あらすじ
個人SNSユーザー、企業の広告宣伝、SNS担当必読
300件の実例トラブルから学ぶ、ネット炎上対策
炎上の引き金になるのは、ほとんどの場合、喜怒哀楽の「怒」の感情です。人気のSNSや投稿端末、コンテンツ形態(テキストか画像か動画か)、そして情報モラルも時代によって変化しますが、「何をされるとカチンとくるか?」――、「怒」の感情をもたらすものはほとんど変わりません。そのため、10年前と同じパターンの炎上が繰り返されています。
企業の広告・SNS担当者はもちろんのこと、一般SNSユーザーも、炎上が頻発している折、利用しながらも一抹の不安があるかと思います。
ガイドラインの策定やSNS研修なども用意はされています。が、安全運転の教則本における「スピードを出し過ぎない」のように、当たり前に感じる内容が多いでしょう。
自動車の運転でも、免許証交付の待ち時間に見る事故シーンのビデオは、身につまされるだけでなく、事故頻出パターンとしての学びを得られます。炎上も実例に学ぶのが最も効果的なのではないか。そうした考えから本書は企画されました。特に免許も不要で利用できるSNSですが、炎上事故は心に大きな傷を負う場合があります。本書がネット利用者の教則本としてお役に立てれば幸いです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こんだけ炎上事例が並ぶと、読んでいて気が滅入っちゃう感も。
その時その時で対応の正解も変わるので、本当に大変だなと。
ただ、この抗議が行き過ぎると、タレントを採用したら過去を掘り返され、キャラクターを使うと場にふさわしくないと言われとなっていくかもしれないっていう未来はヤダな。
Posted by ブクログ
最新のネット炎上事例を、事の成り行き、顛末、反響、ネットユーザーの反応、この事例から得られる教訓についてわかりやすく解説。
物事を多角的にみる力が養える。
広報、SNS担当にいいかも。
Posted by ブクログ
大体、古くは2005年から2025年までのネット炎上の事例紹介集
以下、公式の説明と目次
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個人SNSユーザー、企業の広告宣伝、SNS担当必読
300件の実例トラブルから学ぶ、ネット炎上対策
「ネット炎上」トラブルは、スマートフォンとSNSの普及が両輪となって一貫して増え続けてきました。新型コロナウイルス禍では、在宅率が高まったことで一段と炎上は増加し、正義感が暴走した「自粛警察」や、「ワクチン推奨vs.反ワク」のバトルを生み出しました。アフターコロナを迎えて炎上件数は頭打ちになり、2024年は前年比(2023年比)で22.6%減と、大幅に減少しています(出所:デジタル・クライシス総合研究所「デジタル・クライシス白書2025」)。
では、ひと安心かといえば、そうとも言えません。炎上1件当たりの規模、インパクトは以前にも増して大きくなっています。X(旧Twitter)の仕様変更で、フォロワー数が少ない小規模アカウントの投稿でも、投稿内容によっては「おすすめ欄」に表示されるようになり、数百万~数千万単位のインプレッション数を弾き出すケースも出てきています。これが本書の表紙帯に記した、「誰もが『万バズ』する時代」の到来です。
これによって、炎上の情報流通も変わりました。かつては、炎上の火種を「J-CASTニュース」などの"ミドルメディア"が見つけて記事化することで世に知られる流れでした。その後、インフルエンサーが力を持つことで、インフルエンサーへのタレコミが効力を持つようになり、そして現在はインパクトのあるネタであれば弱小アカウントであっても当人発の投稿が日の目を見るようになりました。企業アカウントの運用側にとっては、いつ何時、"拡散爆弾"を抱えた個人Xが突撃してくるやもしれぬ、シビアな時代を迎えています。
?以上は、Xのアルゴリズム変更がもたらした変化です。炎上の起こりやすさの要因はもちろん、それだけではありません。
社会における「分断」は一段と加速しているように見えます。政治的なスタンスが保守寄りか、リベラル寄りかであれば、まだ落としどころはあるでしょう。いま起きている分断は、兵庫県における斎藤元彦知事の支持派vs.アンチ斎藤派のように、どこまでいっても交わりそうにない分断です。国の財政はどうあるべきか?積極財政派と緊縮財政派の分断も交錯する点が見えません。
他国に手本を求めようにも、米国社会が分断の際たる国になっているのが現状です。さまざまな論点で相いれない者同士が共存している状態は、非常に着火しやすい、"可燃性"が高い環境と言えるでしょう。
もう1つ、国内でもこの10年でコンプライアンス順守、ならびに多様性(D:ダイバーシティ)、公平性(E:エクイティ)、包括性(I:インクルージョン)の意識はだいぶ進展、浸透しました。例えば性的な広告(エロ広告)はほとんど見られなくなりました。
しかしながら変化が起きているときには、「まだ遅れている」と旗を振る人と、「昔は良かった」と回顧する人の間に大きな分断が生じています。2023年暮れの松本人志騒動からフジテレビ騒動を巡る議論を見ても、両者の分断、溝は広がりこそすれ埋まる気配は一向に見えません。そんな中、米国はトランプ政権への移行で「反DE&I」に転じています。
様々な価値観がぶつかり合う、混沌とした時代を迎えました。そんな中で、企業の広告・SNS担当者は、企業の看板を背負って発信を続ける必要があります。
最後に「変わらないこと」を1つ。
炎上の引き金になるのは、ほとんどの場合、喜怒哀楽の「怒」の感情です。人気のSNSや投稿端末、コンテンツ形態(テキストか画像か動画か)、そして情報モラルも時代によって変化しますが、「何をされるとカチンとくるか?」――、「怒」の感情をもたらすものはほとんど変わりません。そのため、10年前と同じパターンの炎上が繰り返されています。
企業の広告・SNS担当者はもちろんのこと、一般SNSユーザーも、炎上が頻発している折、利用しながらも一抹の不安があるかと思います。
ガイドラインの策定やSNS研修なども用意はされています。が、安全運転の教則本における「スピードを出し過ぎない」のように、当たり前に感じる内容が多いでしょう。
自動車の運転でも、免許証交付の待ち時間に見る事故シーンのビデオは、身につまされるだけでなく、事故頻出パターンとしての学びを得られます。炎上も実例に学ぶのが最も効果的なのではないか。そうした考えから本書は企画されました。特に免許も不要で利用できるSNSですが、炎上事故は心に大きな傷を負う場合があります。本書がネット利用者の教則本としてお役に立てれば幸いです。
【目次】
Chapter 1?2025年、炎上事件簿
1章1?2025年も大型炎上が頻発
事例001「赤いきつね」CM動画は性的か?
事例002 OD(オーバードーズ)よりSD(相談)
事例003 客員准教授がキンコン西野氏を中傷
事例004 ドロドロ不倫看護師の着回しコーデ企画
事例005 「すっぴんを見られたくない女」動画
事例006 道路陥没事故を笑い飛ばしたモデル降板
事例007 レシピページに性的な広告表示
事例008 新人アイドル「鮮度」アピールに賛否
事例009 俳優の泥酔住居侵入、CM契約は?
事例010 ヤマトの不在連絡票、そっくりチラシ
事例011 高校生向け妊娠・出産の啓発冊子が物議
事例012 CEO発言が「移民促進」と誤解され不買
事例013 看護師が医療事故隠蔽を示唆するX投稿
事例014 美容外科医が解剖研修でピースサイン
事例015 テレビCMがACジャパンと番宣だらけに
事例016 就活学生にわいせつ行為で指針見直し
事例017 鶴瓶の広告削除、冷酷対応と批判続々
事例018 異物混入相次ぎ、全店休業・一斉清掃
事例019 ストリートピアノ、下手な初級者禁止?
事例020 屋外から生配信、居場所特定される恐怖
事例021 "結婚できない"17歳が結婚CMモデルに
事例022 ライス販売停止というエイプリルフール
Chapter 2?ジェンダー炎上
2章1?男性差別型、イジリ・からかい型炎上
2章2?性別役割の固定化型炎
2章3?性的、セクハラ型炎上
2章4?萌えキャラトラブル型
2章5?不安、ルッキズム助長型
2章6?炎上未遂型
2章7?その他ジェンダー炎上
Chapter 3?不適切な投稿、行為、広告
3章1?不適切な「投稿」による炎上
3章2?不適切な「行為」による炎上
3章3?不適切な広告、コンテンツなど
Chapter 4?バイトテロ
4章1?2005年から今なお続くアルバイトの暴走
Chapter 5?炎上エトセトラ
5章1?生成AIトラブル
5章2?ステルスマーケティング…
5章3?告発、クレーム
5章4?イベント不手際
5章5?フェイクニュース
5章6?情報管理不備
5章7?誹謗中傷
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2005年から2025年初頭までの炎上事例
時系列関係なくテーマ毎にまとめられている
炎上の原因と経緯、対応、そしてその後までの紹介や教訓など
炎上のハードルが低くなっていると感じる
社会に寛容さが無くなっているのか、社会的な分断が広まっているのか
原因はわからないけど、他の人への恨み辛みや自身の置かれている状況への不満などの吐出口になってしまっているのだろうな
個人的によく目にする炎上はジェンダーな関するものだろうか
フェミニスト、特にツイフェミと呼ばれる人達や、それに対するアンフェと呼ばれる逆の勢力の対立
どちらの意見を見ても過激で見てられないように感じる
どれだけ正しい事実や法的な正しさがあろうが、結局は自分にとっては自分の感情が一番大事だから、つい書き込んでしまうのだろか
同じような対立は政治的な話題でも見かける
どちらにしても、絶対的な正しさなんんてものはないのにね
だからこそ、企業アカウントは適切な対応が求められる
まぁ、クソ真面目なプレスリリースだけ出しててもまったくプロモーションの意味を成さないので
少しでも多くの人の目に留まるように面白おかしいコメントをするのは仕方がない面もあるけれど
でもそれは炎上のリスクも同様に上がっていく
やはり企業は企業アカウントの運用にもっと注意すべきだと思う
あと、炎上したからと言って、謝罪だけが正解ではない
謝罪すると炎上の原因が自身にあると認める事になって更に炎上するリスクもあるし
擁護している人をも敵に回す場合があるし
いずれにせよ、事態を真摯に受け止め、改善するか、それなりの対応が求められている
あと、前と同じ、それこそ1年前と似たようなことをしても炎上するというのは現代的になったなぁと思う
価値観がそれだけ急速に変化しているとも言えるし
見つかるか見つからないか、だけの違いとも言える
難儀な世の中になったものよ
炎上後の対応だけでなく、どうやったら未然に防げるかという視点も必要
炎上の案件を思い返しても、いつなら止められたか?や、今後はどうやって止めるか?という反省も必要
担当者個人の悪ノリはアカウントの運営体制を改めればいいだけだけど
何らかのプロモーションなど、企業として大々的に準備していたものの場合、ただのメンバーの「危ないかも?」という意見で止まることはない
そもそも、その意見を言える環境を作れるかどうか
という心理的安全性が確保された組織が必要なのだろうな
専門の部署はもちろん、様々な価値観を持った人達の意見も事前に反映できるようなチェックが求められているのだろうけど
まぁ、無理な話でしょうねぇ
私自身もこうやって本の感想を中心に上げているわけだけれども
それなりに偏った意見も書いていたりするし
それこそ、過去の感想なんてもっと過激な事を書いていたりするので
過去の発言まで遡って炎上する可能性も否定できない
何とも過ごしにくい世の中になったものですねぇ
Posted by ブクログ
ネット炎上の事例を網羅的に集めたもので、「こういうこともあったな」と懐かしむような過去の出来事も多い。パラパラめくるような読み方だと、ある程度似たような事案では興味としては乏しくなるものの、企業活動の一端としての広報において、よかれと思われるような所作がときに炎上を起こし、時代性のためにかつては見逃されていたような状況、明らかに炎上は避けられなかっただろうものなど、体系的な見方を通して身近な取り組みにも参考になるであろう。
Posted by ブクログ
2000年代初頭から最近までの炎上事例集。
炎上して当然、と思う事例もあれば、これで炎上してしまうのか、と思える事例もあった。
ジェンダー、不適切投稿、バイトテロなど、ジャンル別に様々な事例が挙げられており、自分自身の業務視点で読んでいて大変参考になった。
業務ガイドラインの策定と定期的な改訂、世の中の動向、社員リテラシーなど、今後の対策や教育に取り組まなければと改めて思う。
そして、炎上は予防対策だけでなく、炎上してしまった場合はどう対応し、どのように信頼を取り戻していくかまでセットで考える必要がある事は、新たな気付きでした。
Posted by ブクログ
懐かしいと思わせるものから、2025年の事例まで。各ケースの経緯と対応を検証しながら、炎上を避けるための教訓を導き出しています。
一部はローテーションしているようで、「またこれか」感。
結局のところは、表面的ではない発信者・企業としての価値観から導き出された姿勢が大事なのだと思わせました。
「唯一の正解」のようなものはないかもしれないけれど、各企業が自分ごととして考えることも必要なんでしょうね。
読書クラスタとして気になったのは
Posted by ブクログ
1)広告代理店の内輪ウケ体質
事例075のサントリーのビール広告における性的表現について。広告への反応は不評だったにもかかわらず、広告代理店など業界関係者はこの広告を評価していたそうだ。常々、この手の炎上広告やマーケティングはどうして生まれるのか疑問に思っていたが、「本気で面白いと思って作っているのか!」と暗澹たる気持ちになった。
2)バイトテロに関する提言
筆者は「アルバイトが職場への愛着を持ち、働きがいを感じ、『仲間に迷惑をかけられない』と思えれば、不適切な行為に走る動機は大きく減退するはずだ」と述べている。しかし、これは必ずしも的確ではないだろう。そもそも問題行為自体を「バイト仲間」と一緒に行っているケースも多い。
また、アルバイトに「職場への愛着」を求めるのは過剰な期待だと思う。職場への愛着があろうがなかろうが、迷惑行為をしない人はしない。それは仲間意識ではなく、遵法意識やマナーの問題だろう。職場への愛着を求めるよりも、実際にバイトテロを行った若者がその後どうなったかを示すほうが、はるかに効果的だと思う。
3)当事者への忖度?
今回もっとも気になったのがこの点である。
事例066では、吉野家の常務取締役(当時)が早稲田大学のマーケティング講座で問題発言を行い、その後解任された件が紹介されている。しかし、問題は事例の内容そのものではなく、著者による記述だ。
「著者は取材やセミナー講演の依頼で彼とは接点があった。明朗快活な好人物で、その場にいる人を楽しませようとするサービス精神があった。(中略)ウケ狙いに走りすぎたか……」
他の事例では、炎上を起こした企業や当事者について「知識のアップデートが必要」「第三者の視点、確認が必要」などと評価しているのに、この事例だけは「普段は好人物なのについうっかり、サービス精神が行き過ぎた」という擁護的な評価である。自分が知っている人物だからといって、このような感想を挟むのは適切だろうか。忖度するのであれば、いっそ掲載しないほうが良かったのではないかと思った。
Posted by ブクログ
読み物としても面白かったけど、読み進めるにつれて「結局またこのパターンかよ」が増えてきて嫌になってしまった。企画を仕掛ける側も炎上に火を配る側も、とにかく諸々の意識が低い人から順にさっさと燃えてしまえばいい。
Posted by ブクログ
2009年頃ー2025年初頭までのネット炎上をまとめた本。それぞれの事例が最初の200件はほぼ1Pに 概要・ネットの反応・対応・教訓 の4つの項目でまとめられているので掘り下げはそれほど深くない。こんなことがあったのか、こんなこともあったなあと振り返るのには手軽でいい。
201からのChapter4は1Pに2-6件が詰め込まれているので「300」という数字のためのかさ増し感がある。と言ってもバイトテロやステマ、AI炎上など一つ一つが小粒ではあるのだが。
Posted by ブクログ
時代が変わる中で、企業/人としてどのようなスタンスで向かっていくか?
古今東西の炎上事例について、古いものは2000年代から採り上げていく。あったなと思い出すもの、こんなこともあったのかと思うものまで300もあると読み応えあり。
中には出た当初は何も言われなかったのに、数年経って衆目にさらされたり、感覚が変わってNGになったりする案件もあり、この手の問題への対応の難しさを感じる。
一方、スープストックのように理念に照らして対応を継続すると行った話からは、安易に批判されて取り下げるのが正しいのか、ということも気付かせてくれた。