あらすじ
この世界が、あなたにとって、ちょっとでも生きやすくなりますように。
自分自身を優しくいたわる「ヒント」がつまったエッセイ集。
大江健三郎、ハン・ガン、津村記久子、文月悠光、『ブルーロック』、『君と宇宙を歩くために』……文学研究者が出会った、人生に寄り添ってくれる「言葉」と「物語」。
「養生という言葉を私は自分自身の生を養うさまざまな物語とつなげて考えてきた。ちょこんと横に置いて、ヒントとなる物語。自分の感情を教えてくれたり、生きる力をくれるような表現。それらを養生する言葉として捉えてきた。養生する言葉は、生きるための知恵であり、私よりも先に生きてきた人たち、同時代に生きている人たちが重ねてきた、輝くような実践の集積である。」
装幀・装画:鈴木千佳子
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Posted by ブクログ
トラウマからの回復が養生なのを明確に言葉にしてくれた。自分が何をしようとしてきたのかを言語化してもらったときの泣けてくる感覚、あなたとわたしはこんなにも遠いところにいるし私のつらさはあなたに比べたらとても軽いものだしあなたのつらさはわかることはできないけれどどれほどつらいだろうと泣くことは本当に久しぶり。この人が私が読んだものに関して書くことが感じていて何度も読み返して受け取りなおして言語化できずにいたことの見事な結晶化だったのでびっくりした。拾い上げる場所が端的。ぽこっと顔が水の上に出た感じ。足に絡んでいたたくさんの水草のうち一つが切れたような。たしかに、救われた。しなおす、し戻すこと。ここに出ているものを少しづつ読んでいこう。