【感想・ネタバレ】ゲームフルデザイン 「やりたくなる」を生み出すゲーミフィケーションの進化のレビュー

あらすじ

ゲームは課題解決のための「価値」の宝庫だ。
体験から行動をデザインするメソッド満載!


❝これが読みたかった!本能に刺さる体験づくりの手法が、どんどん整理されていく。「楽しい」「ハマる」を生むためのノウハウが凝縮された大辞典。考える時に手元に置いておきたい。❞『アフターデジタル』シリーズ著者 藤井保文推薦(株式会社ビービット日本リージョン代表)


本書は、ゲームに使われてきた理論や技術をゲーム以外の分野に応用する従来の「ゲーミフィケーション」にとどまらず、現代社会が直面する複雑な課題解決のために進化した「ゲームフルデザイン」を提唱します。「ゲームフルデザイン」とは、行動科学や欲求理論、CXデザイン、UXデザイン、ビヘイビアデザインといった学問的・実践的な手法を融合させ、「やりたくなる」を生み出すデザインの新たなアプローチです。
効率性や合理性だけでは解決が難しい課題が増加する現代において、本書が提唱する「ゲームフルデザイン」は、ユーザーとの深い接点を築き、エンゲージメントを高め、持続可能な価値を生み出す強力なツールとなります。
本書では、「ゲームフルデザイン」の基本概念や設計・実装の具体的な方法、さらに実際の事例を詳しく解説。読者が自身の分野で応用できる具体的なヒントとインスピレーションを提供する一冊です。

〈目次〉
第1章 正しいだけでは解決できない課題にあふれる現代社会
第2章 人間の行動に着目し課題を解決する行動中心設計のアプローチ
第3章 「ついやり続けたくなる」体験を生み出す習慣UX
第4章 ゲームフルデザインの社会実装
第5章 ケーススタディ

〈こんなニーズに応えます〉
□商品やサービスの顧客体験を向上させ、ブランドロイヤリティを高めたい(→プロジェクトマネージャー・マーケティング担当者)
□ユーザーエンゲージメントを高め、競争力のあるプロダクトを設計したい人(→製品サービスの開発者)
□生徒や学生の学習意欲を高め、効果的な教育体験を提供したい(→教育者)
□防災、教育、健康促進などの分野で、行動変容を促進する仕組みを導入したい(→社会課題に取り組む人)
□新しいデザインアプローチを学び、自身の作品やプロジェクトに応用したい(→デザイナー・クリエイター)

※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。
※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。

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Posted by ブクログ

・8つの「ついやってしまう」要素
 初期設定:あらかじめ何かを設定しておくことでそれを選択させる
 情報開示:選択肢のメリットを開示して選択させる
 リマインダー:期日や約束の日時などを少し前に知らせることで行動を選択させる
 単純化/容易化:手続方法や書類作成を簡単にすることでより多くの人に選択させる
 フレーミング:情報を適切に整理することで望ましい選択をさせる
 同調:他の多くの人がやっていることをスべきと考える思考を利用して選択させる
 わかりやすさ:グラフィックや逗子などを用いて注意を引き行動を選択させる
 エラー予測:取りうる間違いの選択肢を予測し、あらかじめ取らないように対処する
・PBL : ポイント、称号(Badge)、ランキング(Leadersboard)
・人間には偶然性と好奇心に動機づけされる「求知欲求」があります。5皿食べれば必ず特定の者がもらえるよりも、5皿食べるとなにかもらえるかもしれない、更に何がもらえるかわからないほうが強い動機を喚起します。
・アンダーマイニング:内発的な動機づけが喚起されているときに、外発的な動機づけ(お金など)をあたえてしまうと、本来内発的に動機づけされていた欲求が小さくなってしまう
・踊り場:成長実感をより得やすくなるような仕掛け。進捗の中で定量的なポイント数などの結果を下に成長を感じるのではなく、実際に実感として成長を感じられる機会を作る手法です。人間はこれまでできなかったことができるようになる、これまで難しいと思っていたことが簡単にできるようになる、そんな時に地震の成長を感じることができます。この特性を活かして、定期的に簡単に達成ができる場所を用意することで、成長実感を得られるようにします。例)勉強のまとめテスト
・求知欲求:未来に何が起こるかわからないという環境に置かれると、知りたくなる、確かめたくなるという内発的動機づけがなされる
・有能欲求の3つの構成要素
 自律性:課題解決のために必要な行動を自身で主体的に決定し取り組めること
 熟達:自身の目標達成に向けて努力を重ねること
 目的:社会やチームへの貢献、組織の成長など利他的なもののこと
 これらにより、自身が実力を発揮できる(できている)と感じられる瞬間
・ショーケース:自身のアウトプットによって有能感を感じるケースで有効な手法。自身の中でよくできたと満足できるケースもありますが、他人と比較することで自分の有能感を感じるケースも非常に多く存在します。そのため、他の利用者や運営側によるアウトプットの結果を見ることができたり、自分のアウトプットと比較できるような場所を用意したりすることで、自分の有能感を得られるようにする手法がショーケース
・セルフビルド:ゼロから作り上げるプロセスを用意する
 アレンジ:書き込みを入れられるようにする、カスタマイズを重ねられるようにするなど、利用者が使いながらアレンジできる要素を入れることによって愛着を湧きやすくする手法
 パーソナライズ:運営側が自身のニーズや趣味嗜好に最適化された体験を提供する
・ヒストリー機能:見返したくなる過去の行動を記録しておく(総プレイ時間、名場面集、利用ログなど)
・特別扱い:ビギナーズラックがもたらすような効果を意図的に生み出し、特別感を得られるようにする手法。たとえば、初回は必ず成功する(しやすい)ように設計するという手法が一定効果が高いと考えられます。その他にはサービス利用者の誕生日にスペシャルオファーを提供することで特別感を得てもらうという手法も有効です
・理解者的コミュニケーション:「自分のことをわかってくれている」「理解されている」「自分のために言ってくれている」と感じてもらうことで特別感を演出し自律欲求を刺激する手法
・貢献実感:利用者がサービス内での行動によって自分以外の他者に役立てたと感じるようにする手法。クライドファンディングでも総調達額と利用者個人の支払額を同時に見られることで、全体の中で自身がどの程度貢献できたかということが可視化され、関係欲求が刺激される
・課題定義の考え方
 1.誰が(WHO)
 2.どのシーンで(WHEN)
 3.どの選択肢で(WHICH)
 4.何を選ぶべきか(GOAL)
・初回の体験:最初のきっかけ→欲求+評価→行動→結果→感情の変化
 感情の変化によって欲求が強く刺激されることで2回目以降の行動を促していく
・更にそこに再訪の仕掛けを組み合わせることで習慣化する
・期待値を超える成長実感を得ることで嬉しさを感じる事が重要

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

中々に複雑な気持ちになる本だった。

技術というものは概して利便性と危険性が表裏一体なわけだが、人間の欲求やバイアスを突いたプロダクトというものも、それを活用する者の道徳・倫理観次第で善用も悪用も出来てしまう。

学生時代以来長いことゲームをしていなかったが、半年前ほどから気になるゲームが出てきて、隙間時間でちびちび遊んでいる。昔遊んでいた各種ゲーム、例えばドンキーコング、スーパーマリオワールド、ぷよ2、スマブラ、FF9、聖剣伝説LoM、マリカー、ソニックアドベンチャー、バイオハザードその他もろもろ。そうしたゲームと、今やっているこのゲームとは完全に別物で、仕組みを理解するのに中々戸惑った。

なぜこんな変なつくりなのだろう、と不思議に思ったり、仕様の各所にもやもやする気持ちを抱いていたのだが、この本が全てを解き明かしてくれた。

今やっているこのゲームにおける仕様のどれもが、本書の第2章で紹介されている要素の「全部乗っけ」なのである。「全て」は言い過ぎでも、8割以上の項目がどこかしらに該当する。それくらい、ゲーム制作の中枢にこのゲーミフィケーションが根差していて、人間の内なる欲求を満たし、同時に理性を働かせなくして依存させるように出来ている。非常に恐ろしい。

上に挙げた往年のゲームはもちろん、マンガ、テーマパーク、スーパーマーケットの陳列、YouTubeやSNSからトランプ大統領の言質に至るまで、あらゆる場所に少しずつ何らかのゲーミフィケーションがある。これはかつては無意識的、または経験によって活用されていたTipsだったのが、今や人を認知的に操作するための武器となっている。

操作されず、自らの主体性を維持しようとするのであれば、まずはこうした仕組みが存在し活用されていることを理解し、メタに自信を内観する習慣をつける必要がある。

本書では対抗ではなく、「緊急ではないが大事なこと」を避けずに行うための方法として、実際の活用アイデアまで紹介してくれている。
こうした活用法が、技術のあるべき姿だ。

理想とは異なるが、身を守る上では核武装には核武装に対抗するのが最も有効な対策である。
また火は手を火傷させ車は毎年大勢を死傷させるが、使わずに生活することは難しい。
「楽しませる」という大義や甘言の裏に認知的操作があり、それは秘匿される。その結果、最も貴重な「時間」や、人のお金を目減りさせることがある。
狡猾な知者の養分で終わらぬために、身を守る術として知っておくべき情報と言えよう。

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

顧客の価値基準がフローからストック、機能から情緒、what から why へ移り変わる中で、さまざまな観点からゲーミフィケーションを活用することによって顧客の行動変容を狙う。
全体にわたって体系だった記述がされていて、ためになる。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ゲームをつくるときの思考法を汎用的な体験デザインのフレームワークを紹介した秀逸な本。

路地からに導き出せる答えやソリューションというのはおそらく。今後、 AI がどんどん得になっていく。一方でこういった人間の様々な欲求行動原理を踏まえた。体験や何段か思考の飛躍が必要で、単なるロジックだけでは、導き出せないところはあるように感じた。

この通りにやれば、誰でも驚くようなゲームフルデザインができるわけではなく、圧倒的な思考回数が必要になってくると思われるが、どのような製品サービスを作る時にでも使える。ユーザーの欲求を無意識、また継続的な習慣という形で捉まえアプローチしていくというのは非常に有意義で、興味のある方は是非一読をお勧めする。


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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ゲームフルデザイン好き。
何をするにしても楽しいと思う気持ちが大事だと思っていて、それを9つの本質的欲求とイア形で9つに定義してあるのが素晴らしいと思った。
色んなことに使えるフレームワークだと思う。

瞬間UX、習慣UXも初めて聞いたけどとても大事な概念だと思った。

仕事でゲームフルデザインを使うような仕事はしてないけど、子供の勉強への動機づけとか色んなことに活用できそうだなと思った。

また折に触れて読み返したい。

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2025年06月02日

Posted by ブクログ

ゲーミフィケーションを考える時の辞書。
「ゲーミフィケーションしたい」という明確な目的意識がある人向け。

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2025年08月11日

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