あらすじ
今の世の中、そして所属する組織が、「なにかおかしいな」と思っても、したたかに、仲間とともに、前を向いて生きてゆきたい人たちに贈る書。『北海道新聞』夕刊で長期連載された人気コラムを書籍化! 《組織の中で働くということは、組織を構成している人間相互の関係性の中で仕事をすること。となると、現在では表舞台から去った「人望」が、復活の時を迎えるかも。というのも、組織というものはおもしろいもので、順境では不要であって、壊したり、かき回したりする人が、危機や衰退時には必要になったりします。業績好調な前の組織では人を育て活かすことができたリーダーも、次の組織では活かすどころか、つぶしてしまったという話もよくありますね。人は人それぞれに事情があるものです。それを把握し、臨機応変かつ柔軟に対処することで百花繚乱の姿を目指すのが本来あるべき目標であるのは言うまでもないことです(それをダイバーシティ社会ともいうそうですね)。けれどもその実現に挑戦し、踏み出せるリーダーには、やはり「人望」が必要だと私は思うのです。ではどうすると「人望」は得られるのでしょう。人は、外見や見た目で9割が判断されるなどと言われますが、ともに働き学び続ける仲間ともなれば、そうではないでしょう――》「はじめに」より *本書にちりばめられた、数々の言葉 ●部下の心理的安全性を担保するには、まず上司としての正直さや潔さが必要になる ●気配り・目配り・心配りをするには、観察力や想像力が必要になる ●捨てる神あれば拾う神あり、まずは自分の仕事に誇りを持つ ●人間的なつながりを深めていく、その手段に、あいさつとお礼がある ●自説に固執し、偏見で判断し、助言を聞かない……もう退場したほうがいいのでは ●「感情労働」という働きの価値を認めて、その精神的疲労の回復に工夫する ●頑固、頑迷固陋、強情、聞く気なし、聞き流す人……にはなりたくない ●投げた石、発した言葉は、いずれも戻ってこない ●仕事は誰かが必ず見ている、縁と情を大切に ●非の打ち所のない文章も、一つの誤記ですべて台なしになる ●丁寧に人に接すること、それが、自己を律することにつながる ほか
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Posted by ブクログ
■上司としての権力や権限の最善の使い方は「必要があると判断した際には、権力の行使に何ら躊躇しないことを普段から発信しておく。しかし、実際には講師しないこと」である。
適度な緊張感さえあればよい。実際に行使したならば部下は萎縮してしまい自主性や主体性を発揮するどころではない。その結果、優秀で気骨のある部下は反発し、長いものには巻かれろ的な部下は面従腹背に徹し、耐性の弱い部下は操り人形もどきに変身しかねない。
部下のワークモチベーションを引き出すためには、上司は部下との信頼関係を築いて心理的安心感を与えつつ、部下が潜在的に持っているであろう貢献への欲求、有能感への欲求或いは成長への欲求を刺激したり、満たしてやったりすることが必要である。
■気配り・目配り・心配りをするには観察力や想像力が必要になる。
■OJTには理と情が必要。仕事をチームワークで行うならば、情は親近感や仲間意識のベースとして必要。さらに言えば情は信頼に基づく人的ネットワーク構築の原点である。仕事哲学というものを解釈するならばロゴス(論理)とパトス(情熱)とエトス(精神)の三位一体である。
■コミュニケーションの質はその量に比例する。
■「マイクロアグレッション」(小さな攻撃やけなし)に関する記事が散見される。普段何の気なしに発せられることが多い特定の集団などに対し、性別や性的指向を軽視、侮辱するような言動のことで、元々は人種差別の視点から捉えられてきた問題。
■悪徳無能上司5原則
①思惑・打算・嫉妬から簡単に人を認めようとはしない
②虚心坦懐に提案や意見に耳を傾けない上、素直に現実を見ない
③正論を述べる者より阿諛追従の輩を昇進・昇任させる
④失敗の責任を部下に転嫁し自らは知らぬ存ぜぬを決め込む
⑤悪意に満ちた中傷と酒席での欠席裁判を好む
Posted by ブクログ
職場に、職場の空気と仲間を壊す人がいるので、タイトルに惹かれて購入。
わたしの職場にいるようなクラッシャーの話は無かったが、気を引き締め直せた。