【感想・ネタバレ】アクナーテンのレビュー

あらすじ

古代エジプト第十八王朝の王アメンヘテプ四世(アクナーテン)は、勢力を増すアメン神の神官団排除のため、太陽神アテンを唯一神とする宗教改革を断行。その歴史的事件をもとに、若きアクナーテンと美しい妻ネフェルティティの愛、民に自由を与えるはずの彼の計画が崩壊する様を劇的に描く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

解説にもあるが、アガサクリスティのエジプト好きの成果だと思う。
他の作品ほど、人の間の心理の妙については、表現されていないようだが、
アガサクリスティの人間に対する考え方は表現しているだろう。

エジプト史は詳しくないので、どこまでが史実で、どこからが創作かは分からない。
王政、宗教、戦争などに対する一つの考え方を表現している。

戯曲なので、戯曲が嫌いな人には読みづらいかもしれない。

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2011年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

父王の死に伴いエジプトのファラオとして即位したアクナーテン。神官たちの専横、生活に苦しむ民を救い理想の国家、世界をつくるために新たな都を作り新たな神を信仰する。神官たちとの対立。すべての戦争を否定するアクナーテン。離れていく民の心。自らの親友と考えていた軍人であるホルエムヘブとの決別。理想を追い求めるアクナーテンと現実を見るホルエムヘブとの溝。王位後継候補のツタンカーメンとの考え方の違い。宮廷で進む妃ネフェルティティの姉ネゼムートの陰謀。

 2009年10月23日購入

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2012年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アメン神を中心とした多神教の古代エジプトを、アテンを唯一神とする一神教世界に変えようとしたアクナーテン。
彼の思想はあまりに先進的過ぎ誰にも理解されない。
誰にも理解されない理想を追い進む姿と、一国の王としての理想の姿とは一致しない。
お互いを強く思いながらも、現実を祖国を憂うホムエルヘブと、理想を全世界を憂うアクナーテン二人の道は交わることはない。
アクナーテンの悲劇のもとは最後の石工のセリフに凝縮されていると思う。

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2013年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クリスティーの話は必ずといっていいほど最初は面白くない。なぜならば言い回しがとてもまどろっこしかったりするし。でもストーリーが進むにつれて、次の展開がすごく気になってしまい知らず知らずのうちにそのストーリーにのめりこんでしまう。
そんなミステリー作家だと私は思っている。
しかしこの「アクナーテン」についてはミステリー小説ではなくロマンス小説だ。なのにどんどん引き込まれていってしまった。さすがクリスティーだな~って思った

この話ではストーリーの主となるものが宗教で、「多神教世界」からアテン神という太陽神のみを崇拝する。「一神教世界」を創りだしてしまったしまったがためにおきてしまった悲劇。

当然、今までの自分が信教していたものを廃止とういうことは国民は納得もいかず・・・大反乱をおこす
しかしアクナーテンは一神教「アテンの神こそ本当の神だ」と思い込んでしまっているので、傍からみたらキチガイじみている。
私は、カミサマというのは存在はしてなく弱い人間が創りだした
ものだと思っている。だから強制的に「~だけが神」「~だけを崇拝しろ」というのはもともと無理な話だ。暴動がおきて当然だ。

しかしそこに付け込んできたネゼムートは最低ではないだろうか?そしてホルエムヘブも最期の最期「どんな人間にもこれ以上我慢できないという一線があるものです」など言わずずっと忠誠を誓っていてほしかったと思う。

私がこの物語で一番好きなキャラはネフェルティティだ。姉のネゼムートは彼女を見下していたところがあったけれど、一番辛抱強くて王のことを愛していたのは彼女だと思う。アクナーテンがプッツンした時も冷静さを決して失わなかったのは彼女だけ。それだけアクナーテンを愛していたのに最期はネゼベートに騙されてアクナーテンに毒薬を飲ませてしまった時私は胸が詰まって涙がでてしまった。なんとも切ない・・・って感じだ。

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2011年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古代エジプトに愛と平和と美を追求した王がいた。

アクナーテンはそれまでのエジプトの神アメン信仰を廃止して、太陽神アテンを唯一神とする。争いを否定し、美を尊んだ。エジプトは、世界は、愛と平和に満ちるはずだった——。

ちょうど大河ドラマ『べらぼう』を見ているせいか、人は正しく生きたいとは思わないのだと。それまで心を寄せていた様々な神たちを取り上げられることを民衆は喜ばない。力で治めていた場所にいきなり真理を説いても従うわけがない。窮地に援軍を送らずに愛を説く王なんて、軍からしたら見捨てられたと思うだけだ。

毒を用意した人、実際に飲ませた人、決別を伝えた人。アクナーテンの周囲が皆それぞれに複雑な想いを抱えていた。そして殺人は起きる。ミステリというか、エジプト歴史劇。クリスティーは楽しかっただろう。解説がさすがの吉村作治先生。

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2025年10月13日

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