あらすじ
北欧ミステリ界トップランナーの新境地!
スウェーデン・ウプサラ市郊外の高速道路を走行中のBMWが、突然暴走し菜の花畑で炎上した。死亡したのは、運転中の大手製鉄会社幹部。一週間後、石油業界のキャンペーンを手がけていた広告会社幹部が第2の爆破事件で命を落とす。被害者はどちらも気温変動や環境破壊に関係していた。
容疑者に挙げられたのは、15年前に先端技術の活用を拒否したがためにある誘拐事件の解決に失敗して辞職し、森で隠遁生活を送る元警部ルーカス・フリセル。当時の彼の部下で今は国家作戦局(NOD)の主任警部エヴァ・ニーマン宛てに、彼からと思われる犯行予告の手紙が届いていたのだ。
エヴァは、立ち上げられた特捜班Novaの曲者たちを率いて事件の捜査にあたり、第3の事件を警戒しながらフリセルを追うが――。
『時計仕掛けの歪んだ罠』で翻訳ミステリファンの度肝を抜いた、北欧ミステリ界のトップランナーが贈る驚愕の新シリーズ、ここに誕生!
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Posted by ブクログ
2025年の16冊目は、アルネ・ダールの「円環」です。アルネ・ダールの作品を読むのは、「狩られる者たち」以来でしょうか。
環境破壊に関係する企業の幹部が、爆弾により死亡するという事件が続けて起きます。事件は、環境テロリストによる犯行と思われます。いかにもスウェーデンらしさを感じてしまいます。
事件の犯行声明と予告が、国家作戦局のエヴァ・ニーマン主任警部宛で届きます。何故、彼女の元に届いたのかが鍵となる理由ですが、彼女のチーム“NOVA”が捜査に当たる事になります。チームの面々がそれぞれ個性的で良い味を出しています。特にシャビール・サルワニがカッコ良い。
そして、もう1人の主人公というべき、エヴァのかつての上司ルーカス・フリセルの存在。彼の存在が有るからこそクライマックスで2方向に分かれてのよりスリリングな展開と緊張感溢れるシーンに繋がっていると思います。作者アルネ・ダールの手腕を感じます。
ぶっ飛び満載のエピローグも秀逸です。
1つ不満を挙げるとするなら、事件の真相が想像付き易い事ではないですかね。
☆4.7