【感想・ネタバレ】臓器ブローカー すがる患者をむさぼり喰う業者たちのレビュー

あらすじ

移植臓器は、腎臓・心臓・肺・肝臓・膵臓・小腸etc.


治らぬ病を抱え、臓器移植の道を探る患者は多い。しかし移植用臓器は世界的に不足し、殊に日本ではまったく足りない。
例えば腎臓は国内で希望しても15年待ち。その間に多くの患者が死に至る。
いきおい患者は海外渡航移植の斡旋業者に接触。が、それは世界中ほぼ全面的禁止の臓器売買である確率がきわめて高い。手術は衛生状態さえ保証されず杜撰で、結果は一か八か。
貧しい国々の臓器を求め彷徨う患者と、数千万円を要求する業者。背後には国際組織。
そんな中、逮捕された業者・菊池仁達は悪魔の手先か、それとも患者たちの英雄か――。

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Posted by ブクログ

登場人物と登場する会社、国々が多くて、私の中では何がなんやらと言うところはありました。
が、
本当に病気で困っている人がいるのと、それを善意かどうかは判りかねますが、『斡旋』してくれる人(会社組織)があるんですね。
ただ思うに、何より『提供』する側の人々については想像するだけで怖い気がします。
特にC国なんて、、、

『利権』?的なのがあるんでしょうね、、、

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

今海外だが、行きの飛行機でこの本とタンパク質に関する本、コロナ関係の本を、3冊積読しながらガッツくように読む私は、妙な人間に見られてはいまいか(自意識過剰)、CAさんに何を読んでいるか聞かれたら「臓器ブローカー」を見せてニヤリとするつもりだったが(厨二病)、触れられもせず。

とにかく〝海外と臓器売買“のパワーワードが醸す怪しさは制度上の課題でもある。この本にその事が書いてある。尚、放置されたまま異国に着いてしまったが、今回の旅の目的は臓器を買うためではない。念のため。

制度の課題とは何か。先ず、実際に行われた2024年の移植手術は、心臓111件、肺130件、肝臓107件他、腎臓移植は毎年200件前後行われているが、現在の腎臓移植希望登録者1万4773人で、手術を受けるには70年以上もかかってしまう。その間にも辛い人工透析があり、透析治療中に15年を待たずに亡くなる人が多いとの事。

命を助けて欲しいと思えば、海外で手に入る臓器にもすがる。その気持ちは、よく分かる。

それを救ってあげるヒーローが臓器ブローカー。あなたと臓器の出会いをマッチング。人に喜ばれる素晴らしい仕事があります…とはならない。

臓器を提供するドナーは囚人や貧困、人種差別の上に成り立ち、その移植手術も違法、いい加減、手術後の日本の受け入れは丸投げ、詐欺同然の高額な金銭のやり取り。加えて、渡航先の国で合法的に行われた移植であっても逮捕され、立件が困難な臓器売買による移植なら逮捕されない(=逮捕できない)という実態がある。

酷い話!実際のその手術、日本への帰国までのメールのやり取りも紹介される。生々しくて息を呑む。iPS細胞で何とかならないものか。冒頭のおふざけが悔やまれる。

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2025年09月12日

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