【感想・ネタバレ】マインド・イーター[完全版]のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

水見稜。1980年代のみに活躍し、作品数も10作に満たない作家でありながら、今でも名前を見ることがある。
特にこのマインドイーターは良いニュアンスで名前が出されているのを目にし、一度読んでみたいと思っていた。

読んでみた感想は「これが30年以上前の作品なのか」というもの。
MEとの壮絶な戦いを期待していた私には肩すかしではあったが、決して期待外れでは無く、人間の内面、特に弱い部分や気持ちの移ろいの描写はすばらしいものがあった。
近年のSFでは忘れられている感もある「地球を離れて人間は生きられるのか?」というテーマも含まれていて、宇宙から俯瞰して見た「生きる」とはどういう事かを考えさせられる。

また、評価の割に作家としての活動期間が短かったので、「もしかしたら早世されているのでは」と思っていたが、2011年の完全版出版時のコメントが載っており安心した。

0
2024年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一編の長い詩を読んだような気持ち。宇宙と、その中の地球、そして人の物語。美しくてゾクゾクした。何かこう、根源的なものを揺さぶられる感覚が怖くてゾクゾクもした…。連作短編で、「夢の浅瀬」「憎悪の谷」が特にお気に入りだが他も好き

0
2012年01月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 年末年始の暇な時期に何か小説でも読もうとおもって池袋のジュンク堂にて購入。新書もちょっとした恋愛小説のようなものも読み進まないなぁと思っていたときにふとSFを読もうと思いついてSFコーナーで目線の高さに表紙を向けて陳列されていたこの本をチョイス。

 マインドイーター(M.E)というタイトルの通り、人の精神を喰らうイキモノの話かと思いきや「人の精神に作用して、崩壊させたり遺伝子を書き換えて(本文にそんな記述はなかったかもしれない)壊すもの」のようで、意思をもった彗星や石、砂のような鉱物の形をしていると。そんなM.Eのいくつかの話が1冊収録されているのがこの本で、1つ1つの話のフィールドも地球上から宇宙空間まであり、ただ人間はそれを破壊するといった話ではない。M.Eに対する解釈も人間が作っただの、M.Eによって人間の言語が作られただのいろいろ出てきますが、基本的に憎しみというものが核になっているとか。遺伝子構造を変えられてかなにかで、人間の体がいろんな動物をくっつけたようなものに変化して最後には核酸になってり液体になったりするというのが何とも恐ろしかった。

 過去と未来を知っていて純粋理性のような「神様」みたいな存在を通して人間が何で人間として、猿のような姿形をして理性をもって言葉をつかって、家族や仲間や社会をもったり、神様を信じたりして生きているのかを考えるということを訴えかけてくる。M.Eは特定の社会や家族や姿(一応鉱石の形をしているが)を持たない思念のような存在なので人間の営みを理解することができない。人間が生きるというのは、進化の中で大きい猿のような姿形のようなものが二足歩行を始め、脳を発達させて理性をもち神様を信じるようになったり(人によってはならなかったり)っていう過程からまずは考えられるものであって、過去も未来も死も生からも自由な状態では理解できないとか思ったり。


 それにしても「緑の夢」とか過去と未来の遺伝子のすべてを持っていてそのビジョンをみせてくるとか、彗星のように地球にふってきたりしようとするとかとあるゲームのラスボスみたいだなとか、考えちゃうよね(*´ω`*)

0
2012年03月19日

「SF・ファンタジー」ランキング