【感想・ネタバレ】ルポ 児童虐待のレビュー

あらすじ

児童虐待を解決する特効薬はない。さまざまな立場の人が問題に関心を持ち、考え続けるしかない。
日々、報道される虐待事件。しかし、個別の事件報道だけでは虐待問題の深層は見えてこない。虐待問題の本質と解決策を徹底的に現場から探り、多くの反響を読んだ朝日新聞大阪本社編集局のルポ!

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Posted by ブクログ

虐待の事例が豊富で読んでいて泣きそうだった。児童虐待を虐待者、被虐待児、児童相談所、児童養護施設、里親、教師の視点から考察し、社会が虐待問題にどう向き合うべきかを考えさせられた。知らなかったことがたくさんあって驚くと同時に知った以上、自分にできることを考えなければいけない。

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2013年05月31日

Posted by ブクログ

2021/4/29

辛い。
児童相談所で、誕生日に5本の蝋燭を立てたプリンを大事に持つ女の子の写真に苦しくなった。

虐待親と離して終わり、ではない。

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2021年04月30日

Posted by ブクログ

 「一週間に一人の割合で、日本のどこかで子どもが虐待されて死んでいます。児童相談所に寄せられる虐待相談は、この20年足らずで実に30倍超に脹れ上がりました」という、 悲しい現状を伝える一文からこの本は始まっている。

 生後四年までは、大変ながらも幸せな育児の日々を送っていた事、周りの子と比べて小さく、トイレットトレーニングが遅れている事を引け目に感じてしまい外出が減った事、トレーニングが上手くいかず、小学校入学までに何としても終えたいと焦燥に駆られ、気を病んでいたこと、そしてついに腕をつねる、叩くといった行為に出てしまい、最悪な結末を迎えてしまう。
 この背景に、常軌を逸した両親のしつけ(鼓膜が破れるほど拳や竹刀で殴る、母親をかばうも「あんたのせいで離婚出来ない、あんたは失敗作」と罵られつねられる、喜ぶ顔見たさにプレゼントを贈るも目の前で捨てられる、就職後も給料を自分で管理させてもらえない、など)があった。「子供がかわいいが故に」という、とても便利な方便を使う両親のしつけを受け、「いじめられて死にたいという、思いをさせたくなかった」とい一心が、負の連鎖が生まれてしまった。

 2005年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談は3万4472件、その内訳は実母2万1074件(61.1%)、実父7976件(23.1%)と実母が突出している。この背景には「いまだに子育て母親の責任という社会的な認識が変わらず、女性の育児の不安・ストレスがある」と、本書では述べられている。
 また、20年前と比較して、「近所に世間話・赤ちゃんの話をしたりする人がいない」という環境の変化・家庭の孤立化も大きな要因になっていると考えられている。その他には【保護者側】望まぬ妊娠、虐待された過去、育児に対する不安・ストレス、【子供側】乳児期であること、何らかの育てにくさを持っているといった、要因が複雑に絡み合っている。

 「児童相談所は何をしているんだ!」と言いたくなるが、彼らも早朝から深夜までひっきりなしにかかって来る電話への対応や、現場への急行、親からの暴力や脅し、学校での保護者懇談会での応対で心身ともに疲れきっており、家庭との両立が出来ず、辞める人も多いという。そこには「介入することで環境や食生活は一次的に解決するが、親子関係は傷つく。それで良いのか。」という悩みが根づいている。
 保護されている子供のケアも大変だ。虐待された恐怖心が消えず夢の中でも苦しむ、ふとした事でパニックに陥る子、大人との関わり方を持ちたいがためにわざと叱られようとする子、ひどい事をされても「おうちに帰りたい」と訴える子の対応に日々追われている。
 もっとも、虐待してしまう親が救いを求めて相談電話をかけても、かけた相手(相談所)によっては「なんで叩くの?すぐにやめなさい」と、一方的に責めているように感じられる悟し方をする者もいるらしく、これはこれで問題だと思う。
 
 虐待された子を育てるにあたっては里親の家庭も大きく貢献している。親から虐待のためにうまく自分の想いを表現できず、素直になろうとしても反対の行動をしてしまうという、アンビバレントに揺れ動く中学生(自分との生活の日々を綴ったルーズリーフを見て、大きく心が動いたようだ)、辛い環境に育ち、一歳にして眉間にシワがあった赤ちゃんや、ネグレクトのために食事を上手く摂れない子など、それぞれの境遇を抱えて生活を共にしている。残念ながら欧米諸国と比べると、まだまだ里親になってくれる家庭は少ないようだが、その背景には「制度が知られていない」「血縁意識による偏見」「一度引き受けたら成人するまで関わらないといけないのでは」(実際は上記の中学生のように、親のもとへ帰っていく事もある)があるという。

 虐待をしてしまう親のケアも大切な課題である。子供が「他動を伴う発達障害」を抱えていることから、(本に書かれているような一般的な育児が通じないからか?)虐待をしてしまうと連絡をいれたところ、「My Treeペアレンツプログラム」というグループミーティングを通し、自分が抱えていた闇と向き合い、ありのままの自分を愛せるようになった母親の例が載っている。
 
自分用キーワード
里親制度 保護責任者遺棄致死罪 解離状態 フラッシュバック 厚生労働省『虐待対応の手引き』 「親子連鎖を断つ会」 一時保護所 2003年11月2日大阪府岸和田市(中学3年にも関わらず、体重が25kg(7歳児並)の子がが運び込まれ、後日両親が逮捕。情報を得ていながら対応出来なかったことが問題となった) 改正児童虐待防止法 民生委員 里親(専門里親) 試し行動(反抗することで、周りの大人が自分を受け入れてくれるかを推し量る) 「週末里親」 反応性愛着障害 労働審判制度 

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2013年06月30日

Posted by ブクログ

加害者も少なくとも部分的には被害者←児童虐待が社会的な問題のひとつの現れ方である限り。そこの根っこを絶つ為の取り組みにも触れられていた。それでも、生きられる子どもは生きてほしいとは相変わらず感じているので、スタッフ・施設の拡充を願ってしまいます。

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2011年10月22日

Posted by ブクログ

児童虐待を止めるには。法律、児童相談所、社会、学校が、もっともっと連携しなきゃいけない。
親子を離せば済む問題じゃない。離す時も、離してる間も、戻ったあとも、ずっとケアしなきゃいけない。
この問題を改善していくのは、本当に難しいことなんだと思った。うまくいえないけど、子供たちみんなが幸せになってほしい。

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2011年08月11日

Posted by ブクログ

渾身の取材と言える。様々な当事者から吸い上げた声に、悲痛さと希望、そして絶望を感じた。涙なくして読めなかった。

では、どうすればいいのか?
本書では最期に専門家による簡単なてい談が組まれているが、その明確な答えを出すにはいたっていない。
なぜ、暴力、虐待がなくならないのか。その心の闇にメスを入れていくシステムはまだできあがっていない。

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2011年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
1週間に1人の割合で、子どもが虐待死している現実。
どうすれば、虐待は防げるのか?
児童相談所、児童養護施設、里親、教育現場、医療機関…様々な「現場」から虐待問題の本質に迫る、渾身のルポ。

[ 目次 ]
第1章 「鬼父母」と呼ばれた夫婦
第2章 虐待をやめられない
第3章 児童相談所24時
第4章 児童養護施設の子どもたち
第5章 里親と育つ
第6章 傷ついた子と教師たち
第7章 回復に向けて
虐待問題の専門家による「座談会」

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年06月06日

Posted by ブクログ

想像を遥かに越える重たい内容。でも、向き合わなければならない現実。

「虐待があれば即保護でいいのか」って問いかけが作中にある。オレはそれは違うと思ってるけど、現場職員の方々の葛藤はすごい伝わってきた。ほんで、ホンマに悩ませてるんやなー・・・・と同時に、この人たち(職員の方々)はホンマに充実した毎日を送ってはるなー、と思った。何も知らんからそんなこと言えるんやとか言われそうやけど、彼らの言葉の節々からそう感じたんやから、仕方ない(笑)


オレももう来年で24歳。親になる前にこれを読んでおいてよかったな、と心から思う。
少しでも、こういった家族が減ることを願ってます。

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2010年12月21日

Posted by ブクログ

1週間に1人の割合で、子どもが虐待死している現実。どうすれば、虐待は防げるのか?児童相談所、児童養護施設、里親、教育現場、医療機関…様々な「現場」から虐待問題の本質に迫る、渾身のルポ。(帯)

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2017年11月30日

Posted by ブクログ

児童虐待の現実です。
むごい話もあって、可哀想でした。
でも親にも親なりの苦労があるんですね。
難しいです。。。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

2008/8
朝日新聞で掲載された実際の事件をさらに深く取材したルポ。現実に起きている事件が、特殊な事例ではなく、いつ自分の身近でおきてもおかしくないように感じる。ただ、データで社会の傾向を印象付けようとしている記述法はあまり好ましく思えない。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

 以前読んだ「実は悲惨な公務員」同様、物事を一面的に捉えるのは良くないと反省させられた一冊。児童虐待に直面する、被虐待児、虐待する親、教師、児童相談所、児童養護施設、里親の現状を取材した本。
 虐待する親には当然厳罰を、それを未然に防げなかった児童相談所はもっと叩かれるべきのような論調があり、僕も若干そう思っていた。しかしこれを読むと、それでは事態は何も改善しないなと感じさせられた。多くの人は、虐待なんて有り得ない、狂ってると思うだろう。そんな有り得ないことをしてしまう人には、そうなってしまうだけの理由がある。虐待を止められないだけの理由がある。それを理解した上で、社会はどうやったら虐待を防げるか、どうやったら救えるかを考える必要があると思った。
 相談所や養護施設の職員がギリギリの人員で凌いでいる現状。諸外国と比較して、全く根付かない里親制度。読んでいて辛くなる。
 未来を担う子どもが命を落としたり、トラウマを負ってしまうのは社会にとって大きな損失だ。さらに養護施設の子どもの大学進学率はとても低い。人的資源や予算が限られている中で、最優先に救われるべきは誰か?

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2009年10月04日

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