あらすじ
ドーム突端の串刺し死体の心臓が消失──2084年にサンフランシスコで起きた不可能な事件に、時の大統領が関与しているのか……!?アガサ・クリスティー賞受賞第1作
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Posted by ブクログ
かつてサンフランシスコ市庁舎だった巨大建築物の鋭利な先端部に、全裸の若い男が串刺しになっていた。雪の降る中で発見された死体の胸元には大きな空洞があり、肋骨内部まで凍り付いていた。心臓のない異様な死体は、AI主導の捜査により、何故か事故と判断されてしまった。サンフランシスコ警察の捜査官であるノア・レーンはこの判断になっとくいかず、上司に逆らって、捜査を続けるうちに、国家を揺るがす真実が見えるようになってきて――。
具体的な言及は避けますが、最初からある背景情報が伏せられているような違和感があったのですが、まさかこういう形で明かされるとは。なんという魅力的な謎、そしてその謎が尻すぼみにならない、あまりにも美しいラスト……。複雑に絡み合った糸を解いていった時、最後に、『愛』が浮かび上がってくる。一読、忘れがたい余韻が残る作品でした。