【感想・ネタバレ】私たちは、トランプを選んだ ルポ アメリカ大統領選挙のレビュー

あらすじ

アメリカの有権者は何を争い、何を守ろうとしたのか。
日経記者が全米を飛び回った180日の記録から、トランプ復活の必然を読み解く。

歴史的、前例のないと形容されたアメリカ大統領選挙2024において、半年間にわたり全米で取材を進めた日経記者によるルポルタージュ。
討論会で自滅したバイデン氏に代わり、急遽出馬を決意したハリス氏と、凶弾から復活し、イーロン・マスク氏と共闘したトランプ氏。本書では、大統領選におけるトランプ、ハリス両陣営の戦略の裏側を紐解くとともに、1000人を超えるアメリカの有権者の「生の声」を集め、熱狂と諦念に揺れ動く大国を描いた。とくに勝敗のカギを握るとされたZ世代の若者や激戦州の住民に光を当て、誰が、何を感じ、どう動いたのか、その核心に迫った。ポッドキャストなどのSNSの影響や、データを基にトランプ氏の勝因も分析した。

選挙戦でハリス氏は「民主主義の保護」を訴えたのに対し、トランプ氏は「4年前より生活は良くなったか?」と問い続けた。高邁な理念より明日の生活。不法移民や高インフレに身構えるアメリカ国民にとって、トランプ氏の問いかけが最終的に心に刺さったといえる。

アメリカに限らず、日本や欧州、あるいはほかの多くの地域でも、伝統的な政治体制に対する不満が高まり続けている。問題の所在や解決方法を一見分かりやすく示してくれる「強いリーダー」を求める傾向も増す。アメリカの有権者がなぜトランプ氏を選んだのか、対抗馬だったハリス氏になぜ背を向けたのか。それを知ることは、こうした政治情勢と向き合うための第一歩となる。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2025.04.27
トランプがどうして勝利したのかよくわかる一冊。前回トランプが勝った2016年選挙のときもそうだったが、日本のマスコミはどうもバイアスをかけているのにそれを認めず「不偏不党」で報じているという建前を崩さない。だから、事前のマスコミ報道では、「クリントンが勝つ」「ハリス優位」という大間違いをしでかす。
それが事後になるとこうして冷静にまとめてきて、トランプは勝つべくして勝ったと報じる。
もう、日本の新聞やテレビは自分たちは偏っていることを認めないと(産経新聞は認めているし、赤旗も然りだが)普通の視聴者から見放される日が近いと思う。
この大統領選のポイントはトランプでもバイデンでもハリスでもなく、p266以降のデータで示されているように、低所得、若年層が民主党に投票しなかったということ。すると、トリプルレッドになったわけも腑に落ちる。民主党が誰のための政党かをこれらの有権者は肌感覚で感じていたのだろう。

0
2025年04月27日

「社会・政治」ランキング