。
ユダヤ陰謀論、トランプの選挙陰謀論
・陰謀と陰謀論の違いには注意。(北朝鮮による拉致被害など)
→違いは、認識的権威によるしかない。歴史であれば歴史学者、科学であれば科学者など。ただ今はマスコミや議員などの信頼度が落ちている。
・陰謀論が実世界に影響を出している。グレートリプレイスメント陰謀論(=移民が欧米社会に送り込まれることで白人の優先的地位が奪い取られることを訴える)により、白人至上主義者がユダヤ人など多くの銃乱射事件などが発生。
Posted by ブクログ
オーディブルで紀伊tのですが、少し胡散臭い話かと思ったら陰謀論が現代社会にとっていかに大きな影響を及ぼしているのかということをとても真面目に研究している書でした。ともすれば、陰謀論を信じてしまいそうになりますが、気をつけなければ。特に現代はトランプ大統領のように陰謀論をとてもうまく利用する人が出現しているので要注意
Posted by ブクログ
陰謀論が社会の中で猛威を振るうメカニズムがよく分かる。特に人間が剥奪感を感じるとき、今不幸であるとき、あいつのせいだ!と叫び、戦うものに熱狂するというのは、そうなのだろう。ナチス台頭の仕組み、トランプがなぜ支持されるのかなど、面白い事例はわかりやすい。
それは事実なのか?だれかが思いつきで行っているのではないか?自分が求めている意見にとびついているだけなのではないか?いつも疑問をもつようにしよう。
Posted by ブクログ
陰謀論の荒唐無稽さは非難する必要があるが、陰謀論を生み出す背景には目を向けないといけない。
本書は主にアメリカにおける陰謀論と、それを政治に利用するものに焦点を当てた内容となっている。本書内では、日本はそこまでと言ってるが、最近の情勢見てると、ちょっと危惧してしまう。 そういう意味で、本書に出てくる冒頭のニュアンスは、抑えていく必要あると感じた。
なお主な話ではないと理解しつつ、文中で何度か“戦隊ヒーロー”という言い回しを使っているのが気になった。あまりにテンプレ的な使い方をしてる一方で、陰謀論に絡めて使うのは適切かと気になってしまった。
Posted by ブクログ
著者はアメリカの一・六襲撃事件から陰謀論を研究し始めた
仮説1. 世界をシンプルに解釈したいという欲望を人間が持っているから
仮説2. 何か大事なものを「奪われる」感覚が陰謀論を誘発する
陰謀論は「烙印を押された知識」
陰謀論にのめり込むことは、マルチ・ビジネスや、信仰宗教などと同様
『陰謀論からの救出法』という文献は参考になる
フリーメイソンの実態はただの友愛団体
今でいうロータリー・クラブ、大学のボランティアサークルなどと変わらない
フリーメイソン陰謀論は、今日のディープステート陰謀論の源流
自分の存在を丸ごと否定するような他者が存在し、その他者の脅威が人を陰謀論へと駆り立てる
アメリカの保守派のフォックスニュースへの信頼度が怖い
「あたかも」の世界
純度の高いポピュリズム
陰謀論の内容が馬鹿げていることは、かえって恐ろしい効果を生み出す
陰謀論は失笑したり無視しない方が良い時代に入った
気持ちを汲み上げながら粘り強い議論につなげていく必要がある