【感想・ネタバレ】待ち合わせはさそり座のどこかで【電子限定かきおろし漫画2P付】のレビュー

あらすじ

「君は俺のことを好きになってはくれない」
幼い頃に暮らしていた街に戻ってきた高校生・燦吏は、転校先で当時片想いをしていた少年・玲と偶然同じクラスになる。
玲も燦吏のことを覚えていて、運命のようなものを感じた燦吏は再び淡い恋心を抱き始める。
しかし放課後に男とホテルに入って行く玲を目撃した燦吏は、大きなショックを受け、玲に問いかける。
セフレだとあっけらかんとこたえる玲だが、次に続いた言葉は「人を好きになるって全然わからない」で…?
★初出時のカラーを完全収録!!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

こちらの作品、BL漫画カテゴリではあるんですが、私的にはBLというより恋愛哲学漫画なのではと思いました。まず話の鍵になるのが、相手の男の子がアロマンティックという他者に恋愛感情を抱かないという指向の持ち主だということ。この男の子に主人公は恋心を抱くのだけれど、もうこの指向があるのならば、お互いに恋愛感情を持った関係になることは絶対にない。であるならば、BL漫画は"お互いに恋愛感情を持ってして幸せな結末を迎える作品でないと許せない"という人にはまず向いてない作品かもしれないです。ただ私にはもうとんでもないくらい刺さりました。まずタイトル。待ち合わせはさそり座のどこかで。読み終わった後さそり座についてしらべました。秘密主義、セクシュアリティがある星なんですって。主人公が作った曲のタイトルでもあるんですが、それを踏まえて考えると、主人公は、アロマンティックな彼には自分にはわからない考えや思いがあって、どうにも自分と同じ気持ちにはならないのかもしれないけれど、そんな中で折り合いをつけて一緒にいられる関係を探していけたらいいねっていう思いを伝えたかったんじゃないかなと、、、。そしたらもうそれって一般的な恋愛関係ではないけれど、この世で最も美しい恋愛関係ではないかなってもう涙が滝のように出て止まらなかったです。またこの漫画のテンポ感と言葉の使い方が好きです。ツッコミの言葉選びが面白いから読んでて楽しいです。最後に、主人公の仲間たちがみんな温かい人で救われます。読んでて嫌な気持ちになることがないです。ぜひ、お勧めしたい一冊でした!

3
2025年06月05日

Posted by ブクログ

小学生の頃に一度だけ音楽室で一時を過ごした同級生の二人が、高校2年生で再会。淡い恋心を抱いていた燦吏(あきさと)は『この再会に”運命”と名前を付けてもいいんじゃないか』と思い、会わない4年の間に自分はアロマンティックだと自覚していた玲(ほまれ)は「俺と篁くんは違うと思うよ、『人を好きになる』って全然わかんないもん」と言う…

かわいい絵柄、さらりと読み進められるお話、でしたが、作品の根幹はただの『かわいい&さらり』とは違って『多種多様なジェンダーについて(の一部)が、かわいい&さらりと、でも丁寧に描かれていた』ように思います。
ページ数、少なめなのに。



私、多様なジェンダーについて、細分化され過ぎてしまうとさっぱりついていけなくて『アロマンティックとは何ぞや』を知らなかったので、調べつつ読み進めました。
表紙の絵、玲の泣き顔が印象的で、裏表紙の『君は俺のことを好きになってはくれない』という言葉がその涙の意味だと思っていたら違って『はぁ~~~このシーンの表情なのかぁ、そしてあの言葉は玲のではないのかぁ』とか思ったりしながら。

『いつか、燦吏は辛くなるのかもしれない』と、読み終わった直後は思ったのですが、アロマンティックを更に調べてみたら『アロマンティック・デミセクシュアル』だと自認している女性が『自分には”ヘテロロマンティック”なパートナーがいる』と書かれている記事を読んで…
燦吏と玲はその方々のようにこの先、歩んでいくのかな、そうであれば良いのに、なんて思いました。

それにしても、転校生の燦吏をまるでずっと知っていた仲間の如くに受け入れている軽音部の子たちが超絶良い子たちでした~

イジメやイジメのようなものの近くには、何も出来なかった自分、何もしなかった自分を後悔しながら、恥じながら、詫びても仕方ないと思っていても詫びたいと思っている、そういう人はきっといるんだろうな…


なぁんてことを、色々考えちゃって長くなってしまった。
作者様の意図に添えているのかはわからないけれど、柔らかに心に残る作品でした。

0
2025年11月18日

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