【感想・ネタバレ】平和の遺伝子:日本を衰退させる「空気」の正体のレビュー

あらすじ

日本社会の同調圧力について抉り出した池田信夫『「空気」の構造』(白水社)の刊行は二〇一三年のことだった。山本七平の『「空気」の研究』(文春文庫)を導きにした斬新な日本論として、朝日新聞ほかで書評された。同書で大きく依拠したのは玉城哲・旗手勲『風土』(平凡社選書)をはじめとした「水社会」(灌漑農業)の同調圧力だった。
著者はその後、日本社会に巣食う同調圧力の起源の追及を本格化させていく。そうしたなかで注目したのが、丸山眞男の「古層」論だった。一連の探求は『丸山眞男と戦後日本の国体』(白水社)に結実している。
著者の「空気」をめぐる研究はコロナ禍を受けてさらに大きく展開していく。本書『平和の遺伝子』では、進化心理学や歴史学の最新動向を思い切って取り入れ、定住社会への移行に焦点を当てている。とりわけ縄文時代に注目し、そこに「国家に抗する社会」、日本型デモクラシーの原型を見出す。
グローバル化の進展で定住社会に楔が打たれ、ユーラシア大陸を中心に勢力図が一変しつつある昨今、日本社会はどこに向かうのか? 『「空気」の構造』以来、十数年の思索の結論! 渾身の書き下ろし。

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Posted by ブクログ

はじめに

序章 新型コロナで露呈した「国家の不在」

Ⅰ  暗黙知という文化遺伝子
    第一章 文化はラマルク的に進化する
    第二章 「自己家畜化」が文化を生んだ

Ⅱ  国家に抗する社会
    第三章 縄文文化の最古層
    第四章 天皇というデモクラシー

Ⅲ  「国」と「家」の二重支配
    第五章 公家から武家へ
    第六章 長い江戸時代の始まり

Ⅳ  近代国家との遭遇
    第七章 明治国家という奇蹟
    第八章 平和の遺伝子への回帰
    第九章 大収斂から再分岐へ
    終章  定住社会の終わり

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2025年08月23日

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