あらすじ
「坂道」の世界にようこそ! 日本坂道学会副会長のタモリがTOKYOを激写し、こだわりの「よい坂」を紹介。散策によし、デートによし! これ1冊でいつもの街歩きが断然面白く変わります! タモリが考える「よい坂」とは―― 1. 勾配が急である 2. 湾曲している 3. まわりに江戸の風情がある 4. 名前にいわれがある。(この作品は『TOKYO★1週間』の連載を2004年10月に単行本化したものです)
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Posted by ブクログ
雑誌『TOKYO一週間』に連載された内容を書籍化したもので、もともと2004年発刊の本書を、そのなかで紹介するお店の情報などを新しく訂正した2011年版です。
日蓮入滅の寺で、そののち勝海舟と西郷隆盛が江戸開城の話し合いをしていただとか、八百屋お七の悲恋の話だとか、東京というか本州の土地にはいろいろと歴史が眠っていますね。この本、東京の史跡に興味のある人へのガイドブックとしても最適ですし、楽しく読める良書でした。
八百屋お七の話はもしかすると有名な話なのかもしれませんが、僕にとっては初めて知る話でした。江戸の大火のおりに家が焼けた十六の少女・お七は、近くの円乗寺に避難してしばらくそこで暮らします。そのうちに、その寺のイケメンの小姓に恋をする。それから一年後、家が再建されてお七の一家も寺を後にするのですが、お七は小姓が忘れられず家に火をつけてしまいます。家が燃えれば、あの小姓のいる円乗寺でまた暮らすことができるだろう、と考えて。しかし、お七は捕えられます。当時、放火は大罪。お七の周囲からは減刑の願いの声が上がるものの聞き届けることはなく、彼女は市中引きまわしのうえ火あぶりに処されたのだそうです。そんな彼女のお墓は、今も円乗寺にあるのだそうです。
暗闇坂や幽霊坂、富士見坂などは数か所から数十か所に同名の坂道があったり正式名とは別名のものとしてあったりするようですが、そういう坂道も含めて、急坂であったり長い坂道であったりはしていても各々の坂道にきちんと名前がついているというのが、北海道の田舎町在住の僕にとっては信じ難いところでした(まあ、東京にも名無し坂もあることはあって、その写真も掲載されてはいますが)。さらに、各坂道にはそれぞれに謂われがあったり歴史が眠っていたり、土地の抱えている背景がとても濃密です。僕が受験生のころ、道民は日本史に弱いといわれていました。それは、北海道は明治以来の開拓地であり、移民たちの子孫が住むその土地のもつ歴史が浅いし、それに史跡だって少ないですから、日本史になじみがないせいだと聞いたものです(似たような意味で、日本の地理にも弱いと聞いた気がします)。
この、ある土地の持つ濃密さを楽しんでしまうためのとっかかり、または目印を坂道に見出しているようなところが本書にはあります。坂道に目をつけると、おのずとそこいらの歴史にも目が届いていって楽しい。そればかりか、坂道の春夏秋冬の風情をめでることもできます。本書は『坂道美学』とタイトルにありますから、まずはそういった景観としての坂道を楽しむのが、僕のこの記事の書き方とは反対に、先になっているスタンスでしょう。
文章が実に楽しいのですが、タモリさんによる坂道写真にも味があります。犬が倒れていたり、新聞紙が散乱していたりする写真がたまに笑いを誘いながら、その場所の空気を閉じ込めておきながら肝心の坂道をメインにちゃんと収めているような写真だと思いました。
僕はアイドルグループの乃木坂46が大好きで、大きく取り上げてられているかなという期待があったのですが、残念ながら乃木坂への言及はわずかでした。別名に行合坂、膝折坂、幽霊坂があることくらいだったでしょうか。
最後に、タモリさんによる「よい坂」の条件四つを。
1.勾配が急である。
2.湾曲している。
3.まわりに江戸の風情がある。
4.名前にいわれがある。
知的な刺激のあるたのしい東京ガイドブックを読んでみたい方にはとてもおすすめです。
Posted by ブクログ
日本坂道学会副会長であるタモリが選んだ37の東京の坂道について、その魅力を述べた本。タモリが撮影した写真と付近の地図、エピソードや見所など、とても楽しくまとめられている。昔は「坂道が好き」というタモリの言葉を理解できなかったが、実際、東京を散歩してみると、坂道は面白くとても興味深い。購入して永久保存版としたい。
Posted by ブクログ
ブラタモリで本書を見知ってはいたが、新訂版ということで購入に踏み切った。ちなみに初版は2004年。タモリさんが趣味と実益を兼ねて撮った坂道写真を見るのも楽しいが、なかなか勾配感は写真では難しく、やはり現地を訪ねるのが本書の正しい読み方だろう。しかし、狭くはない都内を巡るのは大変そうだ。階段坂や車が通れない狭隘坂が多く、それだけでも江戸情緒がある。コンクリート舗装に○型の滑り止め加工されている坂も多く、勾配のきつさがうかがわれる。何度も行っている目黒の行人坂も紹介されていて嬉しい。
Posted by ブクログ
坂っていいですよね。
登ってる時はしんどいんですけど、振り向くと意外と遠くが見えたりして。
この本は、日本坂道学会副会長のタモリさんおすすめの
良い勾配、良い湾曲、江戸風情のある、由緒ある名前
の坂が紹介されています。
タモリワールド全開。
この本片手に、坂巡りしたくなりますよ。
Posted by ブクログ
自分の好きな坂道がいくつか出ていて、
「タモリさんと一緒!!」と、1人テンションをあげながら読みました(笑)
坂道は、疲れるので嫌いです(笑)
でも、歩いていると、違う場所に行く感覚がして、小さいながらも旅をしている感覚になるので、嫌いだけれど、好きでもあります。
なんだか、意味不明な感想だけど(笑)
この本の写真、文書はタモリさんが撮影&書かれているのだけれど、その博学ぶりや!!
坂の由来、その坂の歴史、そのほか、いろいろと出てくる。
これだけ知りながら、坂を歩いたら、そりゃ、面白いだろうなー。。。
これを読んだから、今度はその知識を噛み締めながら、自分の好きな坂を歩いてみよう♫
Posted by ブクログ
タモリさんの東京坂道案内。読んでると実際に行ってみたくなりますね。そんな人のためにモデルコースも掲載されてますが、2〜4km程度のコースなので、手軽に歩けそうなのもよいです。
2011年に書かれたものなので、今となっては変わってる箇所もあります。その後のブラタモリを通じて得た知識で、改訂版を出してもらえると良いのですが。
Posted by ブクログ
タモリさんは,休みの日に,朝早くから坂の写真を撮りに出かけると聞いたことがあるのですが,そのマニアックなまでに撮った写真で構成されている本です。
基本,見開き2ページに,おすすめの坂とタモリさんのコラム。その次の2ページに推薦のおさんぽルートがあります。
東京の街歩きのお供に,または街歩きしなくても,タモリさんの見た坂を,じっくりと堪能することもできます。
タモリさんの博識さには本当に驚きます。オイラは一度読んだだけではすぐ忘れてしまうおばかさんですが,何度も読んで東京の坂を楽しめました。
Posted by ブクログ
知っている坂、通っていながら名前を知らなかった坂もあるが、知らない坂が山ほどあるのを思い知らされる。
そして、よく知っている坂でも、坂の脇には知らない建物があり、歴史があることを学んだ。
行ってみたい坂がたくさんできた。
Posted by ブクログ
私も坂道好きだわ、と認識。
気づかなかったけど急こう配で湾曲してる道(特に下り坂)って、あの先にどんな景色があるのかとわくわくする。
で、我が家も18%の坂に面してます。
坂道好きじゃなきゃこんなところに住まないか。
Posted by ブクログ
タモリさんが坂道好きというのはブラタモリでもよく見るが、本まで出されているとは知らず思わず手に取って読んでみた。読み始めていきなり前書きでハイデッガーの話が出てきてびっくり。坂道についてこんなに深く語れるのはタモリさんしかいないのでは(笑)。普段はできれば坂道は避けたいところだが、本書を読んでいるとわざわざ現地に行って坂道を登りたくなってくるから不思議。楽しんで読むことができた。
Posted by ブクログ
世の中にはいろんな人がいるものです。坂道の良さはまだよくわかりませんが…。登り切って一瞬で景色が変わるところでしょうか??
タモリさんの鑑賞のポイントに「江戸の風情」とあるところが東京らしいと思いました。
(・ω・)ノ///◢ │
かつて7年ほど東京に住んだことがありますが、坂道の思い出と言っても…富士見坂がやたら多いなあくらい…??その富士見坂は東京に15あり、現在でも富士山が見えるのは2つだそうです。
行ってみたいのは目白台の幽霊坂、あと鼠しか通れないくらい狭いけど、勾配・風情とも満点の鼠坂、そして福山雅治さんの歌で有名な桜坂です。
それから本好きならやはり、文豪たちの史跡が残るという本郷の鐙坂あたりをぶらぶらしてみたいものです。
東京が好きになれそうな一冊だと思います。
Posted by ブクログ
ブラタモリでも登場する場所もちらほらあり、
東京に住んでいても知らないところもたくさん!
楽しい本です。
●●区在住としては、もっと自分のところを登場させて欲しかったなぁー、と!思いました!
Posted by ブクログ
「タモリと戦後ニッポン」の参考文献に登場する本。ここ上った、下ったことあるなあと思う坂もありましたが、名前も知らずに通っていました。タモリさんの「生まれ育った家は、街中のほうへ向かって下る長い坂の途中にあった(6頁)」そうです。幼稚園には通いたくないという主張が両親にとおったのは良かったのですが、同年代の子どもが幼稚園に通い出すと遊び相手がおらず、小学校にあがるまで坂を行き来する人々を眺めて過ごしていたそうです。
Posted by ブクログ
雑誌の1コーナーをまとめた本ということで、どちらかと言うと散歩できるように、周辺の情報が載っていたりする。
いろいろな坂の紹介があるけど、出来れば見方とかの解説が欲しかったなぁ。
坂の鑑賞ポイントって難しいよなぁと思いつつ、動機付けにはいいのかも。