【感想・ネタバレ】歴史総合・日本史探究・世界史探究の授業を実践するためのヒント ―ジグソー法による指導と評価の一体化のレビュー

武井寛太

「指導と評価の一体化」「主体的・対話的で深い学び」はどうすれば実現できるのか。知識構成型ジグソー法を共通の授業手法として、 新進気鋭の歴史教育者が総力をあげてこれからの歴史授業を描き出す。生徒の学びの事実から導き出された授業のコツや授業を実践するためのヒントを示して、「 生徒に何を教えたか」ではなく、「生徒は何ができるようになったか」を重視する授業への刷新を促す。歴史教育の未来を見据えた渾身のメッセージ。

[ブクログ · ★★★★☆]

本書は、知識構成型ジグソー法の理論の概説と多数の実践事例が掲載されている。本書の素晴らしいところは、掲載されている実践事例が授業の成功をドヤ顔で主張するものではなく、むしろ授業者の試行錯誤、PDCAサイクルの過程が謙虚かつ分析的に述べられており、さらに良い授業をつくろうとする向上心を見せている点である。そのような姿勢に惹きつけられ、自分にもできるかも、自分もやってみようという気にさせてくれる。補注で紹介されている書籍も含めてしっかり勉強したい。