あらすじ
どうしてこんなふうに進化した!?
学校では教わらない昆虫の面白くて美しい生態の謎
効率重視! うんちを土台に美しい繭をつくるキノコバエ
子育て熱心! 幼虫に役立つミルクを分泌するアリのサナギ
天敵を警戒!? ブルンブルンと体をくねらせるチョウのサナギ
――テレビでも活躍中!
採集、飼育、昆虫食……、偏愛ぶりが大人気の昆虫研究家が語る
大胆なフォルムチェンジに隠された、驚きの生存戦略
〔もくじ〕
はじめに
第1章 一筋縄ではいかない変態の世界
昆虫に変態が必要なわけ
完全変態、不完全変態、無変態、過変態――変態にも種類がある
脱皮と変態は違うのか?
変態の謎を解く――「死への羽ばたき」実験
変態は小さな死からできている
サナギの中で起きていること
99%の昆虫が翅をもつ
幼虫は歩く消化管、成虫は飛ぶ生殖器
変態の謎①幼虫と成虫は同じ虫?
変態の謎②記憶は引き継がれるか?
変態の謎③サナギはコミュニケーションをとるのか?
第2章 昆虫たちのフシギすぎる変態20
①正解で一番美しいサナギ・オオゴマダラ
②成虫によく似たサナギのテントウムシ
③世にも珍しい泳ぐサナギ・カ
④身近な夏の風物詩・セミ
⑤土の繭で過ごすウスバカゲロウ
⑥女王バチと働きバチを分けるもの
⑦冬のサナギと春のサナギに分かれるアゲハチョウ
⑧サナギのまま大暴れするオオムラサキ
⑨糸を紡ぐカイコ
⑩脱皮したての白く美しいゴキブリ
⑪ずーっと姿の変わらない無変態のシミ
⑫サナギを乗っ取るハチ
⑬立派な角を隠しもつカブトムシのサナギ
⑭オスだけ変態するミノムシ
⑮ミルクを出すアリのサナギ
⑯サナギも光るホタル
⑰50年幼虫で過ごすアメリカアカヘリタマムシ
⑱カマキリモドキの歩くサナギ
⑲キノコバエのうんちの繭
⑳赤から緑になるコノハムシ
特別編 変態の様子を観察しよう!
幼虫を捕まえよう/アゲハチョウの変態の観察/クワガタの変態の観察/セミの変態の観察
おわりに
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Posted by ブクログ
自分は小学校の頃、カイコだったか、サナギの中身を開けてみたことがある。その時はものすごく臭い茶色いドロっとしたものが出てきて、それ以上観察することができなかった。ただ、その時の強烈な印象から、なぜアレが成虫の姿になれるのか興味があった。
本書は、サナギとは何なのか、そして種類によって千差万別な変態の違いをわかりやすい文章で解説していて、サナギの中身のあまりの臭さに悲鳴をあげた小学生の私が楽しんで読んでくれた。
また、横道に逸れる形でチョイチョイ挟まれる昆虫豆知識も面白い。これまた長年疑問だった「女王アリは働きアリの第一世代をどうやって育ててるの?」の疑問が解消した。
昔の人はサナギから蝶が現れる姿を死と再生に結びつけたそうな。それを聞いたら、エジプトのミイラって、人間のサナギに思えてきた。あと千年くらいしたら、ミイラからナニカが出てくるかもしれない。