【感想・ネタバレ】ソネットのレビュー

あらすじ

芸大に通う仁科幸は、詩人を夢見ながらも思い通りの評価を得られず進路に悩んでいた。そんな仁科の前に、留学帰りの同級生、広尾柾史が現れる。行動的で率直、自分と正反対の広尾を敬遠していた仁科だったが、仁科の詩を認め、詩に真剣に向き合わせてくれた彼の存在に尊敬を募らせていった。だがある夜、仁科は突然広尾に抱かれてしまう。その行為は仁科の中に嫌悪ではなく、広尾への愛と渇望を目覚めさせ…。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

臆病で頑固で繊細な受けと
行動的で傲慢な攻めの芸大生モノ。
文芸学科が舞台は新鮮です。
詩人・詩研究の世界。

その詩に惚れ込まれ、強引に体を奪われ
あっという間に恋に落とされ溺れる受け。
自分の存在が、受けの詩の才能を潰すからと
切り捨てられた彼が、苦しみ再起していくお話。

標題と攻め目線の2編あります。
世間知らずで危なげだけど、とにかく
スパルタな攻めに大して、健気で一途な受けを描くのは
ひのもとさんのお得意。

再起までは、ホントにダメダメなんだけど
攻めの想いをきちんと理解し、上を向いてからの受けは
攻めじゃなくてもきゅんきゅんします。がんばれー!とね。

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2012年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

受けが本当に霞を食って生きているような男でwww
いかにも昔ながらの詩人って感じがしました。
この二人は現代だから不安なのかなあ。攻めもまだいまいち経済力が足らないし。一昔前のパトロンが当たり前の世界なら何の問題もなく幸せになれたよなと思いました。

0
2012年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同級生(?)もの…かしら

今回の主人公は詩人です
2話構成になってて、ひとつは雑誌掲載分ですね

私的大注目のひのもと作品ですが、これも期待を裏切りません
凄くドラマチックではないですが、心情の表現がじわっときます

0
2012年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 芸大に通う仁科幸は、作詩をメインとしながらも自分の将来を決めかねていた。
 周りの同級生はどんどん就職先を決めていくけれど、自分はただこのまま漫然と試作を続けていていいのかどうか……悩んでいた。
 けれど、言葉は仁科の心の中に次々と浮かび上がり、「書く」ことには仁科は迷いを持ったことがなかった。
 そんな仁科の前に突然現れた男・広尾柾史は、仁科とはまた別の視点から詩に関わって行こうとする男だった。
 彼は、「詩の翻訳家になりたい」という明確な目標を掲げ、また、それに向かって何度もフランスに留学していたり……等目標に向けて着実に歩いている男だった。
 そんな広尾と、ゼミの教授から同じ課題を与えられた仁科は資料の少なさから、一緒に課題をやることになってしまう。

 最初、今までの人付き合いの経験の少なさから、何でもすぐに口にしてしまう広尾に苦手意識を抱いていた仁科だったけれど、次第にそういう広尾のマイペースなところに惹かれていく……

 そして、課題の打ち上げの日、酔った2人はついつい身体の関係を結んでしまう。
 そこから先、恋愛経験も少ない仁科は、転がり落ちるように広尾に夢中になっていく。
 全てが広尾中心の生活で回っていて、詩も全然書かなくなり、授業にも殆ど出ない。
 恋愛以外何も見えなくなってしまった仁科に対し、別れを告げたのは、先に手を出してきた広尾のほうだった。
「自分が何を言っているのか考えろ」と諭され、「もう会わない」と仁科の部屋を追い出された仁科はその現実が受け入れられず、しばらくは仁科のことを追いかけ回すことになる。
 しかしながら、それも大学が休みに入り、仁科がフランスに留学してしまうまでの短い間だった。
 最後の日に、完全な別離の言葉を告げられてしまった仁科は仕方なく、広尾のいなかった頃の元の生活に戻ろうとするけれど、心がぽっかりと穴が空いたようになってしまい、今まで通りうまく試作ができない。
 何を描こうとも言葉がまったく出ない状況に、仁科自身も焦りを感じるが、自分の力では何ともならず、ただ悶々と月日だけが過ぎていく。
 そんな時、師事する教授から渡されたのは、広尾と一緒にやった課題の詩の日本語訳で……

 という話でした。
 恋によって身を崩した詩人と、そんな詩人に恋してしまった男の話。

 結局仁科は、その訳詩によってもう一度書くことを取り戻して、その作品を見て、別れたはずの広尾が尋ねてきてハッピーエンド。

 でも多分、本当の2人の山場はこれからで。
 歩くテンポも、目的意識も全然違う2人は、なかなか考えてることのベースが違うから、ちゃんと言葉で伝えたつもりがすれ違っていたりして、うまくいかないところも多々あって。
 それが原因で、仁科が無理していたり……で。
 まだすっきり「共に歩む」っていう感じではないところで終わっているのだけれど。
 それでも、仁科は広尾のことが好きで、広尾は仁科のことをとっても大切に思っている……ということが大事なんだろうな……と思います。

 仁科が倒れちゃったシーンは、バイトの鬼だった個人的には、お前、其の日は本当にバイトがない日なのか? 大丈夫なのか?? って心配しても始まらないことを考えたりしたのですけど、まあ2人の将来の幸せの方が大事ですよねって。

 マイペース攻めに振り回され続けるちょっとぼんやりな受けの話。

 8割方は確かに広尾の方が正しいけれど、全員が全員、広尾のペースで生きれると思うなよ! と思ってしまったり。

 気持ちのすれ違いの含まれてるBL小説が好きな方にはオススメします。

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2013年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学の先輩後輩もの。で、後輩のほうが主人公なのですが、フランス文学を専攻するふたりが教授を経由して近くなってゆくのですが……先輩が、その境遇ゆえか、よくできる上に相手にもそれを求めるタイプなんですよね。そこが結構主人公がきつかったりするんですが、私も、友達ならともかく、付き合うひとにそうされるのはキツいタイプなんでちょっと微妙でしたw言われなくたって頑張るけどさ、好きなひとに頑張れ頑張れ言われるのって…どうなんだろう。その辺の気持ちのやりとりとか、先輩の心の動きとかもっと深く書き込んであるともっとおもしろかったかも。

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2012年03月30日

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