あらすじ
心臓のリズムが不規則になる不整脈。一言で不整脈と言っても、脈がはやくなる頻脈、遅くなる徐脈、急にとんだり抜けたり、大きくなったりするように感じられる期外収縮など、脈拍が乱れることの総称で、原因や症状はさまざまです。なかには注意が必要なもの、放置していると命に関わるものもあります。
本書は心房細動、心室細動、そのほかの不整脈について、基礎知識、原因、心電図などの検査、診断、治療が必要か、どのような治療を検討すべきか、悪化・再発させないための生活上の工夫などを、豊富なカラー図解とともにわかりやすく解説しています。保存治療、カテーテルアブレーションなどのカテーテル治療、ペースメーカーやICDなどの植込み型デバイスなど、それぞれの治療についても紹介しています。
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Posted by ブクログ
「不整脈」は縁遠くない。さらに言えば、WPW症候群という比較的レアな知人もおり、これに関する本を読んでおきたいと思った。専門的になり過ぎず、分かりやすい内容。
安静時に脈を測ってみて、1分間に50~100回の脈拍であれば正常。一般的に100回以上であれば脈が速すぎる頻脈、50回以下であればゆっくりすぎる徐脈。子供のころの遊びで脈を測った記憶はあるが、大人になってからは記憶にない。ただ、私はよく運動をするので、心拍系のついた時計が常に計測をしてくれている。よく走るせいだろう(そう思いたいが)、通常、徐脈よりの心拍数だ。
心拍を作り出しているのが電気信号。ごく弱い電気。おおもとは、心臓の右心房という部位の上部にある洞。これを洞結節というのだが、電気を発生させる洞結節は、心臓を動かすための発電所のようなもので、1分間におおよそ70回ほどの電気信号を作り出している。この洞結節の異常により、心臓のなかで電気が作られなくなる洞(機能)不全症候群、房室結節の機能低下により心房から心室へ電気が伝わらなくなる房室ブロック。心室内の伝導異常である脚ブロック(右脚ブロック、左脚ブロック)など、こうした不整脈が心電図検査の波形で分類される。心房と心室の間に余分な電線(副伝導路)が存在し、正常な電線と余分な電線の間で電気の旋回が起こって頻脈が発生するのがWPW症候群だ。
心臓について詳しく学び、さらにはその不整脈を解消するための薬、抗血栓薬から、血液、ワルファリンの内容まで。また、ペースメーカーなどの機器についても学ぶことができる。心臓は働き者のガジェットである。ただひたすら読書して走ってという生活をしているような気もするが、自分の体をよく知り、考え、気を付けておくことが重要だと改めて感じた。