あらすじ
昨今大きく報道されたジャニー喜多川による性加害は,80年代には既に告発され,2004年に最高裁判決でその事実が確定していた.しかし,当時の多くのメディアは事件を黙殺し最近までこの問題を報じなかった.それはなぜなのか.文藝春秋の代理人でありメディア裁判の第一人者である著者が,ジャーナリズムのあり方を問う!
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Posted by ブクログ
岩波ブックレットNo.1104
はい、中居正広の性暴力問題が大きく報道されるこのタイミング(恐らくたまたま)で、ジャニー喜多川の性加害報道について考えます
1999年に週刊文春がこの問題について報じた直後、ジャニーズ事務所は「報道は事実無根である」として、名誉毀損で提訴しました
裁判にて争われた結果、2003年に東京高裁で「性加害が事実」と認定され、2004年に最高裁で上告が棄却された後も、このことを報じたメディアはほとんどありませんでした
結果としてジャニー喜多川による性加害は継続され、さらに多くの被害者を生み出すことになりました
そして、本書では触れていませんが(本書が編集されたのは事件発覚前と思われる)中居正広の性暴力問題の遠因もここにあると個人的には思っています
本書は、週刊文春の代理人弁護士として裁判にあたった喜田村洋一さんが、第1部で裁判の経過、第2部でメディアの対応と「なぜ報道しなかった」かについての考察をまとめ、メディアのあり方について、「国民の知る権利に奉仕する」という基本に立ち返ることを求めています
う〜ん、ね
まぁ、がっつり忖度してたわけよね
しかもその忖度は今も続いているんよ
「忖度しまくる報道」これが日本のジャーナリズムの現状なわけなんよ
だけど結局これも日本社会の縮図なんよな
社会そのものを変えていく必要があるな〜
でも社会を変えるためには、ジャーナリズムが持つ力が非常に重要でもあるわけで、志を持ってその職業を選んだ(はず)からには、大人の事情に負けずになんとか頑張ってほしい
踏ん張ってほしい
特別な力を持たない国民は、やっぱりあなたたちが頼りなのよ
Posted by ブクログ
ジャニーズ事務所と裁判で争った週刊文春側の弁護士が著者
ジャニーズ事務所の性加害問題は裁判で決着したが、それを全く報道しなかったメディアには相当に大きな問題があることを論理的に指摘する
2004年、週刊文春との裁判が決着しジャニー喜多川氏のわいせつ行為は認定された。
2019年、ジャニー喜多川氏 他界
2023年、イギリスBBCによる報道
およそ20年間、何も報道してこなかったメディア。昨今、だからオールドメディアなどと揶揄されるのだろう
Posted by ブクログ
まあ、メディアも商売だし、お忙しいのでしょう、
聴衆(市民)が興味を持つテーマ、
彼らの耳目を集めるテーマを優先して
取材し報道しなければならないのだろう、と思う。
しかし、一方で、メディア(取材するひと)が、
"これはおかしい"という事件があれば、
それを掘り起こし、記者魂で食らいつき、
多くの人の耳目にさらす、という活動も、
メディアは必要なのだろう。
私のようなものに、あたらめて言われるまでもなく(皮肉)。
またぞろ繰り返されることもあろうが、
泣いている弱者がいるのであれば、
スルーしたしせず、"こんなこと起きてますよ"という事象を、
強者におもねたり負けることなく、報道して頂きたい。
そんな報道の、"真の仕事"を期待します。