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Posted by ブクログ
『バンパイヤ』を読んだのは『三つ目がとおる』『どろろ』のあとで、それらよりも印象に強いものではなく、どちらかというと感想に困る類の作品だった。
間久部緑郎というユニークな名前の元ネタがシェイクスピアであることはコミックスの折り返しに著者自らの言葉で記されていたような気がするが、感想に困るたぐいの作品だったから、それに惹かれて原典にあたるというようなこともせず、四十年くらい経ってしまった。
シェイクスピア初心者である。どれを選べば無難なのかもわからないような。読みやすいもの、とっつきやすそうなものを探したところヒットしたので本書を選んだ。
訳の良し悪しはわからない。下剋上したけど三日天下で終わりましたというようなお話。三人の魔女とかヘカテとか登場させているが、物語の規模にそぐわない、肩透かしもいいところ。当時の世相を知らないと楽しめない類であるようだ。
訳者あとがきによれば、種本であるホリンシェッド著『年代記』において、モデルになった人物は下剋上ののち17年くらい善政をしいたとのこと。パトロンである時の権力者におもねった内容に仕上げられているということらしい。