あらすじ
現・日清食品会長の安藤百福が、世界初の即席めんを作り、カップヌードルを開発するまでをいきいきと描く。戦後、焼けた大阪の町で、一杯のラーメンをもとめて行列を作っている人々を見た時、百福はまず腹いっぱいでなければ平和とはいえないのではないかと痛感。それ以来、食にこだわった開発を手がける。食用ガエルが栄養がありそうだと思えば、それを圧力なべで蒸してなべごと爆発させたこともあった。めんを乾燥させる方法、味など即席めん「チキンラーメン」を完成させるための数知れぬ課題を百福はねばり強く解決して、ついには商品化に成功。爆発的に売上げをのばした。また昭和46年には「カップヌードル」を商品化し、一世を風靡した。世界食となった即席めんを作った百福は「食文化を変えた男」といわれている。アイデアを消費者の手に届く製品へと練り上げた百福の努力がいきいきと伝わる。
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Posted by ブクログ
ウチの息子が日清食品の工場に社会見学に行った際
作りたてのカップヌードル(笑)とセットで
お土産に貰って帰ったのがこの本だった。
普通に買うと1300円する本を児童ひとりひとりに配るとは
さすがだ日清食品。
この本は、日清食品の創設者で
チキンラーメンやカップヌードルを生み出した
安藤百福さんの生涯と
チキンラーメンやカップヌードルが
どのようにして誕生したのかを
小学生向けにわかりやすく紹介した本。
あとがきを読んだところ、著者の中尾氏は
安藤氏の実のお孫さんのようだ。
内容(安藤氏の生き方や信念)が素晴らしいのは言うまでも無いが
日清が失敗した「カップライス」のことに触れ
失敗は失敗としてきちんと記しているところも好感。
これからは安藤氏に敬意を払いながら
チキンラーメンやカップヌードルをいただくことにする。
Posted by ブクログ
「PHP愛と希望のノンフィクション」シリーズの1冊。日清食品のチキンラーメンとカップヌードルを生んだ安藤百福さんの伝記。
小学校高学年から読めると思います。
台湾で生まれ、商家の子どもとして祖父に厳しく育てられたこと。
戦中,戦後の苦しい時期をアイデアと人並み外れた努力で乗り越えてきたこと。
理事長として名前を貸しただけの信用組合が抱えた負債を背負う羽目になリ,すべての財産を失ったこと。
戦後の混乱の時期にラーメンが人々の心に希望を与えてきたのを思い出し,自身で今までにないラーメンを作ろうとしたこと。
安藤百福さんの生きてきたどの時期にも,人一倍強い探究心を持って事業を成し遂げてきたことを改めて知った。
また,得た利益を自分だけのものにするのでなく,食品業界のため,会社で働く人々のため,スポーツなどを通じた社会全般のために還元してきている。
阪神大震災のときには三十万食もの即席麺を,「チキンラーメン号」というキッチンカーで被災者の人々に配った。人々のためになることをする安藤百福さんの信念を知ることができた。
2018年10月からNHKの朝ドラで,安藤百福さん,奥さんの仁子さんをモデルにした「まんぷく」が放送されている。伝記を読んでみて,こういうことだったのかと改めて気づくこともあった。