あらすじ
モンタギュー家の一人息子ロミオは、ある夜仇敵キャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込み、ある娘と劇的な恋に落ちる。が、彼女はまさしくその仇敵の一族の一人娘ジュリエットだった。固く永遠の愛を誓いあう二人だが、運命は逃れようのない破滅へと加速してゆく……世界恋愛悲劇のスタンダードを原文の持つリズムや巧みな心理ドラマにこだわり、より分かりやすくよみがえらせた、新訳版。
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Posted by ブクログ
敵対するモンタギュー家とキャピュレット家、しかし、モンタギュー家の息子ロミオとキャピュレット家の娘ジュリエットはお互いに恋愛感情を持っている。本作はロミオとジュリエットを中心に展開される恋愛悲劇作品である。本作の途中でジュリエットは好きでもない人との結婚を迫られる。それを回避するために、修道僧からアドバイスを受ける。それはジュリエットを仮死状態にさせることであるが、これをきっかけに悲惨な結果を招く。しかし皮肉なことに、この出来事によって、モンタギュー家とキャピュレット家は最終的に和解する。
また、本作の解説者で劇作家である鴻上尚史も、シェイクスピア作品を読むうえで色々と参考となる。解説によると、イギリス人がシェイクスピア作品を読むのは、日本人が古典を読むような感覚で、読んでも理解できないことが多いらしい。そのため、単に読むよりは、口に出してリズムを味わうことのほうがが大事だという。さらに、古典作品を楽しんで読むために、読者が、キャスティングを頭に浮かべて読むというのがポイントである。自身をロミオ、ジュリエットと見立てて、一方で相手を好きな人というように妄想しながら読むと、より作品に没入できる。
Posted by ブクログ
レオナルド・ディカプリオの主演映画『ロミオとジュリエット』を見ながら、対照させて本文を読んでみた。
いやまったくほれぼれしてしまうくらい、原典に忠実に映画が作られていて、非常に楽しめました。
映画も、翻訳本も。
シェイクスピア翻訳と言えば数々の名訳珍訳が出ていますが、この角川文庫の新訳版は、とても読みやすいです。
巻末解説が鴻上尚史さんで、シェイクスピアが取っつきにくいと感じている人ほど、一度は読んでおきたい解説です。