感情タグBEST3
Posted by ブクログ
雑誌でチラッと写っていただけの景色を見に来た月朝。
そこは、、北欧の小さな島で、親友の風雅を誘って卒業旅行にやってきたのだ。
風雅は、性善説を信じているような素直でまっすぐな青年で、何でも疑ってかかる月朝とは正反対。誰の言われたことでも素直に信じ込んでしまう。ところが、それでいて自分を決して曲げることがないから、口の悪い月朝でも遠慮なく何でも口にすることができた。
けれど、島に着いて早々、入国管理官だという双子の美形兄弟の弟・ステファンの車になんとも疑いもせず、乗ろうとするなんていただけない。
必死で月朝は止めるけれども、結局、月朝も一緒に同情することになる。
けれど、案の定、連れて行かれた先は、二人が宿泊する予定であったホテルではなく、双子のお城のような自宅。
気の強い月朝を気に入ったマティアスは月朝に、月朝を好きにさせる代わりに、ステファンに風雅に手を出さないように伝える、という約束をしようと言ってくる。
軟禁状態の月朝は、しぶしぶそれを飲むしかなくて……
という話でした。
島についたら、いきなりキラキラした美形兄弟に連れ去られて、軟禁状態にされて……という。しかも、相方のはずの風雅は全然、それをわかっていなくて、危機感がゼロ。
月朝にとっては頭の痛い話なんですが……。
これ、実は思い切り途中で終わってて、「ああああああ」ってなりました。
とりあえず、風雅を守るために、自分の身体を差し出した月朝だけれど、その後再会した風雅とステファンはなにやらいい感じで、それに危機感を募らせた月朝は、それを邪魔するために、今度はマティアスに自分から取り引きを持ちかける、というすっごくいいところで、終わっていて、じたばたとしました。
その代わり、「冷酷な王子とほんわか姫君」という風雅視点の話が入ってるんですが……。
ど、どこがほんわかなんですか……?
という感じの風雅の性格がなんとなくすけて見えて、こっちは冷や汗ダラダラ。
多分きっと、風雅は月朝が思ってるよりもずっといろんなことがわかっていて、自分の魅力も十分知っているんではなかろうか……? というところがチラホラ。なんとなく、作者さんは「ほんわか」のつもりで書いてるのに、微妙に失敗しているだけのような気もしなくもないですが、これなら逆に腹黒なんじゃ……と言いたくなるレベル。
よっぽど、月朝の方が素直でかわいいような気がします。
完全に、ステファンを手玉に取る、小悪魔でしたよ……?
まぁ、そんな感じで、二組のカップルが織り成すきらきらな王子様との春のバカンスなので、続きを用意してから一気に読むことをオススメします。