あらすじ
家庭環境も、成績も普通。カオも体格もありきたりで趣味も特にない…何となく、生きている実感が薄い生活を送っていた高校生、ノボル。だがある年の正月、父からもらったパソコンでネットにはまり込んだことで生活が激変する!!「やすらぎの館」というホームページの掲示板の常連になったノボルは、そこで“R”という人物と知り合う。掲示板での会話が進み、いつしか“R”の個人的なホームページを訪れるノボル。そこには、ノボルが求めていた“リアル”な会話があった…
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Posted by ブクログ
「センチメントの季節」最終刊です。
最初は、少年少女に視点を置いていたこの物語も、だんだんと大人の視点にシフトしていっている感じです。
1つは、少年少女なんて縛りでは、パターンが決まってしまうということもあるのだと思いますが、これをかくことで、榎本 ナリコ自身も、なんか、成長していったというか、感じるところがあったような気がします。
リアルって、なんでしょう?
それこそ、子どもの時代は、体の感覚だけがリアルだった。でも、思春期を越えて、心の比重がどんどん大きくなっていく。でも、多分、心だけがすべてというのも、また、間違っているのかもしれない。
その時、その時によって、振り子みたいに、価値観は揺れ動いているのだけれど、どっちかを大事にしなければ、そのツケは、もう一方にも影響を及ぼすというのは、真実の様な気がします。
純粋であるのかないのか、そんなことにこだわる必要は、本当はないのかもしれない。
それは、ただの妥協かもしれないけれど。でも、妥協することにも、意味はあるのかも。