あらすじ
未曾有の惨事の真実
1両目が脱線し始めてから、最後尾の7両目が停止するまでの時間は、約10秒に過ぎなかったことになる。その10秒間に快速電車の車内で、乗客の一人ひとりが、どのような経験をしたのか、それは一人ひとりの人生を大きく屈折させることになった。(第一章より)
乗員乗客107人の死者を出した、JR史上最悪の惨事・福知山線脱線事故から20年。著者は事故調査に携わるとともに、遺族、重傷を負った被害者たち、医療従事者、企業の対応など、多角的な取材を重ねてきた。
脱線・転覆の10秒間に起きたこと、そのとき生死を分けたものは何か。
重傷を負った生存者にふりかかった様々な苦悩と、再生への歩み。
事故の真因と再発防止を求めて動いた被害者の努力が、企業を変えていく。
事故とは何か、人間と技術の相克の中で垣間見える「いのちの本質」とは――。巨大事故を問い続けてきた著者の集大成的ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
事故が起きると、その原因や死傷者の数の報道がメインとなり、時間の経過とともに風化する傾向にある。しかし、事故に遭遇した被害者自身や被害者家族の苦労について詳しく知る機会はほとんどない。事故から何年経とうとも、被害者家族にとっては忘れることのできない心の傷も残る。福知山線脱線事故は、阪神淡路大震災の後だったこともあり様々な点で経験値が生きて、救助活動等大いに役に立った。大事故はもちろん起きて欲しくないが、その経験を活かし、安全な社会となって欲しい。
Posted by ブクログ
私はテレビでこの事故の中継を見ていました。悲惨だったという記憶しかないです。鉄道というものはお客さんの命を預かっているんだということを改めて思い直しました。
この本を読んでて一番感じたのは、事故に巻き込まれた被害者やその家族が前向きにこれからの人生を歩もうとする姿です。体を負傷してもリハビリでがんばっている人や、事故当時は大学生だった人が、無事に復学して卒業して就職するなど、読者の自分が勇気をもらうような、自分のこれからの人生にプラスになる魔法のノンフィクションでした。
この事故では、被害者側とJR西日本側で衝突することが何回もありました。「高見運転士」の運転時の心理状態がフローチャートでありましたけど、あれはわかりやすかったです。以前、なにかのノンフィクションで人間はいろんな欲を持った不思議な生き物だということを思っていましたが今回はJR西日本の組織が欲のかたまりのような組織だと感じました。
素晴らしいノンフィクションでした。