【感想・ネタバレ】こゝろのレビュー

あらすじ

「こゝろ」は後期三部作の終曲であるばかりでなく、漱石文学の絶頂をなす作品。自我の奥深くに巣くっているエゴイズムは、ここでぎりぎりのところまで押しつめられる。誠実ゆえに自己否定の試みを、自殺にまで追いつめなければならなかった漱石は、そこから「則天去私」という人生観にたどりつく。大正3年作。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved

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高校の時に授業で初めて読んだ。その時の現代文の先生の教え方が上手で、こころに隠された細かい心理描写だったり、風景の表現の仕方の工夫だったりを教えて貰った時、ただ読書が好きで本を読んでいたけど、今まで私は表面的にしか物語を受け取ってなかったんだってショックを受けた覚えがある。
先生やKの些細な心の動きに、自分一人で読んでいたらきっと気がつけなかった。面白さに気づかせてくれたからあの時の授業には本当に感謝してる。
1番感動したのは、襖が先生とKの心の壁を表していたこと。閉まっていることが多かった襖が、最後Kが自殺した時に開いている⋯⋯ゾッとしたし素晴らしいなとも思った。

こころの単元が終わってすぐに本屋で文庫買った。授業では先生の遺書の部分しか扱わないけれど、「私」の部分を含め全部通して読んでこそ先生の人間性がより魅力的に映る。
そして、有名な作品が有名である理由を理解することの意味を感じた。
読書人生を変えたベスト3に必ず入る。

大学受験や教採受験の時に、面接待ちの時間に読むために持っていった、大事な節目の時に共にある本。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わってから、「主要人物10人未満!?」ってびっくりした。
前・中編では私目線だから先生の厭世的な部分、自分を語りたがらない部分は大人の魅力、ミステリアス、として肯定的に感じられた。
しかし!いざ後編で先生の遺書を読み進めると、それらの魅力はただの自己保身だったのが構成の旨みを上手く利用していて感服した。
大前提!Kも先生も、てかこの物語全体が、男尊女卑が酷い。そういう時代なんだろうけど、「Kははじめ女からも、私同様の知識と学問を要求していたらしいのです。」という文言にはイラっとしました。そういう時代だから仕方ないけどね。
Kの死因への向き合い方とか、自分の生への考え方とか見てると、先生もちゃんと成長してるのを見受けた。特にKの死因に対する思考はかなり感心。結局はKしか知らぬところとはいえ、失恋から始まり、理想との乖離、孤独に由来する思いつきとKに対する理解を深めようとするのを止めていない、というか止められなかったのが贖罪であり、また、成長なのかなと考えた。
個人的に先生を見直したのが、最後の一文。抜き出しになるけど、「妻が己の過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存しておいてやりたい」、これを愛と呼ばずしてなんと呼べば。たしかに自分きっかけで2人の人間が鼓動をやめたことを考えれば、そりゃあそうとも思う。しかし、死の淵に立った瞬間でさえも妻の余生を考えて言葉にして残すことはなかなか簡単なことではないと思う。Kの死後、妻への愛だけが、先生の取り柄です。

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2025年12月27日

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ネタバレ

この傑作が400円足らずで売っていて、高校・大学の時に読んでから久しく経った今、もう一度本書を買って読んでみた。何度読んでも味わい深い小説である。

自分の上位互換である分身(K)を迂闊にも隣に置き、Kに対する模倣と嫉妬から対象(お嬢さん)を欲しがり、手に入れたはしたがKへの嫉妬を媒介とする愛であったため、K亡き今、お嬢さんへの愛情も薄れてしまった。最終的には主人公も自殺の道を選ぶのである。

解説にもあるが、漱石の文章構成は元々建築志望だっただけあり、非常に読みやすく、滑らかに読めてしまう。また、ルネ・ジラールは優れた小説には模倣の欲望が描かれていると言う。『こころ』はまさに模倣の欲望がもたらす情動と破滅を簡潔かつ明瞭に描いている。私の人生にとって最も重要な小説の一つである。

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2025年10月26日

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精神的に向上心のないものはばかだ
この言葉が決定だだっただろう

読んでいて辛かったけど想像以上に面白かった。

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2025年10月15日

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日本で最も読まれている長編小説のひとつと評される、夏目漱石『こころ』。
1914年(大正3年)4月20日から8月11日まで、『朝日新聞』に「心―先生の遺書」として連載され、同年9月20日、岩波書店より漱石自身の装丁で刊行されています。
百年以上を経た現在も、世代を越えて繰り返し読まれている作品となっています。

小説は、
上「先生と私」
中「両親と私」
下「先生と遺書」
の三部から構成されています。
高校の国語教科書では、多くの場合、この「下」からの抜粋が用いられていたのではないでしょうか。

高校当時、小説の抜粋という読み方がどうにも許せない生意気な女子学生だった私は、
そのまま新潮文庫版『こころ』を買いに、同級生の家の本屋へ向いました。だって田舎だからそこしか無かったんだもん。

ロングベストセラーの要因のひとつに、教科書掲載があることは確かだと思います。
ただ、それだけで百年以上読み継がれるとは思えません。

加えて、この小説は再読率の高い作品なのではないかと感じています。
実際、私自身も何度か読み返している、珍しい小説の1作です。

物語としての強度、明治の作品とは思えない文章と文脈の運び。
それに加えて、この三部構成の緻密さが、読み終えた読者を再び冒頭へと戻します。
ラストに至って、先生と出会う場面「上」をもう一度確かめたくなる。
そうした読書のローテーションにはまりやすい構造も、『こころ』の人気の要因の一つではないでしょうか。

こうして何度か読み返すうちに、私はこの作品がしばしば評されるような「明治精神の終焉」を描いた小説なのか、少し疑問を抱くようになりました。明治天皇の崩御、乃木希典の殉死という時代的事件の直後に書かれ、小説内でもそれは数度言及されてはいます。
しかし、先生が死へと向かう精神のありようは、あくまで個人的なものとして描かれているように思えます。
森鷗外が乃木の殉死を強く評価し、短編まで書いたのに対し、夏目漱石はこの件について当時明確な意思表示をしていないようです。
その沈黙の代わりに、『こころ』では、Kの死と先生自身の決断を、徹底して個人の倫理として描く。それが、殉死そのものへの漱石なりの回答だったのではないか、と考えてみたりしましたが、どうでしょうか?

さて、先生と私の出会いは、鎌倉の海水浴場です。半裸中年男性である先生に、理由もなく惹かれていく。その視線を担うのが、この小説の語り部である「私」です。
このあたりは、夏目漱石の確信犯的な仕業とも思えます。

しかし、その意図的にも見える導入は、物語が進むにつれて、性愛ではなく、友情や信頼、尊敬といったホモソーシャルな関係性へと変換されていく。

森鷗外は、夏目漱石の『三四郎』に触発されて『青年』を書いたと言われています。
もしかすると、この鎌倉から始まる幾つかの場面もまた、当時発禁となった森鷗外の
『ヰタ・セクスアリス』への文学的返礼、あるいは、読者を引き込むための少しお茶目な大衆文学的導入だったのかもしれない。
少なくとも、そのこと自体は作品の到達点としては用意されていないように、私には感じられました。

『こころ』が描いているのは明治の終わりではなく、今もなお繰り返される「個人の倫理の行き詰まり」なのかもしれません。

だからこそ、この小説は、何度読んでも現在形で
読まれ続けるのではないのでしょうか。

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2026年01月06日

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中盤までの話は先生のキャラクターを引き立てるためにつくられたんだろうなってくらいに後半が濃い、主人公のその後がきになったりはするけど、それよりも先生の遺書の内容にどんどんのめり込んで見れた
呑気な意見だけど、行動の内容には時代背景やその人自身の性格などが大きく反映しているとはいえ、以前読んだ椿姫でも男がメンヘラ発揮してたところをみるに、どの時代でも同じような恋の苦悩があるのだと感じて人間の精神性のある種の共通項?のようなものを発見できて面白かった、例えば、先生は恋は罪悪と言っていたけど、いうなら若さは罪悪なんじゃない?なんて共通項もあるのかな?と
椿姫でも若さゆえに男が暴走するシーンが序盤に色濃く書かれていたし
こころでは、家の繋がりが強い時代で、家が最大の巨悪となっていた先生とKが長いものに巻かれず立ち向かうのが、若さゆえの反抗のようだと思えたし、その後4人での生活を過ごす中で起こる色恋沙汰と、それに先生が向き合い、Kへの嫉妬心から起こる一連の流れも若さがゆえに、自身の理性と感情が入り交じり、それを上手く収拾つけることが出来ないから怒った事なのかな、と考えていました

余談だけど、自分がKの立場にいたら、自殺する理由として正当なのは先生への復讐なのかな、なんてぼんやり考えました

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2025年12月29日

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まじでタイトル通りの本だった。人間の思考回路が細かく書かれていた。罪悪感について、時間経過による思考の変化がとっても納得できて面白かった。最後怒涛の結末すぎて忘れかけてたけど、主人公の父は大丈夫かちょっと気になる。そして、Kさんの心情については一切書かれていなかったけど、気持ちが想像できて、途中まじで心苦しすぎて読めない時あった〜

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2025年12月10日

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学生時代に教科書で少しだけ読んだ作品、いつか読もうと思い続けて十数年経ちましたがやっと読むことができました。
「精神的に向上心のないものは、ばかだ」
過去にKが語った言葉は、恋心に悩む今のKにとってはあまりにも残酷な言葉だと感じました。さらにそれを今になって引っ張り出し、念を押すように語った先生の行動はあまりに卑怯な手と言わざるおえませんでした。しかし、人というのは、いざという時には、先生や先生を裏切った叔父さんのように、打算的で邪な考えをもって行動してしまう生き物でもあるということを、私たちも心の片隅に覚えておくべきことなのかもしれません。

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2025年12月02日

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愛する静と結婚するため友人のKを裏切り、彼が自殺してから12年罪の重さに苦しみ果てに自殺する「先生」の独白

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2025年11月30日

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吾輩は猫であるより読みやすかった。
何か秘密を持ってる先生と出会う主人公。
奥さんでさえ知らない秘密とは…
私は結局父の死に目に立ち会えたのかが気になる。
先生の遺書は少し長くてちょっとダレたかな…
乃木大将が明治天皇が亡くなったときに妻と殉職してるのを知り今の時代じゃありえないことだなって思った。
最初にあらすじがあるけどこれは読まない方がいいです。ほとんど内容書いてあってネタバレになります。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

授業で取り上げられた部分はほんの一部で、手紙がめちゃくちゃ長いと聞いていたので、確かめたくなって読んだ。たしかにめちゃくちゃ長かった〜〜!でも読みやすくてずんずん読めた。
不思議な先生の過去が次々と明らかになりまるでミステリーみたいで、しかも先生のずるさも明らかになって、人間って...と思わされる。流石にずるすぎやしないか。でもあんなに嫌悪していた叔父と同じだと気づく場面はぐさっと来て、誰しも同じ側面があるんだと突きつけられているよう。
唐突に終わってしまったのが残念。これから妻は大丈夫なんだろうか。そして私はお父さん放ってきちゃって本当に後悔しないのか...
ぶっちゃけ、なんでこんなに名作として人気があるのかまではわからなかったなぁ。まだまだ私の人生経験が足りないのかもしれない。

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2026年01月19日

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純文学は芥川と太宰はよく読んでいたが、夏目漱石は有名作品すら知らなかったため、まず初めにこころを手に取ってみた。

一人称で書かれている男がこの物語の主人公ではなく、先生と呼ばれている男がメインの話となっている。
この先生、読めば読むほど自己中心的な人間で、まず人を信用しない理由として信頼していた叔父に裏切られたことがトラウマになったと言っているが、幼く無知であった自分が財産全てを叔父に託していたことが原因でもあるし、友人を死なせた理由もあまりに身勝手。
下宿先にkを招く前に、奥さんは少なからず予感して止めたいたにも関わらず強引に呼び込み、挙げ句下宿先の娘を好きになったと告白したkに焦って、今まで娘に対してはっきりした態度を取らなかった先生が急に奥さんに直接結婚の許可をもらい、kからしたら寝耳に水状態。しかも先生本人からじゃなく奥さんから世間話で軽くその事実を聞かせれたkのショックや想像に絶する。

終いにはそんな他人からしたらどうでもよい話を勿体ぶって主人公になかなか話さなかったのに、主人公の父親が危篤状態のときに分厚い手紙で送りつけて主人公の心を掻き乱している点含め、最初から最後まで自己中心的な人間という感想…。

金や恋が絡むと綺麗事では済まないところが人間らしく、そのどろどろとした生々しさを描いているところにこの小説の本質があるとは思うのだが、どうにもこの先生が私には受け付けられませんでした。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

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ドラマ「舟を編む」を見て、辞書編集者が言うんです。「あの遺書長すぎだよな!」と。「こころ」って小学生くらいに教科書に掲載されていたような気がするんだけども、今はどうなんでしょう。

先生の遺書以外のところを知らなかったので、新鮮に読めました。夏目漱石の名作なんだろうけど…
これが好きな人はどんな感想なんだろう?というところが気になります。私はやっぱり「遺書長い…」という感想になりました(すみません)。

以下は気になった文の引用です。
「「いまに私の家の方へは足が向かなくなります」先生はこう言って寂しい笑い方をした。」
「しかし……しかし君、恋は罪悪ですよ。わかっていますか」
「よくころりと死ぬ人があるじゃありませんか。自然に。それからあっと思う間に死ぬ人もあるでしょう。不自然な暴力で」
「平城はみんな善人なんです、少なくともみんなふつうの人間なんです。それが、いざというまぎわに、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」
「ひとの時間と手数に気の毒という観念をまるでもっていない田舎者を憎らしく思った。」
「私は人間をはかないものに観じた。人間のどうすることもできない持って生まれた軽薄を、はかないものに観じた。」
「先生の多くはまだ私にわかっていなかった。(略)要するに先生は私にとって薄暗かった。」
「叔父にだまされた私は、これからさきどんな事があっても、人にはだまされまいと決心したのです。」
「ぜひお嬢さんを専有したいという強烈な一念に動かされている私には、どうしてもそれが当然以上に見えたのです。」
「私はKをむりに引っ張ってきた主意が立たなくなるだけです。私にはそれができないのです。」
「奥には人がいます。私の自然はすぐそこで食い留められてしまったのです。そうして悲しいことに永久に復活しなかったのです。」
「私の自然が平生の私を出し抜いてふらふらと懺悔の口を開かしたのです。」
「私の胸はその悲しさのために、どのくらいくつろいだかしれません。苦痛と恐怖でぐいと握り締められた私の心に、一滴の潤いを与えてくれたものは、その時の悲しさでした。」
「ひとに愛想を尽かした私は、自分にも愛想を尽かして動けなくなったのです。」

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読むの大変だったけど面白かった。
正直言うと少しBL展開があるって聞いて下心ありきで買いましたすみません。でも全然そんなことなく,先生と私(上中の語り手)のせつない空気の漂う関係性が良かったなって思う。
Kと先生の関係もBL要素ないし何故これがBLだと言われているのか不思議。
下の話の,先生はやり場のない感情がずっと残り続けたまま生きてきて最後に自殺する…という展開がすごく良かった。好きな人を取られるのではないかと一人で焦って,自分のしたことで大切な人を死なせて…。親族に裏切られて腹を立ててるのに,自分は友人を欺いて裏切ってしまう…これも先生の気持ち想像しただけで辛い。遺書見つけたとき,真っ先に読んで自分のことが書かれてないと安心する部分も人間の醜さが生々しく書かれていて苦しくなった。

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2025年08月17日

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