【感想・ネタバレ】古代マケドニア全史 フィリッポスとアレクサンドロスの王国のレビュー

あらすじ

世界史に比類なき足跡を残した偉大なる英雄たちの王国、マケドニア。紀元前7世紀半ばの建国から、天然資源と外交術を駆使した版図拡大の時期を経て、フィリッポスによるギリシア制覇、アレクサンドロスによるアカイメネス朝ペルシア打倒を含む東方遠征、そして後継者戦争の果てに滅亡に至るまでの全軌跡を、最新の研究成果を踏まえて辿る、本邦初、唯一無二の歴史書!
これが『ヒストリエ』(岩明均)のリアルだ!!

[目次]
プロローグ
第1章 マケドニア史へのアプローチ
1 マケドニア史研究の歩み
2 フィリッポス二世の「復権」
第2章 マケドニア王国の成立
1 マケドニアの地
2 王国の誕生
3 マケドニア王国のしくみ
第3章 ヘラクレスの子孫たち
1 アルカイック期のマケドニア
2 アレクサンドロス一世
3 ペルディッカス二世
4 アルケラオス
第4章 フィリッポス二世の父と兄
1 アミュンタス三世
2 アレクサンドロス二世
3 ペルディッカス三世
第5章 フィリッポス二世の登場
1 即位時の危機
2 王国の統合
3 ギリシア征服のスタート
4 第三次神聖戦争への参戦
第6章 ギリシアの覇者へ
1 「フィロクラテスの講和」
2 フィリッポス二世の宮廷
3 ギリシア制覇への道のり
4 決戦へ
第7章 フィリッポス二世からアレクサンドロスへ
1 ペルシア遠征を見据えて
2 王者の最期
3 父と子
エピローグ
結びにかえて――現代のマケドニア
地図
マケドニア王家の系図
マケドニア王在位表
凡例
主な参考文献
図版出典一覧
関連年表
索引

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Posted by ブクログ

本書は前7世紀の建国から前4世紀末の滅亡に至るまでのマケドニア王国の歩みを辿る400ページ超える歴史の本。
マケドニアと言えば、なんといってもアレクサンドロスの存在が際立つ。世界史に比類なき足跡を残した。そのアレクサンドロス。33歳で病没していることを踏まえるとなんと短い人生だったことよ。

最も印象的だったのはアレクサンドロスの父、フィリポス2世の暗殺の場面。
前338年、フィリッポス2世は、カイロネイアの会戦でこれまでだれも果たせなかったキリシア制覇を成し遂げた。次はアカイメネス朝ペルシアに照準を併せていた前336年、自身の娘クレオパトラの婚礼の祝典の場が、フィリッポスの暗殺の場になった。なんと劇的なことよ。
著者はこれを、1963年アメリカのケネディ大統領暗殺事件を引き合いにし、フィリポスもケネディもともに46歳だったと記している。
この年、アレクサンドロスは20歳で即位し、その後、わずか10年で前人未踏の大征服を成し遂げる。

最後の1ページまでとても楽しい心ときめく読書の時間だった。

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世界に比類なき足跡を残した英雄たちの王国マケドニア。
紀元前七世紀半ばとされる建国、天然資源と外交術を駆使した版図拡大からフィリッポスのギリシア制覇、アレクサンドロスのペルシア打倒を含む東方遠征、後継者戦争の果に滅亡に至る。

マケドニアが文字での記録を残さない「声なき民」だったので、ギリシア側の記録しか無い上に、ギリシア側の主観と言う難しさの中、伝説的な建国から資料の残る王たちの業績と興味が尽きない。割と分厚めの本だけど、楽しくてあっという間だった。

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2025年09月21日

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