あらすじ
バツイチ×超鈍感男の不本意な同居開始!? 恋を自覚しても、想いを伝えるには近すぎて…。
元夫に浮気されバツイチになった琴莉。両親留守中の実家に戻ると、隣家の不愛想な幼馴染・孝太郎と鉢合わせる。ある日、琴莉宅が空き巣被害にあったことで、彼と不本意な同居開始!? ストレートな物言いの彼は苦手だったけど…。うわべだけの優しさだった元夫とは違い、嘘も計算もない孝太郎の優しさに心が癒えていく琴莉。しかし惹かれる想いとは裏腹に、この関係を壊すのが怖くなって…。
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Posted by ブクログ
離婚をきっかけに実家へ戻ってきたヒロインと、かつての幼なじみとの再会から始まる物語。
かつては気の合う友人同士だったのに、再会した今はお互いにぎこちなく距離を取ってしまう――そんな大人ならではの不器用さと、素直になれない心の揺れが丁寧に描かれています。
ヒロインは過去の結婚で深く傷ついたことで、自分の弱さを見せることに臆病になっている。
一方のヒーローも、ぶっきらぼうな態度の裏でずっと彼女を想っていて、寄り添いたいのに上手く言葉にできない。
そんな二人が同居という形で再び一緒に暮らすことで、少しずつ心の距離を取り戻していく過程がとても温かく、優しく胸に沁みました。
会話の一つひとつに長年の関係性が滲んでいて、「昔に戻れるわけじゃないけど、また一緒に歩けるかもしれない」という静かな希望が感じられます。
派手な展開はないけれど、その分、**“心が近づいていく瞬間”**の描写が本当に美しく、何気ない日常の中の優しさが際立つ一冊でした。
白石先生らしい、柔らかくて現実味のある筆致で、大人の恋の再生を繊細に描いた良作。
読むほどにじんわりと温かく、ラストには思わず笑みがこぼれる――そんな物語です☕