あらすじ
精神論やお上頼みでは、もう乗り切れない。「される側」「する側」の双方にとって理想とはほど遠い介護の現実、特養入所待機者42万人の長い列、ガダルカナル戦にも喩えられる財政運営……二〇〇〇年にスタートした介護保険は超高齢化社会を迎え、医療、年金に続く「第三の崩壊」の危機にある。先進的リハビリと介護、認知症と看取りへの取り組みまで、介護と医療の現場から見えてくる、人生最終章を守るための選択肢とは――。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
チェック項目12箇所。実際に行われているのは、「与える側」の許容範囲内でのサービス提供なのだ。本書は、今日の介護現場で何が起きているか、そのルポを中心に構成している、すべての問題は現場にあり、答えもそこに埋まっている、と私は信じるからだ。「人にできない技術を持って初めてプロの介護職になる、プロを目指してくれ」(竹内孝仁)。介護を受ける際、「最低限、自力でしたいこと」の1位は排泄で92%に上ったという、当然だろう。「まずは介護する側の都合を排することから、まともな介護が始まる」。人が代わるとケアプランを執行できないということは、個人と言うより、管理・業務執行体制の不備だからである。単純化すると、在宅介護は「家庭教師型」であり、施設介護は「塾型」と言える、どちらがコスト高であるかは子供でも分かる。あふれる愛情があっても、いや、あるからこそ家族は認知症の肉親者に、疲れや情けなさが絡んだ感情的な対応をしてしまう。いま、社会福祉法人に求められているのは、「営利法人との違い」を国民、被保険者に示して理解を得ることである。20~25年後には、インドネシアに少子高齢化の時代がきます、アジアの国々にとって日本から介護を学ぶのは重要だと思います。介護職員は本人の立場に立ってどのような対応策を取ればいいのか、それを考えてゆく謎解きゲームのようなものだ。認知症介護の3原則・・・「いつも暖かい愛情と優しいいたわりを持って」、「決して叱らず、制止せず、いつも自由に」、「今、できることでまわりに役立つ働きをしていただく。」