【感想・ネタバレ】黒いスイスのレビュー

あらすじ

永世中立国で世界有数の治安のよさ。米国などを抜き、常に「住んでみたい国」の上位に名を連ねる国、スイス。しかしその実態は――。「優生学」的立場からロマ族を抹殺しようと画策、映画“サウンド・オブ・ミュージック”とは裏腹にユダヤ難民をナチスに渡していた過去、永世中立の名の下に核配備計画が進行、“銀行の国”でまかり通るためのマネーロンダリング……。独自の視点と取材で次々驚くべき真相を明かす。

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Posted by ブクログ

一般的なスイスのイメージがいかに表面的なものかがよく分かった。
スイスに限らず、他の国の歴史についても学んでいきたいと思った。

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2021年10月15日

Posted by ブクログ

[裏側、覗いてみました]民主主義が根付いており、生活は満ち足りており自然も豊か......。日本人が一般的に有しているであろうそんなスイスのイメージをひっくり返すようなスイスの裏の一面を描いた作品。歴史から経済に至るまでの知られざるスイスの側面を垣間見せてくれます。著者は、赴任が決まるまではスイスに関する知識は皆無に等しかったと語る福原直樹。


「黒い」と題されてしまうとなんともゴシップ感が漂ってしまうのですが、スイスが抱える過去の、そして現在の問題が丁寧に記述されており、スイスという国を考える上での良い材料を提供してくれているように思います。ヨーロッパの中でも独特の位置を占めるスイスについてちょっと違った角度からの情報を仕入れたいと考えている方にオススメできる一冊です。


また、本書からはスイスという国が持つしたたかさ、そして(おそらくはスイスに限らず他の国にも見られるであろう)国家の暴力性というものが読み取れました。そしてこういう本を書かせるまでの「黒さ」をもってしてもなお、その著者に下記のとおり言わせることのできるスイスの懐の深さも感じることができ、興味本位で本書を手に取りましたが有意義な読書体験をすることができました。

〜一度心をゆるせば、その付き合いが、一生に及ぶことも少なくない。そんな彼らの国で、なぜこのような不幸な出来事がおき続けたのか……。それを理解しようとしたのが、この本でもある。〜

行ってみたい国の1つです☆5つ

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2015年05月04日

Posted by ブクログ

観光名所、永世中立国としてのクリーンなイメージが強いスイスの裏の姿を記者としての観点から、麻薬、ナチス・ドイツ、核疑惑など色々な社会問題や歴史的な課題をテーマ毎に解説しています。一度でもスイスに行った事ある方なら「なるほど、そういうことだったのか!」と思える話が少なくないと思いますよ。これから旅行する予定がある方や漠然とスイス全般に興味ある方は必読です。

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2011年11月13日

Posted by ブクログ

スイスの黒い歴史がわかる本です。
ハイジがいなさそう・・・。
スイスのイメージががらりと変わりました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

日本では全然知られていない話が多く、他国へのイメージはスイスに限らず表面的なものでしかないのかもしれない。
永世中立は理想的な外交姿勢と捉えられることも多いが、実態はナチスの件のように人道よりも自国の利益を優先するなど、賞賛できない面もあることかわかった。

この本の発行からすてに20年以上が経過している為、現在の状況は当時と大きく違うのかもしれないので、マネーロンダリングなどの状況が改善されていることを期待する。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

ナチスドイツとの関係。スイスはナチスドイツに武器を輸出していた。ナチスドイツの共犯者だと批判されている。ナチスドイツがオーストリアを併合し、オーストリアのユダヤ人がスイスに大量移住。スイス政府は国境でユダヤ人を識別し、ユダヤ人の旅券にJ(Jude)のスタンプを押して追い返した。

ロマ族。スイス政府が支援する公共団体は1926年から1972年の間、ロマ族の子どもたちを誘拐し、強制的に施設に入れた。施設では子どもたちへの暴行も。ロマ族は怠惰で知恵遅れ、学校の勉強には付いていけない、喧嘩ばかり、監視しないと浮浪者になってしまう、と団体のスイス人は考えていた。

米テキサスで1987年に設立されたネオナチ組織「ハンマースキン」。スイスには欧州初の支部が置かれた。白人優位。外国人排斥。

ある町では、1997年、外国人にスイス国籍を与えるか否か、住民投票を行って決めた。外国人の写真や経歴が掲載されたパンフレットを配って住民が投票。結果、写真で見て”外国人顔”の東欧人やトルコ人は国籍付与が拒否された。

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※ドイツ語64%、フランス語19%、イタリア語8%
※カトリック46%、プロテスタント40%

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2023年06月19日

Posted by ブクログ

 永世中立国と名高いスイスの暗い側面に目を当てた本。
 以前タックスヘイブンについて書かれた本を読んだこともあり、スイスが色々と問題を抱えていることは知っていたが、政府主導で核兵器の開発が行われていた事や、国籍を取得を希望する人物を国民が決定する(本書においてはトルコ人や黒人は却下されている)という事までは知らなかった。これまでに幾多の困難を乗り越えてきた結果が、本書で書かれているような他民族に排他的な国民性となったのだろうか。

 言うまでもないことだが、本書で書かれている事のみでスイス人の人々の事を見てはいけない。事実は事実で受け止め、その人個人の事を見つめていくようにしていかなくてはいけない。そしてそれは、かつて選民思想に取り憑かれてしまい、惨劇に加担してしまった戦時中のスイス人から反面教師として学べることだと思う。


自分用キーワード
ロマ族(かつてスイス政府に不当な理由で子ども達が誘拐された。成人後も稼いだお金を勝手に徴収する、婚約を破談にしようとするといったことをしていた) 「J」スタンプ(ユダヤ人をスイスから締めだすために、政府がナチスに提案した施策) モーリス・バボー(ヒトラー暗殺を試みた人物) ポール・グリューニンガー(ユダヤ人の密航を手助けした人物) 国籍取得(非白人は冷遇される傾向にある) 相互監視社会(本屋において個人情報満載の本が売られており、スイスの政策を批判した筆者の友人(フランス人)は糾弾された) ネオナチ ハンマースキン(酒とドラッグを慎み、白人の世界にしようとする若者中心の組織) ダニエル・シュバイツァー『スキンオアダイ』(ネオナチ思想に溺れる若者に焦点を当てた映画) ヘロイン(重度のヘロイン中毒者に対し、少量のヘロインと副作用の弱い薬物を国が与えることで、薬物の流通を防ごうとしている) クリストフ・ブロッハー(政治家。自民族中心主義者の傾向あり)  

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2013年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スイスにも一度も行ったことがありませんが、私はスイスという国が知りたい。日本の国防の考え方を整理する上でスイスがヒントなるかもしれないからです。検索で見つけたのはこの本でした。私自身がいいイメージしか持っていない国なので、逆に悪い面から知る方が分かりやすそうですし、まずはスイスを知る上でおもしろいだろうと思い読んでみることにしました。



理想の国スイス の実態を、ご自身の6年間のジュネーブ特派員時代の取材と実体験から書かれています。内容はスイス批判です。スイス人がいかに人権侵害や差別の意識を持ち続けているか記しています。



前半ではスイスの歴史から、

・移動民族ロマ族の話し

・ユダヤ人のパスポートへ識別子「J」の話し

・スペイン民主化戦線で戦ったスイスの義勇兵への話し

・永世中立国の核武装の話し

後半では、理想の国というのがウソである事例、

・相互監視社会

・ネオナチの増加、民主主義を放置した麻薬政策

・スイス国民党ブロハー氏の意見

これらの引用より、説明しています。



スイス国民、スイス国家の閉鎖的な思想、狭くて古い民主主義社会への固執が、悲惨な過去を生み、人権侵害や、差別につながり、表には中々でないが国民の心に今も残っていると言います。



著者がこの本で最も言いたかったことは、こうだと思います。グローバリゼーションで、異民族異文化が融合していくことが当たり前になってきた時代で、閉鎖的で差別的な考え方や文化がスイスに残っていることは、時代に逆行している。人種差別思想を生み出す温床となっている。だからスイスは理想の国ではないと説明しています。



私は著者が経験され取材された様に、直接当事者の話も聞いていませんし、ヨーロッパの歴史も深く知りません。スイスは2度の世界大戦をど真ん中で経験した国というのは知っています。特に、ドイツとフランスとの大国との戦いを目の前にして、スイスがその中で強国の侵略を受けずに生き延びる手段を模索したはずです。どちらにつくか。どちらにつけば国民が生き残れるか。



私の意見は、著者と違うところがあります。

グローバリゼーションだからといって、手放しで異民族異文化が融合していくことは正しい人類の流れとは思えません。双方がお互いを尊重でき、価値観を共有できてこそ、初めて融合できるのだと思っています。相手が危険な思想、危険な国家であれば言うまでもないと思います。思想や文化を無視して、国と国の交流ができるなんて思いません。



著者が実際にインタビューした、スイス国民党のブロハー氏との会話そのものだと思います。ブロハー氏は、こう言ったそうです。「国際的な責任とは、各国が自分自身の責任を果たすこと。他国の援助に頼らないこと。経済的に自立すること。」。政治家が行う中央集権政治では非民主主義だ。村、町、国の単位があるのに、EUにまで加盟すると、フランスやドイツの専制化におかれ、ますます個人の意見が反映されなくなる。



著者が言うように、国益と人道は必ずしも一致しません。その通りだと思います。スイスは自分たちを守ってもらわなくていい。そのかわり誰も守らない。自分は自分で守れと言っていることに繋がっていると思います。自国国益と、他国の人権や命。どちらを守るか。難しい問題です。だがスイスは自国国益を選んだ。それだけだと思います。他国の人権や命を守れとなると、いま世界中の多くの国は、他国の人権や命を無視しているので、黒い**と紹介させることになります。黒いが付かない国などほとんどない様に思います。



スイスを、理想の国という幻想だけで判断するのではなく、スイスという国ができた経緯や、スイス国民の考えた方を知ることができました。スイスは地方分権が進んでおり、地方の役割が大きいということもわかりました。直接民主制の住民集会という、すばらしい政治に対する考えが根付いている文化があるということもわかりました。また、社会性でいうと、閉鎖的、排他的となる面があるということもわかりました。

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2013年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好感度の高いスイスの隠れた黒い一面を扱った本。

・・・らしいですが、読後この国へのイメージが変わることはなかったです。
黒い面と言えばそうでしょうが、強国に囲まれた国ではむしろ防衛の意味でもこの本内のようなことを行っていても不思議はないかな、と(決して肯定する意味ではなく)。
むしろ綺麗なだけの国家などあるのだろうか・・・?という疑問。

移民問題についてのある若者の意見も、確かにやや過激ではありますが「信じられない意見」とは思いませんね。たぶん今移民を抱えたどの国でも似たような考えを持つ人は多くいるんじゃないでしょうか?

この作者はスイスのことが好きらしいですが、むしろ読者よりもスイスに夢を見ていたのはこの作者なのではないかなー・・・と思いました。

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2012年11月04日

Posted by ブクログ

スイスの実態について知らないことが書かれており、私にとっては有益であった。

スイスも自国を防衛するために戦略的に戦っているのだと実感した。

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2011年12月08日

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▼中立国でいることは、どこの国に対しても良い顔をしていることではない。中立政策とは、強靭なバランス感覚をもって国際社会の中を生き抜こうとする努力のことである。
▼その中には、私たちの社会常識に照らし合わせれば、限りなくグレーであるものも少なくない。それらは、歴史として振り返った時、「黒」だと判断されることもあるだろう。
▼果たして「中立」とは、どのようにして作られていくのか――その様なことを考えながら読んだ一冊。

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2011年11月23日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
永世中立国で世界有数の治安のよさ。
米国などを抜き、常に「住んでみたい国」の上位に名を連ねる国、スイス。
しかしその実態は―。
「優生学」的立場からロマ族を殲滅しようと画策、映画“サウンド・オブ・ミュージック”とは裏腹にユダヤ人難民をナチスに追い返していた過去、永世中立の名の下に核配備計画が進行、“銀行の国”でまかり通るマネーロンダリング…。
独自の視点と取材で次々と驚くべき真相を明かす。

[ 目次 ]
ロマ(ジプシー)の子供を誘拐せよ
「悪魔」のスタンプ
それぞれの戦い―「祖国」と「人道」の狭間
中立国の核計画
理想の国というウソ(「相互監視」社会 民主主義社会 「ある政治家との対話」)
マネーロンダリング

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年05月22日

Posted by ブクログ

風光明媚で豊かな国スイス。しかも、人々も礼儀正しく清潔。永世中立という政治的態度から、平和的な国でもあるように見える。そんな国の暗黒面をいくつかあぶり出す。具体的には、ナチスの時代のユダヤ人難民の処遇、ロマの子供たちの誘拐、マネー・ロンダリングのからくり、核配備計画、外国人への差別的処遇等。

ヨーロッパの中の小国として、これだけの富を蓄えて自国を守るには、いわゆる「欧米」の国際標準とされるものからははみ出さざるをえないのだと思う。保守的ながら、同時に他のどこもやっていない犯罪めいたことをしたたかに行うという印象。

スイスは住んでみて大変住みやすいけれど、外国人としてここで生きていくのは日本並みとは言わないがかなり厳しいのだろうと改めて思った。

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2010年06月17日

Posted by ブクログ

スイス=さわやかでなんかヤギとかいっぱい自然もいっぱい!みたいなイメージが読後に無くなりました。
でもマネーロンダリングとかはそんなにスイスが悪いのか?という疑問も。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

いままで、老後はスイスに住みたいなって思ってたけど、考え直さないといけないな、と思った
でも、スイスって日本より外交能力は数段上手だろ、怖い国だ

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「理想の国スイス」のもう一面を捉えようとした本。

優生学の思想、ナチスへの協力、冷戦下にあっては核計画、現在に至る住民の相互監視、麻薬、ネオナチ、直接民主制、難民・外国人問題、マネーロンダリング、脱税がテーマである。

スイスというと各種国際機関の本部も設置されているだけにあって「理想の国」というイメージがどうやら一般的に強いようだが、永世中立国であり、そのため戦時は国民皆兵だし、山に囲まれて暮らしにくそうで、個人的にまったくプラスナイメージを持っていなかった。

本を読んで振りかえると、スイスの特殊性がよく浮かび上がってくる。EUに囲まれながらもスイスは加盟せず、南にイタリア、西にフランス、北にドイツ、西にオーストリアという、大陸欧州でも大国に囲まれているスイス。そんななかで小国としてどう生き残れるか、この本に書かれている事柄がすべてを語っているのではないでしょうか。EUに加盟しないのも、そのいち生存手段なのかもしれない。

だが、そんなスイスだからこそ抱える問題もある。他の大陸欧州国との摩擦は難民問題から脱税問題まで、じつに多い。とりわけEUにたいする反骨の精神が甚だしいことが本書から窺える。

ひっくり返せば、だからこそ、大陸欧州国はスイスとうまくやっていく必要がある。厄介者なのかもしれないが、スイスはある意味、西ヨーロッパにとってのアキレス腱なのかもしれない...

永世中立であるがために自国を守るのは自国民。本書からはあたかも平和的イメージの「永世中立」の現実を垣間見ることができよう。同じことは直接民主主義制にも言える。

生き残りのための方策は時として思わぬ結果をもたらすことがある。

スイスこそ、本当の意味でリアリズム(リアリスト)なのかもしれない...

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ナチスをユダヤ人「迫害」から「抹殺」に追いやったのはスイス政府だった…。
う〜ん、ハイジの国というイメージが先行てきなスイスについて、かなりの衝撃を与えてくれる本です。
やはり、人間は権力を握ると何をしでかすか分かりません。これはいろんな国にも言えることです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれた。
正しい国ってなんなんだー。
例えば移民政策について、スイスが良いか、フランスがよいか、意見は立場以外に拠るものはないと思う。しかし今のスタンスとしては間違っていないと思うんだ、スイス。
でも過去の過ちへの謝罪って、そんなに国家にとって難しいことなのか?
スイス、闇だよー。イメージに踊らされていたなー。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか面白かった。
本の帯にあるとおり、全くイメージでしかスイスという国を知らなかったが、この本を読んでなるほどと思ったことも多々あった。
ロマの話に始まり、ナチス、核実験、そしてマネーロンダリングまで、筆者が実在する人物から得た情報を詳細に書かれていて、読みごたえがあった。
また、いくつかは日本の問題にも通ずるところがあり、考えさせられた。

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2014年06月29日

Posted by ブクログ

2004年発行。

私は、1291年スイスの成立から、傭兵国家による「血の輸出」を経て、1685年「ナントの勅令の廃止」によるユグノーの移住により、時計を始めとする産業を国家産業に出来、大量の雇用とまともな財政を生み出すことに成功、その後、観光産業を主要産業とし、欧州の銀行の中枢として確固として存在するスイス、その現在に至る過程を知りたかった。

もっと言うと、「ドイツ=オーストリア、イタリア、フランス」という強国に接し、それ故4つの言語を公用語とし(自国語+3外国語)、「中立」を戦略的に位置づけている国家の成立過程を知りたかった。

端的に「なぜスイスは4つも公用語があるのか?」に答えたかった。


なので、興味深い記述は多かったが、自分が読みたかった記述はほとんどなかった。

こういうこともある。

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2013年03月25日

Posted by ブクログ

永世中立国であること、国民皆兵であること、これらについて考える手がかりにしたいと思って読みました。

強国列強の中心にあり、交通の要衝でもあるこの国が、自由・独立・良好な治安を保ち、経済的にも豊かであるために抱え込んだ諸々の事情、歴史的背景など興味深かったです。

地方自治権が強く、直接民主制であること、中央集権制に対する嫌悪があること、やや排外的にならざるを得ない移民事情、こうした土壌からスイスの光も影も生まれていることがなんとなくわかりました。

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2013年02月05日

Posted by ブクログ

中立を貫くことが大変だというのはわかるが、スイスの差別的な思想、互いを監視し合う社会というのはどうなのかと正直思った。でもここまで他者や異分子を拒絶しないと国としてまとまって中立を貫けないのかもしれない。

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2012年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ユダヤ人を追い返した歴史、核開発、人種差別、監視社会、マネーロンダリング、ネオナチ・・・と話がいろいろ盛りこまれている。日本が取りうる可能性の末路を示している部分もあって興味深い。
しかし、スイスという点を除いては全く統一感がない。スイスに行ったり住んだりするタイミングで読むのがよいと思う。

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2012年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内容箇条書き
・第二次大戦中、スイスはドイツナチスに協力。ユダヤ人を国境で追い返して虐殺に加担した。
・スイスは非常事態時に35万人(人口の5%)を即時動員できる。
・スイスには住民の個人情報をまとめた電話帳のような本が売っている。
・住商銅事件の濱中の隠し口座がスイスにあり、8000万円の預金が眠っていた。
・スイスの銀行業はスイス全体の利潤の12%を稼ぎだしており、政策決定に大きな発言力を持つ。銀行数は370、行員は12万人。
・スイスの銀行は第1次大戦を機に、中立国として各国の資金が流入。スイスは欧州の一大金融センターに発達。20世紀初期にドイツ・フランスが軍備拡大で増税する際に、税金逃れにスイスの口座が活用されたらしい。

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2012年02月08日

Posted by ブクログ

一般の日本人が、
なんとなくクリーンかつ公明正大なイメージを
勝手に抱いてしまいがちな「スイス」という国家の、
知られざる面――軍備,核,人種差別,麻薬問題,etc――
をクローズアップした本。

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2012年12月08日

Posted by ブクログ

昨年スイスに行くチャンスがあったけど、叶いませんでした。行ってきた人に話を聞けば、やっぱり随分いいところに思える。ところがこの本を読むと、スイスが決してほのぼのとした平和な国ではなく、民族浄化やマネーロンダリング、核武装の計画など、黒い部分が次々にあらわれてきます。本当か、と思えるほどに。
どんな国にも難しい過去があるけれど、ぼんやりいいイメージを持っていたスイスだけに、その特徴である永世中立、EU非加盟などが、違ったものに見えてきてしまいます。

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2012年01月28日

Posted by ブクログ

永世中立国であり、世界で一番住んでみたい国にあげられるスイス。「美しい理想の国」の歴史に隠された真実とは…。
「ロマ(ジプシー)の子供を誘拐せよ」「「悪魔」のスタンプ」「それぞれの戦い―「祖国」と「人道」の狭間」「中立国の核計画」「理想という国の嘘―「相互監視」社会・民主主義社会・ある政治家との対話」「マネーロンダリング」

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

「老後はスイスで暮らす!」という夢を考えなおねばならないと感じた。
スイス本当に黒い。
ヨーロッパの小国は対外的なイメージ造りがとてもうまい。
日本は逆にそれが不得意。
それは個人にもいえること(自分のことを褒めたりすることが得意でない。)

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2009年10月04日

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