あらすじ
日本仏教史上の傑出した宗教者・良寛(1758-1831)は,漢詩,和歌,書で,自由無碍に境涯を表した.その歌は,日本人の心をとらえ,讃嘆されて来た.近世を代表する歌人である.良寛研究の礎を作った相馬御風(1883-1950)の評釈で,良寛歌を味わう(解説=鈴木健一・復本一郎)
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Posted by ブクログ
良寛さんの歌集ですね。
良寛さん(1758~1831、越後生まれ)
僧侶、歌人、書家、詩人。
編者は、相馬御風さん(1883~1950、新潟県生まれ)文学者、詩人、歌人、評論家。
この里に手まりつきつつ子どもらと
遊ぶ春日は暮れずともよし
足引のこの山里の夕月夜
ほのかに見るは梅の花かも
うき雲の身にしありせば郭公(ほととぎす)
しば鳴く頃はいづこに待たむ
秋萩の咲くをとほみと夏草の
露をわけわけ訪ひし君はも
この頃は早苗とるらしわが庵は
かたを絵にかき手向こそすれ
わが待ちし秋はきぬらしこのゆふべ
草むらごとに虫の声する
みどりなる一つわか葉と春は見し
秋はいろ~にもみぢけるかも
夜もすがら草のいほりにわれをれば
杉の葉しぬぎあられふるなり
山かげの岩間をつたふ苔水の
かすかに我はすみわたるかも
白雪をよそにのみ見てすごせしが
まさにわが身につもりぬるかも
山里の草の庵にきて見れば
垣根にのこるつはぶきの花
ゆきとけにみさかをこさばこころして
たどりこしてよその山さかを
それぞれの短歌に『語義』『大意』『評言』の註釈がついていますので、わかりやすく良寛さんの短歌を楽しめます。
毀誉褒貶や世俗のしがらみを嫌い、自然と子どもたちを愛した良寛さんの短歌は素朴で親しみやすく、読んでいて気持ちが良いですね(=^ェ^=)