あらすじ
閉鎖病棟で過ごした不思議な40日間!体験的コミックエッセイ!
独身女性のフリーライターである「わたし」は、16年来のうつ病もちでした。でも、ついに抗うつ剤が必要ない状態にまで回復! そう、事実上うつ病が治ったのです。
しかし、喜んでいたのもつかの間、こんどは、自分で自分を傷つけるのではないかという妄想がおそってきました。医師の診断は、「双極性障害」。いわゆる「躁うつ病」です。
やっかいなことに、過去のうつ病とはまったく症状が違います。そこで、医師は入院を進言。著者は迷いながらも入院を決断しました。しかも、お見舞いの人が勝手に立ち入ってくるのが煩わしいと、あえて「閉鎖病棟」を選んだのです。
二重扉の向こうにある閉鎖病棟には、さまざまな「掟」がありました。でも、映画や小説で描かれてきた監獄のような世界ではなく、そこは、精神を病んだ人々が「社会から守られている世界」だったのです。
入院中に出会った、さまざまな患者との交流も含め、精神科閉鎖病棟での生活を、明るく正直にえがいた、体験的コミックエッセイ!
感情タグBEST3
Posted by 読むコレ
実は兄が30年近く精神病院に入院しているんだが
開放病棟なのに、この著者さんの描く閉鎖病棟よりも
もっと、いわゆる精神病院っぽさを感じる。
もう一目瞭然に、あちら側に行ってしまっている
という感じを兄にも患者さん達にも感じていたのだが
このエッセイを読むと、なんだ、普通の人達じゃないか
と感じるのは、やはり、著者が内側から見たからなのか
あるいは、このマンガがオモシロ可愛らしいからか?
実際、この絵柄とユーモア感で随分救われている。
ただ、携帯電話の使用が禁じられている院内で
かかってきた電話に応え話していた面会人に対する
著者の怒りには、ちょっと、尋常では無いものを感じた。
確かに思いやりの無い行動ではあるが
一発殴られたほうが良かったとまで言い切れるほど
ひどい行動だとは共感できなかったのだ…。
確かに、ケータイやスマートフォンを規制されていたら
強く反応するのは理解できなくはないのだが
なんというか、世の中、こういったところでも
激怒していたら生きるのは辛いだろうとしか思えなかった…
おすすめです!!
Posted by ブクログ
うつになり、治った! と思ったら…なエッセイ漫画。
うつの人はこういう感じなのか、というのが
分かります。
人それぞれ、色々なうつがありますが
なんとなく分かるかな? という感じで。
閉鎖型と開放型、という意味も分かりました。
もちろん、病院の内部も分かりませんでしたから
一概にこうではありません、とはありますが
どういう感じでどういう状態なのかも。
あちらこちらで物を使うたび、看護士に見られるのは
安心であり、監視されている気分。
そこは理解できます。
そんな感じで、理解したり初めてしったり、な事が
かなりあったエッセイでした。
Posted by ブクログ
エッセイまんがというジャンルがあるなら、これはドキュメンタリーまんがですかね? とりあえず実体験まんが、といっておきます。
精神科、それも閉鎖病棟への入院体験が、非常に前向きに描かれています。病気を治したいと思って病院に行くのは当たり前であり、通うのが苦しい患者にとっては、入院が「救い」になるのだということを事実を思い出しました。
閉鎖病棟には鍵がかかっているし、面会できるのは医師の許しを得た患者の親兄弟ぐらいに限られるから、内部の様子を知る人は少ないでしょう。多様な精神疾患を持つ患者たちを疾患によって隔てることなく、自分に連なる人として観察している、とても貴重なレポートです。