【感想・ネタバレ】問いの技法 明晰な思考と円滑なコミュニケーションのためにのレビュー

あらすじ

教育での「問う力」、ビジネスでの「質問力」や「聞き方」など、問いは様々なシーンで重要視されています。私たちは会話や文章、プレゼンなどで日常的に多くの問いを立てて質問し、問いにうまく答えようとすることでコミュニケーションを成り立たせています。

「いつ東京に来たの?」「食後にコーヒーを飲むのはなぜ?」という日常会話、「あのプロジェクトはうまくいったの?」「売り上げが落ちたのはなぜ?」という仕事のやりとり、「国会はこの法律を成立させるか否か」という社会的な問い――。

本書では、実体験から問いの立て方を紹介するのではなく、「問いの理論」に基づいて「そもそも問いとは何か」をひもとき、多様な問いの分類整理からそれぞれの技術の説明、そして人工知能と問いというアクチュアルな問題までを射程に収めて解説します。

高校生や大学生が「いい問い」を立てるヒントが詰まっているのはもちろん、社会人のリスキリング(学び直し)としても役立つユニークな問いの教科書です。

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Posted by ブクログ

この情報、要らないのにな。
夫の発言にそう思うことがよくあって、それならただ聞き流せばいいだけなのに、何故かもやもやした気持ちが残ることが多かった。
その理由が「問いの先取り」ということを知ったことで分かった気がした。
夫がその情報を私に伝えたのは、私がその情報を欲していると思ったからで、私としては私がその情報を欲していると夫に思われたことが心外だったのだと。

もうひとつ。
夫からの問いに「なんて答えるのが正解なの?」と質問で返してしまうこともよくあった。
何を問うているのか分からないから、問いの目的を先に聞き出そうとしてしまっていたのだな、と気付いた。
夫は私の答えに不足を感じたら問いを重ねるのだろうけれど、私はその応酬を億劫に感じたのだなと。


コミュニケーションにとって問いが重要だということがとてもよく分かった。
高校生の頃に読んでいたら人生が変わっていたかも知れない。

「高度な問いの先取り」とか「介入のための問い」とかは怖いけれど、日常の会話の中でそれと意識して問いを発したり受けたりするのは難しく、意識し出すと誰とも話せなくなってしまうような気がする。
じっくり考えられるような場面での問いについて意識していくことから始めたら、即座にやりとりしなければならない会話の場面でも意識出来るようになるのだろうか。


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2025年07月08日

Posted by ブクログ

生徒の「問い」を立てる力を培いたい、と常々思っているが、その「問い」自体がなんなのかをここまで考えたことはなかったし、学問的にもまだ研究が進んでいないと知って驚いた。

問いは答えの選択だ。その答えの選択範囲を決めるためには「問いの語彙」が重要で、聞きたい/得たい答えをもらうためには、問いを明晰にしなければならない。インタビューや会話で、「それを聞いているのではないんだけどな……」と感じることがあるのは、相手に質問の意図が正確に通じていないからかもしれない。

私たちのコミュニケーションは、問いとその答えが大半を担っているので、この本を読んで、聞きたいことを明晰にできれば、円滑なコミュニケーションを取ることが可能になりそう。

ただ、少し読みづらいところがあり。読書ノートに記録しながらやっと読み切ったので、大変な読書ではあったな、という印象だ。それだけ「問い」が多様であるとも言える。

そして最後に「生成AI」についても触れられていた。私たちが生成AIとどのように付き合っていくべきかを考える、ひとつの資料になりそう。
生成AIは問いに答えているわけではない。生成AIは「よりありがちな手」を選んでいるだけだ。ということを踏まえると、人間が創造力や想像力を持つ限り、AIにはたどり着けない「最良の手」を見つけるのは人間にしかあり得ない。
人間にしかできないことはまだまだある。後半はAIに頼りまくっている生徒に読ませたい文章だった。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

私たちを囲む全てには他者からの「問い」に対して、私たちは鵜呑みにするか、しないか、問いを立てられるか、どう身につけるかが重要となっている。現代(2026)において、多くの質の善し悪し問わず情報で溢れている。本著で述べられている問いすらもAIが記述している可能性も充分に考えられる。そこにはただの言葉の羅列だけであり、個人の感情も思考も手垢すら思索する流れをすらを感じられぬまま、ただ中身のない情報として浴びせられるのが現状だろう。
今日うまれた子も今日生きる大人も変わりはない。ただ、時代の変化に対して本著の示す、他者が用意した問いに乗せられがちであり、「自分の問い」を自覚的に持つことが主体性の核心だという問題意識として上げられるだろう。
自分という考えすらも問い、常に進化し深みを増すことで多角的な視点で多様な体験を通して自分なりの視点で問いを持ち、自他共に問い続けられることだろう。
数千年前からも今から数千年後以降であろうとも人間が人間であり続ける限りは変わりはない。自分の頭で考え、学習し、咀嚼し、行動し、結果をまた考えて学習し前に進むことだ。問いは質を良くするものだと私は認識している。それは、他者との関わりの中で私という問いと他者からの問いが合わさることで新しい問いが生まれ、気付く瞬間が来るものだと。
問いの質にこだわり、自身への問いを深め、質の良い情報や本から学習することだ。私は問いというシンプルかつ有意義な人生を送るためと柔軟な思考を保ち続けるために必須の技法であると確信している。

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2026年01月05日

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