あらすじ
応仁の乱後の覇権を握った細川政元は、超能力に傾倒する奇人でもあった。妖術や空中飛行に憧れ、戦を放棄し修行に没頭。世継ぎは残さず、延暦寺も焼き払う。奇行の裏には狙いがあった! 戦国の引き金を引いた政元の人生から乱世をひもとく。
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Posted by ブクログ
応仁の乱以後、亡き父・細川勝元の後継として、
乱世の重要人物となった細川政元の生き様を解き明かす。
・はじめに――史上稀に見る奇天烈な権力者・細川政元
第1章 「ポスト応仁の乱の覇者」はいかに時代を変えたのか
第2章 オカルトへの傾倒
第3章 「ポスト応仁の乱」の時代――若かりしエリートの挫折
第4章 戦国の引き金を引いた「明応の政変」
第5章 覇権と暗殺、そして戦国へ
終章 政元の多面的な実像――再評価すべき理由
・おわりに
コラム①~③、主要参考文献有り。
細川氏本家の京兆家の家督を相続。守護大名であり、管領。
幕府を牛耳り半将軍と呼ばれた細川政元は、
その実力と共に、修験道の修行と奇行でも知られていた。
明応の政変で将軍をすげ替え、政権を掌握したが、
後継者問題からの謀反等を経て、暗殺されてしまう。
当時の価値観や常識に捉われない、三好長慶や織田信長に
先行する発想と行動には、彼ならでの理由がありました。
それらと、生い立ちから管領という立場、当時の情勢などを
分かり易く解説しているので、興味深く読めます。
応仁の乱以後の戦国時代に繋がる変遷。その中で如何に、
細川政元という人物がキーパーソンだったかを、
改めて認識する内容にもなっています。
身近な仏教や神道とは異なる修験道に傾倒したのも、
修行者のネットワークから全国に目を向ける意味合いが
あったらしい。まぁ当時の宗教からすれば、
空を飛びたいとか、オカルトじみて畏怖されていたでしょう。
そして、烏帽子を嫌ったり、将軍をすげ替えたり、
比叡山を焼き討ちしたりの常識を打ち破る行動が、
戦国時代を先んじているようで、面白かったです。
ただ、もう少し関わる人物についても説明が欲しかった。
朝廷も九条家中心で、後柏原天皇(即位の礼をあげるため
21年も待った)との関係や、政元暗殺に関わった人々など、
もう少し詳しく書いて欲しかったです。
Posted by ブクログ
細川勝元の後を継いだ細川政元について書いた一冊。
どうしても後に出てきた三好長慶や織田信長と比べると語られることが少なかったが、足利幕府の将軍を挿げ替えるということをした最初の武将として、また実施をもうけずに天狗に倣うオカルト武将として、知ることができた。
Posted by ブクログ
「おわりに」の著者のことばが良かった。「過去から学び、未来を作る」「広い視野と長期的な見通しを持った人材が増えることを強く願っています」まさに、激動の時代に必要なことだと思った。