あらすじ
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「自由に観る」だけがアートの楽しみ方でありません!
ノーヒントの自由によって、アート鑑賞がしっくりこないモヤモヤとしたものになっていませんか?
「わからないことを楽しむ」楽しみ方もありますが、「自分では気づかなかった世界に、アート作品を通じて触れることで価値観が変わる」のもまたアートの醍醐味です。もしもアートに「型」があったら、あなたのアート鑑賞はどう変わるでしょうか?
実は、鑑賞の視点のヒントを知ることで、「どう見ればいいか」がわかります!
「わかる人にしかわからないもの」「めちゃくちゃにやっているもの」
本書はそんなイメージが一変し、楽しく読み解き、深く味わうことができるようになる視点の「9つの型」を紹介。
「型」を使えば、どんな作品でも、自分なりに考えはじめるきっかけをつかみ、考察する楽しさを感じることができます。
現代アートが楽しくなる「9つの型」は、以下の「どこを見るのか?」「何がしたいのか?」「何を扱っているのか?」の3つの観点から分類できます。
●どこを見るのか?
1の型:作品の中 ~描かれているモノや物語を楽しむ~
2の型:作品の表面 ~材料の質感を楽しむ~
3の型:作品の外 ~作品がある空間を楽しむ~
●何がしたいのか?
4の型:ドヤドヤ系 ~具体的なものを表す~
5の型:映え映え系 ~見えないことを描く~
6の型:なぞなぞ系 ~意味や過程を表す~
●何を扱っているのか?
7の型:変化 ~変化する要素を扱う~
8の型:素材/行為 ~素材や行為のイメージを利用する~
9の型:関係性 ~空間・人間・地域との関わりを扱う~
なんとなくぼんやり眺めて「よくわからないなあ」と思っていた作品も、「なるほど! そういうことか!」と解像度がぐっと上がり、脳がスパークするような感動を得られる1冊です。
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
アート鑑賞の視点を「次元・目的・材料」の3要因×3型=9つに整理して解説しており、とても分かりやすい。特に図や描写を活かした構成が秀逸で、「結の概要→起承転結→結」という独自の流れも理解を助けてくれる。
読後は付箋を貼って美術館に持ち込みたくなる一冊。現代アートが苦手な人にもおすすめ。
Posted by ブクログ
現代アート本。視点を与えてくれてとても良き
ゾワら要素を体系的に解説できるように。。
メモ
・型があるからこそ、自由になれる。扱いやすくなる。アートも気軽に楽しめるように型を。
・現代アートとは当時の様子を端的に切り取り表したもの。当時の社会にとって新しい考え方や世界観を与えた表現、当時の人々のこころを掴んだ表現
・この人は何を表現?この表現はなぜ?この材料や方法は?
・アートの三つの次元の型
1作品の中の世界 物語
2作品の表面の世界 質感
3作品の外の世界 空間
・2の型は何を描くかではなく、どうやって描くかに焦点を当てている
・3の型は空間と物との関係性 空間の存在あってこその表現
・アートは何がしたいのか 目的
4ドヤドヤ系 ありのままを写す 記録象徴
5映え映え系 要素抽出 装飾、商業デザイン
6なぞなぞ系 思考促す 問題提起、哲学
・4の型にはさらに3つの意図が存在
記録象徴 時代や社会の様子を表したい
発明 新しい絵画を考えたい
詩文学 物語を表したい
・5の型の3つの特徴
構成 特に意味を求めてない
抽象 直接見えないことをテーマに
形式 作品の物質感を表したい
・6の型
脳が喜ぶ作品
特徴の例
レディメイド 手仕事の意味を問う 既製品組み合わせ
プロセス 成果物よりも過程を問う 記録な過程を見せる
イベント 場の意味や文脈を利用する
ワーズ 文字や言葉を作品にする
・偶然性の型
7 変化する要素を扱う
8 素材や行為の意味を扱う
9 関係性を扱う
・7の型 変化のアート
時間を表す
東洋的にはごく自然な感覚
・8の型 素材、行為のアート
素材は既存のものに含まれている意味がアートに
行為は行為が持っているイメージがアートに
素材と好意が持つイメージや背景を紐解くもの
・9の型 関係性のアート
様々な繋がりを活用するアート
3種類の特徴
作品と空間の関係
作品と人間の関係
作品と地域の関係
・インスタレーション
作品に決まった形や並べ方がない
展示ごとに飾り方が変わる
設置することに意味を持たせている
・空間はものの見え方に大きな影響を与える
・リレーショナルアート
・鑑賞者が作品に参加することで初めて完成するような表現