【感想・ネタバレ】根の島のレビュー

あらすじ

生物学的な男(メイル)が生まれなくなった近未来。
メイルは貴重な資源とされ、無生殖能力者(スュード)である鶫(ツグミ)は、
メイルの略奪者として働いていた――
「スュードに生まれるのは悪いことなの? なぜ、こんな生き方を選んでしまったのだろう」

任務に背いてメイルを解放した鶫。
そのメイルを連れ、唯一メイルが生まれる太母市に潜入する。
そこで鶫が見たものとは――

===
決断したという自覚さえないままに、鶫は戦士になっていた。
なぜ、こんな生き方を選んでしまったのだろう。
およそ、この世に略奪者ほど卑しく汚い仕事はないのに。
あるいは、それだからこそだったのか。

スュードは何も生み出さない。
無意味で不毛な人生を送って虚しく死んでいくだけだ。

やりたいこともなりたいものも特に見つからなかった。
それとも、考えようともしなかったのか。
母親にさえ見捨てられる無価値な存在が
人生について真剣に思い悩んだところで何になる。
自分には人に蔑まれる仕事こそがふさわしいのだ。
===

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Posted by ブクログ

ディストピア物語かな?「ハンガーゲーム」や「ダイバージェント」が面白かった人には響く世界観。
性別が軸というか出発点の話なので、昨今の性別に関する世界情勢の事をどうしても考える事になった。BLのオメガバースとも近い。
読み進めながら、「中立で読んでいるつもりでも、自分自身の性別から完全に切り離して読むことはできないのだな」と所々で気がつく。うんざりするような略奪や支配の場面で特に。

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2025年10月29日

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