あらすじ
卓越した武勇と揺るぎない忠義でスコットランド王ダンカンの信頼厚い将軍マクベス。しかし荒野で出会った三人の魔女の予言はマクベスの心の底に眠っていた野心を呼びさます。夫以上に野心的な妻にもそそのかされ、マクベスは遂に自分の城で王を暗殺。その後は手に入れた王位を失うことを恐れ、憑かれたように殺戮を重ねていく……。悪に冒された精神が崩壊する様を描くシェイクスピア悲劇の傑作。リズムある名訳でおくる決定版。
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Posted by ブクログ
『バンパイヤ』を読んだのは『三つ目がとおる』『どろろ』のあとで、それらよりも印象に強いものではなく、どちらかというと感想に困る類の作品だった。
間久部緑郎というユニークな名前の元ネタがシェイクスピアであることはコミックスの折り返しに著者自らの言葉で記されていたような気がするが、感想に困るたぐいの作品だったから、それに惹かれて原典にあたるというようなこともせず、四十年くらい経ってしまった。
シェイクスピア初心者である。どれを選べば無難なのかもわからないような。読みやすいもの、とっつきやすそうなものを探したところヒットしたので本書を選んだ。
訳の良し悪しはわからない。下剋上したけど三日天下で終わりましたというようなお話。三人の魔女とかヘカテとか登場させているが、物語の規模にそぐわない、肩透かしもいいところ。当時の世相を知らないと楽しめない類であるようだ。
訳者あとがきによれば、種本であるホリンシェッド著『年代記』において、モデルになった人物は下剋上ののち17年くらい善政をしいたとのこと。パトロンである時の権力者におもねった内容に仕上げられているということらしい。