あらすじ
現実の事件に着想を得た、殺人鬼に挑む女たちのサスペンス
一九七四年、フロリダ州立大学女子寮で二人の学生が殺害された。犯人を目撃したパメラにティナという女性が近づいてくる。ティナは友人が失踪した事件と同一犯ではと疑い、ワシントン州からやってきたのだ。三十人以上の女性が殺害された実際の事件を元に、女性の視点で社会の歪みを描いたサスペンス・ミステリの傑作。
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Posted by ブクログ
実際に起きた事件元にしていて、その犯人ばかり取り上げられて被害者の女性たちにはまったくスポットライトが当たらず彼女たちの輝かしい人生が断たれた事を蔑ろにしている憤りから犯人の名前は伏せられ、かつ決して魅力的ではないように書こうとする作者の意図もわかるし共感するけども肝心の文章が読みにくい!!!いや作者の憤りはわかる。大量に女性ばかり殺害した犯人の伝記映画モドキとか必要?作中主人公に協力的だったジャーナリストまでそっち側へ転ぶんだけど、この被害者無視の、さもカリスマ的な犯罪者像には腹が立つよね。けどやっぱり読みにくい。
Posted by ブクログ
2025年の23冊目は、ジェシカ・ノールの「夜を駆ける女たち」です。何と、今年初のポケミスでした。
ジャンル分けが難しいですね。これをミステリーと言ってよいのかどうか。サスペンスとも違いますし、単にフィクション(小説)とするのが良いのではないでしょうか。
主人公は、フロリダ州立大学の女子学生クラブ(ソロリティ)の支部長パメラ・アン・シューマッハーです。彼女が支部長を務める学生寮に男が押し入り、学生二人が殺害されます。この1978年に起きた事件直前から2021年までのパメラの視点と1974年に行方不明になった女性ルース・ウォシャウスキーの当時の視点で進みます。
70年代後半の若い女性の置かれた立場が、非常に良く分かります。男性を立てなければならない。男性、家族に対して従順でなければならないという当時の様子が良く描かれ、そこから外れているものに対しては、忌避されます。事件を通して、主人公パメラの行動、生き方が、正にウーマンリブそのものに変化して行きます。パメラの変わって行く様子が、最大の読み所だと思います。
☆4.5原題も素晴らしい。
Posted by ブクログ
1978年にフロリダ州立大学でおきた殺人事件と、その4年前におきた別の殺人事件。実は同じ犯人と気づいたティナと、州立大学の事件で親友を失ったパメラが、犯人を追う。
章ごとに年代や中心人物が変わり、時が行きつ戻りつ。登場人物リストを確認しながら読む。衝撃的な事件なのだが、読むのが大変だった。
実際にあった事件をもとにしたフィクション。被害者の扱いなど、時代を感じさせる。