あらすじ
ある日ある朝、西暁町で、十四歳くらいの僕が馬から生まれる。記憶も名前もない。でも名前なんかいらない、と思う。自分が誰だってどうでもいい――のに、正彦が僕を弟にする。それからヒトとしての生活にようやく馴れてきたところに、蛇に乗る少女楡(にれ)が現れ、僕を殺人現場に誘う。冒険が始まる。失踪した父親。地下密室。殺人。獣の大革命。そして恋。混乱と騒動の中、僕は暗い森を駆ける駆ける駆け抜けていく。 (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
読み終わるまでだいぶ時間がかかった気がする。
読み終わりが見えてきた頃には、物語初期(成雄が記憶喪失だとか、中学校に編入したりとか、鬣触ろうとした同級生の皮膚をえぐったりとか)からはだいぶ成雄も変わっていて。
ボアダムスのワンサクの演説は、読んでいて、「まじよく書いたなー」と、帯の「凄まじい文圧!!」という煽りに納得。
楡が、頼まれたからやらせてあげちゃう、という舞城小説によく出てくるふつーの女の子だったところに私自身がっくりして、成雄の白けた気持ちにとても共感した。
罰太郎はどうなったの?とか、
結局義経と成雄はそもそも生まれが違うの?とか、
ボアダムスって結局なにがしたいの?とか、
最後まで読んでも気になる部分は多々ある。
成雄が、最後まで楡に会いたがっていたところは、嬉しかった。
シンクロニシティ、パウリ効果、ピノキオの物語、、、
気になるキーワードはたくさん出てきたけど、
個人的には、梨木サボロッカ牧場のサボロッカってなに?!と、思いました。