あらすじ
【内容紹介】
~本屋を憂(うれ)うあなたへ~
この本を手に取ってくださって、ありがとうございます。あなたは、きっと本が大好きな方か出版界の関係者なのでしょうね。そんなあなたは、日本から街の本屋が消える日が想像できますか?
なぜ今、街から本屋が消えていっているのだと思われますか?
この問いに対して著者の私が「本屋を殺す犯人を突き止める」訳ではありません。「出版社に原因がある」「本屋に責任がある」「取次が悪い」「読者の活字離れ」、それぞれ少しずつ当たっていても一面的です。本屋が消えつつある理由は、そんなに単純なものではないのでしょう。
この答えを出すために日本初の試みとして出版界のプロフェッショナル達が実名(一部匿名)で、それぞれの立場で本屋について熱く本音を語ってくれました。読者のあなたと一緒に出版界の現状を俯瞰(ふかん)しながら、問いの答えに近づいてゆこうと思っています。
この本を読み終える頃には、本屋が消え続ける理由も分かり、一方では本屋の明るい未来への希望も感じ取ることができるでしょう。
ようこそ、出版流通という名のラビリンス(迷宮)へ!
【著者紹介】
[著]小島 俊一(こじま・しゅんいち)
出版取次の株式会社トーハンの営業部長、情報システム部長、執行役員九州支社長などを経て、経営不振に陥っていた愛媛県松山市の明屋書店に出向し代表取締役就任。それまで5期連続で赤字だった同書店を独自の手法で従業員のモチベーションを大幅に向上させ、正社員を一人もリストラせずに2年半後には業績をV字回復させる。それが評価されて「週刊ダイヤモンド」誌「地方『元気』企業ランキング」で同書店を全国中小企業300万社の中で日本一に導く。その後独立し、コンサルタントとして様々な業種の経営相談に乗り、講演会では自らの企業再生で実践した「成功のレシピ」を精力的に伝え、全国各地で「元気と勇気」を届ける活動に取り組んでいる。著作に『崖っぷち社員たちの逆襲』(WAVE出版)、『会社を潰すな!』(PHP文庫)がある。
【目次抜粋】
■まえがき ~本屋を憂(うれ)うあなたへ~
■第1部 本屋をめぐる厳しい現状
■第2部 注目の個性派書店から見える希望
■第3部 出版界の三大課題は正味・物流・教育
■第4部 提言 ~生き残る本屋の道~
■特別寄稿 有隣堂 松信健太郎
「本は大切です。だから守ってください」は通用しない
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
地元の書店が、賑わっていたにも関わらず閉店した際に手に取った本です。書店は、目当ての本だけでなくふと立ち寄ったコーナーで新たな本との出会いがあり、世界が広がり日々を豊かにしてくれていただけに、ショックでした。
著者は決して批判的に書店倒産の犯人探しをしているわけではなく、原因を整理し、海外の書店や長く続いてる書店の事例などを紹介し改善の提案までつなげています。
経済産業省でも書店を増やす取り組みをしていますが、どうか功を奏して欲しいなと願ってやみません。
Posted by ブクログ
本に関わるお仕事をされている方、本好きの方には是非一度読んで頂きたい作品です。
書店の経営に関するはなしなのかと思っていたら、出版界全体の不思議な点まで知れた一冊!
兎にも角にも
『雑誌発売日協定』なる昭和の遺物、無用の長物を再検討…どころか廃止すべき!
手間とお金をかけて書店到着日を遅らせている。
首都圏と関西圏、中部圏は東京発送日が発売日。
東北と中四国は2日目、九州と北海道は3日目になるようにしている。…という構造にはドン引きしました。
出版界全体の課題を考えようとするノーブレスオブリージュの気概を持つという点、あとがきの【この本のタイトルが的外れになって私が笑い者になる日が来ますように】という一文が印象に残った。
Posted by ブクログ
随分と怖いタイトルだ。書店事情は既に持続困難な状況だと感じさせる内容。しかしこの本では打開策や奮闘する書店を数多く紹介している。出版社や書店経営に携わる人は必見だろう。ビジネス書としても興味深い一冊だ。
Posted by ブクログ
本屋は文化的な商品を扱う小売業に過ぎず「文化だから助けてほしい」は甘いし世の中の理解を得られるわけがない、という有隣堂社長の話は重い。
業界としては変革が起りつつあるが、多くの本屋は体力が保たないだろうし起っても社員教育もままならず小売業としての営業力や商品への目利き力に欠ける書店は変化に耐えられず倒れるだろう。しんどい。しかし読んで良かった。
とにかく、本屋が本だけで収益を出せる時代は終わったのだと思い知らされたわ
Posted by ブクログ
焦燥と危機感、少しばかりの希望。
読みやすいようにという配慮だとは思うけど、「叔父と甥」のやり取りはどちらの発言か不明瞭になる場面もあり、吞み込みづらかった。
各人のページ数を増やすと、途端に重くなるだろうけど、塩梅として10ページほどはほしいとも思う。
Posted by ブクログ
オマージュとしての対談形式らしいが、元に触れていないのでまどろっこしくはある。
課題の深部まではさらけ出せない部分もあろうが、そもそもの内部事情や現在の状況について推し量るには役立つったように思う。
こういったテーマの本であるからこそ目についた面もあろうが、誤字脱字が一定数見受けられたために窮状が察せられてなんとも。
Posted by ブクログ
<目次>
第1部 本屋をめぐる厳しい現状
第2部 注目の個性派書店から見える希望
第3部 出版界の三大課題は正味・物流・教育
第4部 提言~生き残る本屋の道
<内容>
どんどん町から本屋が消えていく。全国の1/4の市町村には本屋がない。表題の2028年は、小中学校の教科書の電子化の年のようで、本屋の最大の収入源が奪われるわけだ。再販制度や昔ながらの旧習が残るなか、第3部で述べているように、出版業界は末端の本屋から仲卸(日販やトーハン)、出版まですべて課題のようだ。最後に有隣堂の社長が言っているように、もはや待ったなしの状況で、どの業界もすぐにてこ入れが必要。本以外の物販や著者の言う作家とのコラボなど、頑張っていくしかないのだろう…。
Posted by ブクログ
インタビューを紹介しながらの考察本。たくさんの人にインタビューしてるのだけど、一人一人の掲載がとても短くて物足りない気分。本人たちも、あんなに話したのに!ってならないの?か心配になった。毎回、これで終わり?って、リズムに乗れず、消化不良で終わった。
Posted by ブクログ
各関係者の話が短くて残念。甥との対話パート(がビジネス書では流行ってる?)は特に必要性を感じなかったので、そこを削って、各人の話をもう少し載せてほしかった。
あと誤字脱字が多い。本の話なだけに、この本自体がちゃんと大切にされて出版されたのかが気になった。
Posted by ブクログ
本が好き、本屋が好きな人たちの心の叫び。本離れがこれ以上進まないように、書店がこれ以上無くならないように共に進んでいける日が来ると良いと思う。
Posted by ブクログ
タイトルに釣られ購買。
出版業界の窮状が伝わってくる内容であった。
特に制度疲労を起こしているが、そこに対してメスを入れることが出来ていないのは業界として緩やかに死んでいる、というのはその通りだと。
本の構成をあえて会話形式にしていたが、それにより逆に読みづらいとは感じてしまった。
また、インタビュー部分をかなりカットしてるのか分量が少なく物足りなさも。
Posted by ブクログ
なぜ書店が消えていっているのか、出版業界の28人の識者がそれぞれの立場から語ったインタビューを掲載した一冊。
再版制度や返品制度といったかつて書店を守ってきた制度が疲弊を起こし、出版業界が『構造倒産業種』になっていると指摘している。
また、成功している独立系書店などへの取材から、書店が生き残っていくにはどうすべきかいくつもの提言がなされている。
そして、本屋再生のための忖度のない議論を業界内外問わず活発にする必要がある。幅広い意見があり興味深いが、識者一人あたりに割かれるページが少ないのは残念。
Posted by ブクログ
2024年5月、書店消滅を取り上げたノンフィクションが相次いで出版された。本書はその2冊目。
かつて取次や書店で重役として働いていた著者が、その経験や客観的なデータ、業界関係者の証言に基づき、構造の改善や新たな本屋のあり方を提言する、ビジネス書の性格が強めなノンフィクション。
業界の窮状や新たな取り組み、関係者の本音など、色々と興味深い内容はあったが、一方で、著者と(架空の)甥の対話形式の読みにくさや関係者インタビューの短さ、誤字脱字などがそれらの価値を少なからず損ねているように感じられて残念。
Posted by ブクログ
出版 書店を取り巻く現状と将来の分析
書店はほとんどの会社で赤字スレスレ
再販売価格維持と返品自由の習慣で自助努力の不足
出版者の雑誌の販売日規制など他の商品との差が大きい
Posted by ブクログ
2028年と区切られるとひと際興味を引く。
出版界の様々な立場の人たちの考えは興味深いけれど、それぞれのインタビューが短すぎる気がする。
もっと深堀りしてもらえていたら、更に面白かったかもしれない。読者は限られてしまうだろうけれど。