あらすじ
日本人がとらわれがちな8つのキーワード。人間関係、派閥、世間体、スケジュール、自己実現、若さ、情報、創意工夫……。なぜとらわれるのか、その思考の罠を探る。
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Posted by ブクログ
外から見る日本は、また違ったものが見えてくる。著者は、日本にあふれている事柄の中で、次の8つに絞って「日本人独特のヘンなこだわり」について述べている。
人間関係
スケジュール
派閥
世間体
自己実現
情報
若さ
創意工夫
年末になると書店や文房具店で決まって行なうフェアがある。それは手帳だ。手帳がそこかしこあふれかえっている。著名人監修の手帳などというものまで出て、手帳で人生が変わるといった文言が踊る。手帳に自分の人生をゆだねるのはどうかと思う。有名人の手帳で、使いやすいと思ったものはなかったので、自分に合う手帳を自分の書きたいように書くのが一番だ。著者は、手帳がこれほどまでもてはやされるのが理解できないと述べている。「手帳狂想曲」は、どこまで続くのか。
マスコミの情報におどらされやすい日本人に、著者はマスコミを意識しすぎていると指摘している。人気のスイーツが日本発上陸といった報道をするとすぐ群がる。グルメ検索サイト「食べログ」の一部業者によるやらせ記事が浮かんでくる。情報といえば、去年の原発事故における政府による「大本営発表」。図らずも「(ウソ)という魔法の言葉で(原子力ムラという)楽しい仲間がポポポポーン」と不都合な真実が「見える化」になった。世論調査に対する疑いの目も出てきている。
こだわりを持つのはいいが、肩を抜いてあの高田純次を見習って「適当」になると気楽になるかなと思うことがある。油汚れ並みにこびりついているだけにそう簡単にはとれない。著者の視点は、なかなか面白い。これからも独自の視点から日本について論じて欲しい。