あらすじ
的確な判断力や問題解決力を身につけるには論理的思考が不可欠だ! 気鋭のコンサルタントである著者が、「正しい思考法で、最適な結論を導き出す方法」を徹底分析した本。ビジネスの世界ともなると、正しい思考や判断をするために、情緒や感覚に流されることなく、それが論理的に正しいのか、矛盾や見落としがないかを追究する姿勢が必要。本書は、勘に頼った判断や水掛け論、力関係の取引による決着ではなく、ビジネスマンが自分の頭で考え、難局を切り抜けていくための課題を取り上げ、それを「正しく解決する」技術を紹介。「正しさの根拠とは何か」「修辞の世界と論理の世界」「イッシュー(争点)を考える」などを盛り込み、平易に解説する。著者が明かすその手法、ノウハウの全ては、日々の仕事の問題解決、判断、プレゼンテーション、表現等に悩むビジネスマンにとって目からウロコとなる実践テキストだ。ビジネスマン絶賛のロングセラー、遂に電子化!
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Posted by ブクログ
<要点>
■一般的な正しさへのよりどころ
①力による正しさ
②制度的正しさ
③数理的正しさ
④事実の正しさ
⑤論理的正しさ
■論理の5原則
①基本はピラミッド構造(帰納と演繹で積み上げる)
②メッセージは一度に一つだけ(一文一義)
③抜けや歪みのないこと(MECE)
④抽象のレベルが揃っていること
⑤最下部は、事実かまたは事実に代わる蓋然性(がいぜんせい)の高い仮説
演繹:一般論から個別論を導く過程
帰納:個別論から一般論を導く過程
■MECEに分けることを心がける際には「世の中にはAとBとCがある」という「拾い出す」形の叙述よりも、「世の中にあるもっ質を分解すると、AとBとCに分けることができる」という言い方のほうが都合がよい
■原因(要因・要素)が下で、総合・結果が上ということを強く意識しないとまとめたつもりでも混乱を招くことが多い
■文書構造を見る際には、まず全体を代表するメッセージを考える。次に、その下のモジュールを考え、しっかりしたものとぐらついてしっかりしていないものを選り分ける。そして、モジュール間の上下を判断したうえで、最終的にモジュール間の構造、組み合わせと、それがどのように全体のメッセージにつながるかを考えればよいのである。
■イッシュー:互いに問題だと思いつつ、判断が分かれ決着がつかない課題
■「イッシューか否か」の争いは、まったく非生産的なものなので、早くからそこから脱出して、知的生産活動のレベルでの問題解決に進まなければならない。
■プロジェクトチームミーティングを人の調べたものの発表の場にしてはいけない。まず、イッシュー・ツリーを作る作業から出発すると、各人が、何の作業を分担するかが分かるため、ミーティングは「作業のための打ち合わせ」の場になる。
■組み合わせの数が無限に近付くと始末に負えないから、企画化を進めて、ある程度数を絞り、実用と経済効果の両立を目指すようになる。しかし、我々は規格化によっていつの間にか原点である組み合わせの自由度を忘れ、可能性を見失ってしまうことがしばしばあることを詰めに銘記しておかなければならない。
■人は不思議な現象を見るとそれを受け入れるために大きく二つの方向をとる。
①不思議を説明するために空想物語を作り、人にも語り、人の話も聞いて心に納め安心する方法。この心は詩や神話を生む。ロマンの世界である。
②不思議な事実を追求し、その中に関係や法則を見出して、現象を説明し、不変性の中で不思議を解消することである。これは科学を生む、道具を作り、文明を発展させた。