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Posted by ブクログ
夏目漱石の作品を初めて読んだが、ここまで内容に重みがあるものが書けるのか、と感じた。先生の心情がよくわかる。とても読みやすい。
先生が度々墓参りすること、遺書にKが出てことから「もしかしてKは死ぬんじゃないか」と思っていたけど、まさかこんな展開とは。
Posted by ブクログ
⚫︎受け取ったメッセージ
孤独は人を殺すことがある。
それを知った上で、どう行動すべきか、生きるべきか。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
あなたはそのたった一人になれますか。
親友を裏切って恋人を得た。しかし、親友は自殺した。増殖する罪悪感、そして焦燥……。知識人の孤独な内面を抉る近代文学を代表する名作。
鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生"と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。
⚫︎感想
先生の手紙を受け取った「わたし」もまた、孤独を感じる人間だったからこそ、孤独を体現していた先生に惹きつけられたのだろう。他人と共有できない部分を各々が持つゆえに、人は誰でも孤独をかかえていると言える。
また、どんなに親しくても、自分以外の人を100%理解することもできないのだとも知っている。重なり合わない部分を各々が抱えているのが人間の孤独なのだ。
だが、こう考えた。誰かと重なり合わない部分を違う誰かに共有してもらうことはできるということ。先生は死ぬ間際に「わたし」に孤独を告白し、背負ってもらった。それは先生にとっては人生の浄化、「わたし」にとっては、人生を貫く孤独があるということを知る機会となった。「先生」とは、先に生きて問題を抱えて生きた人、である。
漱石は誰もが抱える「孤独=こころ」を、先生と「わたし」の形式で見せてくれた。「こころ」を読んだ、だれもが「わたし」である。
また最初から読みたくなる構造がすばらしかった。
Posted by ブクログ
〜 しかし……しかし君、恋は罪悪ですよ。わかっていますか」
先生は「私」に尊敬される事を重荷に感じている。自分にはそんな価値がないと思っている。それは何だかわかるような気がした。
尊敬のあとの落胆を恐れる気持ちも。
「かつてはその人のまえにひざまずいたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようとする」
「私は何千万といる日本人のうちで、ただあなただけに、私の過去を物語りたいのです。」
3章の遺書に入ってからつまらん!ってなってしまった
個人的にKはかなり嫌い
先生はKを尊敬してるけど、同時に彼を嘲る理由を探している
誰も彼もある意味人間らしいのだけど。
Posted by ブクログ
「人を愛しうる人、愛せずにはいられない人、それでいて自分の懐にはいろうとするものを、手を広げて抱きしめることのできない人、これが先生であった」
初めて読んだ夏目漱石。
漱石が好きで漱石の話をするときだけギアがあがる知り合い。その人の世界の捉え方が少し分かった気がした。いや、やっぱり分からない。