【感想・ネタバレ】日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえすのレビュー

あらすじ

「事故調査報告書・別冊」の片隅に記された「異常外力着力点」の存在――数々の証拠から「後部圧力隔壁説」の矛盾を読み解き、驚くべき墜落原因が明らかになる。第一人者による、告発のノンフィクション。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

もともと、公式に発表されている圧力隔壁の破損による墜落説にはどこか腑に落ちない部分を感じていた。自衛隊の関与を疑う声があることも耳にしてはいたが、正直なところ、それらは陰謀論の域を出ないと考えていた。

しかし、本書はその先入観を根底から揺さぶった。圧力隔壁説が、真の原因を覆い隠すために作られた「方便」であるという主張が、丁寧かつ論理的に展開され、信頼できる資料や証言をもとに検証されている。その過程を追っていくうちに、これまで「常識」だと思っていたものが、いかに脆く、作為的なものであったかに気付かされ、読後には圧力隔壁説が誤っていたという考えを受け入れざるを得なくなった。

一方で、本書が示す“自衛隊のミサイルによる撃墜”という説については、確かに状況証拠が多く揃っているものの、決定的とはまだ言い難いとも感じた。なにより、政府が詳細な情報を長年にわたり非公開としている以上、真相への道のりは極めて険しい。

それでも、遺族の方々の心情を思うとき、一刻も早く政府が真実を明らかにする責任があることは疑いようがない。これは単なる過去の事故ではなく、今もなお終わっていない問題なのだと痛感させられる一冊だった。

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2025年04月25日

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