【感想・ネタバレ】この街角で、君に恋してのレビュー

あらすじ

仕事に疲れた李帆は旅先で天使のような美貌の男性・エルダーに助けられる。突然口説かれて困惑するも、東京に戻ってからまさかの再会――今度は本気で求婚されて!?「知れば知るほど愛してしまう」甘く巧みなキスと愛撫。初めての快感に濡れ、心まで蕩かされる。「カニンガムホテル」を舞台に、あの日、あの時、あの場所で出逢ったあなたと。運命が巡り合わせた一途な愛!

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この世界観が大好き

主人公は、普通に真面目に生きていて、でも家族の縁が薄くてどこか他人と一線を引いているような、決してキラキラしているわけではない。それでも、ヒーローが一瞬で恋に落ちてしまうくらいに、自分を持っている素敵な女性であることに間違いはなく。
こういう真面目に生きている人が報われる物語を読むと、すごく安心するし、よし、明日も頑張ろうという気持ちにしてくれる作品は実は少なかったりする。びっくりするような起承転結があるわけではないのに、次々にページをめくってしまうのは、この作者さんだから書けるストーリーゆえなのか。読み終わると、夜更かししても後悔なしと思えるくらいには、どっぷり物語に浸かり幸せにしてもらえるので、次回作も楽しみにしてます。

#胸キュン #ハッピー #感動する

1
2025年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事に追われ、心が少し疲れていた薬剤師の李帆。
ふとしたきっかけで訪れたニューヨークで、天使のような美貌の男性・エルダーと出会い、
その優しさとまっすぐな言葉に少しずつ惹かれていく――。
非日常の街角で始まった恋が、やがて現実の生活に溶け込んでいくまでを描いた心に穏やかに沁みるラブストーリーでした。

井上先生らしい“やわらかな世界観”と“誠実な愛情表現”がとても心地よく、
嫌な人物や無理な展開もなく、安心して読み進められます。
エルの「知れば知るほど愛してしまう」という言葉どおり、
恋がゆっくりと形を持ち、李帆が自分を受け入れながら変わっていく過程が丁寧に描かれていて、
読後には優しい温もりが残りました。

ヒーロー・エルはとにかく誠実で、強引ではなく包み込むようなタイプ。
李帆を支えたい、幸せにしたいという気持ちがあふれていて、
“相手を尊重しながら深く愛する”その姿が本当に魅力的。
一方のヒロインは控えめで少し不器用だけれど、
自分の殻を破り一歩を踏み出す勇気がとても素敵でした。

カニンガムホテルシリーズらしい上品なラグジュアリー感と、
過去作の登場人物たちのカメオ出演も嬉しいポイント。
それぞれの幸せが繋がっていくようで、世界観の広がりを感じました。

大きな事件も波乱もないけれど、その静けさがこの作品の良さ。
恋が“ドラマチック”ではなく“日常に根付く優しさ”として描かれていて、
忙しい日常の合間にふと読みたくなるような、心の休息みたいな一冊でした。

0
2025年10月24日

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