あらすじ
24歳の誕生日に突然現れたのは、1時間に1歳ずつ成長する、自由奔放な「もう一人の私」だった――
後悔ばかりの人生に訪れた、鬱陶しくて、愛おしい、最高の誕生日プレゼント。
連続テレビ小説『虎に翼』脚本家による話題作!
「なんだかなぁ」とさえない日々を過ごしてきたひとみ。
けれど二十四歳の誕生日を迎えた0時過ぎ、目の前に突然赤ん坊が現れる。
1時間に1歳ずつ成長するその不思議な子は、なんと過去の自分自身だった――
自由奔放な彼女に振り回され、うんざりしていたひとみだが、
自分への誕生日プレゼント代わりに、これまで諦めてきたことをしてあげよう、と思い立ち……。
人気脚本家のオリジナル小説、待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
1時間に1歳ずつ成長する過去の自分と過ごすことで、その当時、その時々で闇に葬り去って来た出来事や人間関係を思い出し、自分のズルさや軸のなさ、不甲斐なさを改めて感じるひとみ。
その苦しさ、すごくわかる。
胸の中でバイト先のドーナツがボトッと落ちる感じ。。
セルフケアというと曖昧だけど、自分の気持ちに耳を傾けることってとても大事なのだと思う。
人間関係を築く上でも、自分が今どんな気持ちなのか客観的に見られれば、極度に卑屈になったり嘘をついたり、見栄を張ったりすることはないのかもしれない。
自分が自分であることの価値は卑屈なままでは見出だせないし、他人任せではもはや自分ではない。
Posted by ブクログ
1時間に1歳ずつ成長する自分という存在が主人公に対して果たす役割はよく思いついたなと感心したが、物語が進むにつれて存在や役割が薄くなっていくのがもったいない。主人公が自ら前に進んで助けがいらなくなったというより、物語の進行に役割をうまく変化させられなかったように感じられた。
ありえないことをあることとして読ませる文章や、もう一人の自分というアイデア、昔の有名な作品になぞられたタイトルなど小さく光るものが沢山あるのに目を見張る大きな光になっていないところがとても残念だ。