あらすじ
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「わたし、死なないから」えっ? いまなんて言った?ーー看取りのプロ医の次女のもと、四姉妹+父で母を送ったドタバタ記
「わたし、死なないから」えっ? いまなんて言った?ーー底抜けに明るいがトラブルメーカーの母に残された時間はあと1ヶ月。看取りのプロ医の次女による仕切りのもと、母を在宅で看取り、家族葬で送ることになった。母にいちばん迷惑をかけられながらも心優しき長女、気が強く明晰な次女、行動派の三女、作家である四女の「わたし」、そしてほぼ戦力外の父が一致団結。喧嘩したり、泣いたり、笑ったりした、「その日」を迎えるまでの20日間を描く実話。終わりよければすべてよし。死は人生最大の禊である。
著・文・その他:尾崎英子
作家。1978年、大阪府生まれ。2013年『小さいおじさん』(文藝春秋、のちにKADOKAWAより『私たちの願いは、いつも。』として文庫化)で、第15回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。著書に『ホテルメドゥーサ』(KADOKAWA)、『有村家のその日まで』『竜になれ、馬になれ』『たこせんと蜻蛉玉』(以上、光文社)他。近年は10代から楽しめる作品にも執筆の幅を広げ『きみの鐘が鳴る』『学校に行かない僕の学校』(ポプラ社)他。2024年、『きみの鐘が鳴る』で、うつのみやこども賞受賞。
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Posted by ブクログ
数年前、母が倒れた。幸いにも大きく後遺症などが残ることはなく、今は(こちらから見る限りは)元気にしているけれども、うっすらと介護とか、その先を意識させられた出来事だったのは間違いない。
さらに、ものすごいバイタリティで、何歳になっても自転車で爆走してそうだと思っていた祖母が、ある時を境に一気に小さく小さくなってしまって、今は施設にお世話になっているけれども、たぶんそろそろお別れを意識しないといけないのは間違いない。
祖母の身の回りは、母と叔父(母の弟)がいろいろ動いているのだけれど、どうも母の方が、「祖母がどんどんなにもできなくなっていく」のをなかなか受け入れられずにいる様子で、そういうものなんだろうか、どう接していけばよいのかと、こちらも戸惑ってしまう。
未知の領域すぎて、不安しかないのをどうにか払しょくしたくて、少し先を行く皆さんの介護エッセイなどにはついつい手が伸びる。
今回は特に、「看取りのプロ」がメンバーにいるという心強さ。
余命わずかと分かってから、どう日々が進んでいくのかを、(もちろんこのケースにおいて、という話だろうけれども)何となくイメージできるようになって、それは個人的にすごく収穫だった。
あとは、最期のときに立ち会うのは難しい、立ち会えなくても後悔することはない、会えたときに最後だと思ってお別れをしておく、というのも、そういうものなんだろうなと思って受け取った。
(何となく、うちの母は「これが最後だと思ってお別れなんて!まだ長生きするんだから」と言いそうな気がする)
最期の時に立ち会うものなのに、自分の仕事も生活もあるのに、急に言われてもどうすればいいんだろうかと、すぐにだれかがどうなるわけでもないのに、うっすらと妙なプレッシャーがあったのを、少し軽くしてもらえたような。
それにしても、どこまでもどこまでも自分ファーストなんだな自分と、改めて感じたところでもある。