あらすじ
動物園で様々な動物の飼育、治療、手術を行った獣医師が、多くの動物たちとの“対話”を通じて、野生動物の生きる意味や群れの中での生きがい、老いていく動物のQOL、動物園における動物福祉のあり方、そして超高齢化する人間社会や動物同士のケアにまで思いを馳せた一冊。
※本電子書籍は同名出版物(紙版)を底本として作成しました。記載内容は、印刷出版当時のものです。
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Posted by ブクログ
旭川動物園や円山動物園に関係した獣医さんのエッセイ。
それぞれの動物の本能や特性を満たすような環境を整えることによって生物の本来の目的である生殖を促進するという考えのもとに人気のある様々な展示を生み出してきたことが語られています。
野生の環境では衰え=死を意味していますが、人が整える環境では老いてなお生き続けるという自然に反したことが起きており、それは人にも通じている。そんな中でじじ・ばばが子供の面倒を見るという習性を得た人は子供の生存率が上がり繫栄してきたのではないかという仮説を提示しています。
かくいう竹蔵もじじとしてたまに孫の面倒を見させてもらっていますが、そのことが子供の安全に通じていることを願っています。
生き物は食べられなくなったり歩けなくなったりしたら死を待つだけで、不満も言わずじっと痛みに耐えながら生を全うする話を聞くと、人はなんて贅沢なんだろうと思わずにはいられません。
残念だったのは、著者の思い込みと思われる考え方や仮説が散見され、そういった部分がなければもう少し楽しめたのかな?と思います。
16歳を過ぎて急に衰えて来たわが家の駄犬が安らかに逝けるように、環境を整えてあげようと改めて思っています。
竹蔵