【感想・ネタバレ】復讐は感傷的にのレビュー

あらすじ

大手メーカーの会長・磯田孝之助が起こした交通事故の裁判は、真実が捻じ曲げられ十分な求刑がなされずに終わった。司法に限界を感じた衿須鉄児は弁護士を退職。「合法復讐屋」エリスとして生き始めた衿須の前に現れたのは、件の事故で父親を亡くした少女・楓だった。そして二年後。「秘書」メープルとしてエリスの事務所で働く楓のもとに「孝之助が殺された」というニュースが……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これまで読んできたシリーズの中で、私にとって最も心を揺さぶられた一作だった。
読み終えた後、静かに胸に余韻が残り、「これが一番良かった」と素直に思えた。

最初の復讐は、どこか“緩い”印象を受けた。
やろうと思えば、もっと徹底的に追い込むこともできたはずだ。
それでも主人公はそうしなかった。
そこには怒りに任せない“大人の対応”があったのだろう。
しかし同時に、その温情こそが、二つ目の事件を引き起こしてしまったのではないかという思いも拭えない。
もしあの時、容赦なく復讐していれば、磯田幸之助が再び会長に復帰しようなどとは考えなかったのではないか、2つ目の事件も発生しなかった。
そんな「もしも」を考えずにはいられなかった。
復讐において情けを残すことの是非を、読者に突きつける展開だったように思う。

そして迎える終盤、そこには驚くべき大逆転が待っていた。
「そう来たか」と思わずうなってしまう鮮やかな展開である。
それまで張り詰めていた緊張が一気に回収され、心地よい後味を残して物語は幕を閉じる。
この爽快感こそ、本作がシリーズの中でも際立っている理由の一つだろう。

また、本作で最も印象的だったのは、主人公エリスの変化である。
これまでのシリーズでは、彼女は常に冷静沈着で、どこか余裕を漂わせる存在だった。
しかし今回は違った。精神的に追い詰められ、メンタルがボロボロになるまで苦しむ姿が描かれる。
そこには“完璧なヒーロー”ではない、人間としての弱さがあった。

私は、強いばかりのスーパーマンよりも、どこかに弱みを抱えた人物の方に惹かれる。
弱さがあるからこそ、立ち上がる姿に意味が生まれ、応援したくなる。本作のエリスはまさにそうだった。
傷つき、迷い、それでも前に進もうとする。
その姿に強く心を打たれた。彼女は単なる有能な主人公から、感情を共有できる存在へと成長したように感じる。

『復讐は感傷的に』は、復讐の是非を問いながら、人間の弱さと強さの両方を描き切った作品だ。
感傷的でありながら、最後には鮮やかな逆転で読者を救い上げる。
その構成の巧みさと、エリスという人物の深化によって、シリーズの中でも特別な一作になったと感じている。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回で、このシリーズは終わってしまうのかと途中考えたけれど、とりあえず続くようで良かった。
書き方や、展開、キャラクターの個性も自分好み。夢中で読めてしまう。 ちょっと、こうはいかないでしょって思う所もあるけれど、どんどんや完成度、びっくり度、どんでん返し度を上げていってほしい^^

0
2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バタバタしてて積んでたけどやっと読めた!うれしい。
2話構成だったぶんいつもより1話が長かったけど、いつも通りストレスなくするする読めて楽しかった。

上級国民のくだりといい明らかに有名な某事件を参考にされてるんだろうなぁ。『ある日突然家族が奪われる』という悲しみがどんなものか、幸運なことにわたしにはわからないけどメープルさんが泣けないくらいのショックを受けたのはさもありなん……。
ちゃんと最後は泣けてよかった。

血まみれで「よく頑張ったな」って死の間際においても彼女を励ます父の姿は彼女の記憶の中に永遠に焼き付いて消えないだろうなあ。
そしてそれを彼女は絶対に忘れたいとは思わないんだろうな。苦しい……。

個人的な好みは1話のほうが好きというか、株主総会あたりからの怒涛の種明かしがいつもの合法復讐屋さんのパターンで読んでて気持ちよかった。

2話はなんというか、誰も幸せにならなくてつらいな……。
霧子さんとの親子関係が確定したときに「やっぱりそうかぁ」って泣く霧子さんを穏やかに宥める跡部先生と、笑顔で霧子さんを冤罪の生贄に差し出す狡猾で情のない人物像が結びつかない。
でも実際彼は当初の予定ではそうするつもりだったわけで、娘を殺したと思しき犯人を殺すために、(そのときは確定していなかったとはいえ)子ども時代から見守ってきた別の娘を生贄にする判断をしたんだよなぁ……残酷だ………。

メープルさんがその齢にして敏すぎて度々びっくりする。エリスとメープルの凸凹スーパー有能コンビの原点がみれてよかった。次巻も楽しみ!

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大手メーカーの会長・磯田孝之助が起こした交通事故の裁判は、真実が捻じ曲げられ十分な求刑がなされずに終わった。司法に限界を感じた衿須鉄児は弁護士を退職。「合法復讐屋」エリスとして生き始めた衿須の前に現れたのは、件の事故で父親を亡くした少女・楓だった。そして二年後。「秘書」メープルとしてエリスの事務所で働く楓のもとに「孝之助が殺された」というニュースが……。


エリスとメープルの出会いのストーリー。個人的には、メープルの悲しさが伝わってきてぐっときた。車の暴走事故のことは記憶に新しく、他人ごとではないと読みながらずっと感じることができた。

全体としては長すぎず短すぎず、重すぎないがしっかりとした展開だった。犯人のイメージがギャップがあったかな。
読みやすいミステリーでおすすめできる。

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2025年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ3作目。
やっと明かされたエリスとメープルの過去。
エリスにとっても、メープルにとっても、お互い大事な存在であることがよくわかる良い話だった。




・・・・
孝之助を殺した真犯人が近しい人に罪をなすりつけるような人物像には全く見えなかった…。

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2025年05月05日

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