あらすじ
愛と憎悪が交錯するサスペンス、完結!ことの起こりは13年前。銀行員として米国に駐在中の北大路冬彦は、上司の柳原に巨額横領事件の罪をなすりつけられ収監されてしまう。収容されたシェラネバダ刑務所で人生を終えるかと思われた北大路は、ある男の力を借りて脱獄に成功。そして脱獄の手引きをした”クロブチ機関”なる組織の一員、春居筆美として日本に帰国。法で裁けぬ悪党を成敗する、危険な仕事に従事することとなる。一方、北大路(=春居)を陥れた柳原は悪事を重ね、与党の大物代議士になっていた。しかも、北大路の愛する妻と息子をたぶらかし、自らの陣営に引き入れて……!!妻と子のため、日本のため、自らの怨みを晴らすため、柳原を倒す決意を固める北大路(=春居)。だが柳原もまた、自らの罪を知る北大路を亡き者にしようと策を張り巡らせていた。そしてついに、対決の時!!生き残るのは……最後に笑うのは……誰だ!?
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Posted by ブクログ
謎のマジシャンが徐々にその人格を露わにし、安全圏から表舞台へ出て来ざるを得なくなっていくところが、マジックのネタばれのようでドキドキした。
さまざまな家族の関係が描かれてきたけれど、主人公の元家族が出てくるとは思わなかった。とくに息子との関係は。
結局、最後に春居の味方になったのが同じ組織の仲間ではなくマジシャン達だったというのも・・・おもしろい。
絶望した春居が手にナイフを刺そうとしたところが、死を選択するよりも辛いことだったのだと分かる。やはりあなどれない小泉じゅん。やったね!
たまたまかもしれないが、二人の重要なシーンはいつも海である。
溺れる小泉じゅんを助ける春居(見開きで海の中)、
孤独な戦いを始めようとする春居の前に現れる小泉じゅん(背景イメージ海、やはり見開き)、
そして崖の二人(背景海)。
『正義とはなんだ』終始一貫してこのテーマだったと思う。柳原もだれかにとっては正義だったろう。
冬(彦)から春(居)へ。
生まれ変わった主人公は新天地へ。
とりとめない感想になってしまった。とてもおもしろかった。