あらすじ
古生物学の泰斗が「何にでも興味を持つ子供のような眼」で見つめた日常は、新鮮な“発見”に満ちていた! 落語のこと。軽井沢の不思議な店のこと。逃げ出した見世物用のコブラのこと……。自然史科学者が平明な文章で綴る随筆集。
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Posted by ブクログ
面白い!!と何度笑ったことか。
寺田寅彦、中谷宇吉郎、岡潔、藤原正彦……、さらに理系の素晴らしい随筆家がこんなところにもいたとは。
私が触れた際にはもう亡くなられていた。
著作はこの一冊だけのようで、非常に残念に思う。
自然史という見方から、語りかけるような文は読みやすく、遥かなる時の重みを感じさせる。
最初と最後に同じような問題提起を為されていて、暗記だけで実体を伴わない知識に意味はあるのか?という反語なのだろう。
どうしてその結論に至ったのか、どんな試行錯誤が為されたのか。答えだけを羅列した教科書で、答えだけをひたすら教える授業を面白くないと感じる子供たちの心は、正しいのかもしれない。
目の前にあるものから、問いを生み出す力。
問いを生み出すことから、答えを見出す力。
自ら立つ力をつける教育のあり方を筆者は唱え、また教育に携わる者として自戒されていたのだろうなあ。
格好いい。
「未来の予測も過去の推測も、返事ができないところは同じである。それなのに来年のことを言えば鬼が笑い、過ぎ去ったことはそれを言っても誰も笑わない。結果らしいものが知られていると、運命がそうしたとでも考えるのだろうか。どうしてそうなったかを考えなくなる。」
Posted by ブクログ
理系の人は、読んだ方がよいでしょう。科学に、研究に向かう心の姿勢を正される。そんな気がしました。久々に科学者の書いたエッセイを読んで、なかなか感じるところが多い良書でした。